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名誉除隊

調印式が終わって数日後、勲章の授与式が行われた。俺は戦場での兵士の命を守る指揮をとったことで二番目に位の高い勲章を授与された。その際に俺は演説をする機会があったため、この戦争の結末について意思表明をした。

「お集まりの皆さん、こんにちは。電動車椅子連隊を率いていたコーヤ大佐です。この度はこんな大層な勲章をいただくことができて感謝の極みです。ここは個人を表彰する場所ですが、少しだけ我々の連隊について話させてください。もともと、隊員たちには戦闘への参加が物理的に不可能な状態でした。ところが電動車椅子という技術を手に入れた事によって限定的ながらも、一般歩兵より優位に立てる状況が生まれました。我々は特立遊撃部隊としてその優位性を存分に活かせる場所に投入され、厳しい戦いを繰り広げながらもなんとか辛勝を得てきました。しかし、その代償として多くの部下が散っていきました。私が表彰されている理由である犠牲者の少ない戦いというのは他と比べてという事であって、連隊が無傷というわけではありません。敵首都攻略作戦では、五十人ほどの部下が亡くなり、さらに八十人ほどが戦線の復帰できないほどの負傷を負いました。我々以外の参加部隊も含めた死傷者の数字だと四百人にも登ります。この結果の責任を背負うべく、今日この日を持って、除隊届を出すつもりです。」一旦、そこで深呼吸をした。辞めることを宣言したことで会場ではざわめきが起こったが、俺はさらに続けた。「もちろん、連隊を率い続けることこそが真の弔いになるという考えも理解しています。しかし、私の元々のルーツは異世界であり、そこでは戦場は遠い出来事でした。ところが、この世界では迫害とそれに抗う争いが国家レベルで行われていた。成り行きで軍人になった身としては、戦場で指揮を取り続けることは激しい精神的負荷がかかる行為でした。それでも脅威がある以上戦わないわけにはいかなかった。今、その脅威は低下して、同盟軍が肩代わりしようと動いている。そこで、私の役割は終わったと考えています。売国奴と罵られるかもしれませんがここが私の限界点です。ご清聴ありがとうございました。」授賞式には継戦派の政治家も来ていたが、彼らから野次が飛ぶようなことは起きなかった。それを見て自分自身が残した、功績による影響力の大きさを痛感した。


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次回の投稿予定は7月1日です。

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