表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/92

完了

 カフェでの休憩を終えカレン達が移動しよう、という段階になって問題が一つ浮上した。

 それは、


「猫かしらねえ?」

「好奇心旺盛って言いたいのか?」

「事故って死にたいのって言いたいかな?」

「すみません」

「パパ?」


 カロンが日本という未知だらけの場所で、好奇心の赴くがままふらふらと歩きだしてしまう事だ。

 まあ自国との差が激しいのでワクワクうずうずしてしまうのは仕方ない。しかし土地勘のない状態ではうっかり事故にあいかねない。世界の強制力が守ってくれるのは殺意と本人の拒絶対象だけだ。偶然起こりうる事故で死ぬケースは皆無ではない。故に初めての土地では警戒心を持って貰わねば困るのだ。


「電車移動はやめた方が良いかしら?」

「え!?」

「カロン君、娘を守るべきあなたがそんなフラフラだと私も気疲れするし、あなたにばかり気を取られてカガリ嬢への対応がおろそかになるっても困るわ」

「うっ」

「よって、パーティーメンバーに迎えを頼みます」

「・・・はい」


 うずうずと周囲を見回しはするが、このままでは不味いのも自覚があるらしくカロンからの反論は特にない。シュンとしてしまったカロンをしっかり掴んでこの場を動かない様にカガリに言い聞かせ、カレンはパーティー本部に連絡を入れるのだった。



       ※      ※       ※



 空港からの電話からしばらく、一時間もしないうちにカレン達の姿はギルド本部前へと到着した。

 本来であれば一時間で本部から空港へ、空港から本部へと往復できるほど双方の距離は近くは無いのだがそこはソレ、世界統合時にあった技術の格差を物凄い勢い埋めていった日本の技術者たちの努力否、寧ろ暴走とも言うべきほどの速度による技術革新により車等の移動機の発達によるところが大きい。

 いや、本当に当時は凄かったのだ。新しい技術にテンション駄々上がりの人達と学ぶ意欲満々人々にノリノリで技術指導をするヒト達、それに伴い大きな企業に属する技術者と小さな町工場に属する職人たちが交流を持ち、新たな技術の発展とその技術に食いついたヒト達とも共同開発し、更にそれに興味を持った魔法使いやら妖術使いやらも加わり、と何やら色々なものが循環して益々技術発展が盛んになったことで日本の現代が恐ろしい事になっているのだ。

 故に一時間もしないうちに空港と本部の往復など軽いのだ。


 閑話休題 


 兎にも角にもカロン君の好奇心による失踪、事故が起こらない安全な移動により無事、本部にて渡し屋ギルドのギルドマスターと我らがパーティー万屋のリーダーとの面会にこぎつけたのだ。

 よっていま私は仕事から解放された!え?私?本部に着いた時点で二人とは別れたよ?だって仕事は彼らの送迎だし、ギルドまで連れてくればお仕事終了、ギルマスへの報告で依頼完了の印も貰ってさっき受付でも依頼完了の手続したからね。私は自由の身だ!

 ってことで、我が愛しの相方に帰国の報告w


「カレン!!」


 をする前に迎いに来たわね。大方パーティ本部に迎えの電話したところから情報が入ったんでしょうね。電話口影さんだったから紅に教えてても可笑しくないし、迎えに来たって事は紅のお仕事も終わったはずね。仕事の途中で逃げられるほど物理的にも精神的にもウチのパーティー甘くないから、激務で魂だけ飛んでも連れ戻すぐらいには仕事に対して厳しいし。


「紅、ただいま」

「お帰りカレン、お疲れ様」

「態々迎えに来てくれたの?」

「当然、カレンに早く会いたかったからな、大事は無いか?」

「特に問題ないわ」

「そうか」


 肉体的にはそんな疲れはしなかったのよね。大きな動きなんてジャン氏達の罠を掻い潜った時ぐらいだしね。


「ただ」

「ただ?」

「少し気疲れしたわ」


 うん、本当にそっちは疲れた。会社に行く前に練り歩いた街の雰囲気とかカガリ嬢に対する親バカ達の構いっぷりとか、あと亡命の手助けとか初めてしたから精神的に疲れたのよね。


「気疲れしたなら何処か気晴らしに行くか?」

「気晴らし?」

「ああ、俺も仕事が終わったから時間があるだ。どこかに行くなら付き合うし、一人が良いなら行って来ていいぞ、母さん達は言っておくから」

「そう、ねえ」


 確かに気晴らしにどこか行くのはありね。紅が付き合ってくれるならこの間出来た喫茶店にでも行こうかしら?ケーキが美味しいって評判なのよね。


「この間出来た喫茶店知ってる?」

「ああ、ケーキが美味いって所か?」

「ええ」

「其処なら知ってる。パーティーでも女性陣が行ったって、評判いいみたいだぞ」

「ならそこに付き合ってくれる?一人で行くより紅と行きたいわ」

「勿論、ついでに母さん達に焼き菓子でも買って帰ろう。カレンを独り占めしたって恨みも緩和するだろ」

「そうね」


 おば様たちは私も一緒に可愛がってくれるているんだもの、お土産の二つや三つはいいわね。

 さ、そうと決まったらさっさと移動しましょうか、紅は確りしていてもまだ小学生なのだから遅くまで連れまわせないわ。


 そうして行った喫茶店は噂にたがわず大変美味だった。お土産の焼き菓子詰め合わせも家族に好評だったのでそのうち機会が有ればまた行くことにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ