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停戦後の騒動

あと3話です

終戦に向けた停戦が報じられると歓喜に包まれた。しかし、講和条件を聞いたオクタピア共和国民の感情は二つに分かれてかなり荒れてしまった。とりわけ連戦連勝していると報道されていたため、このままいけば完全な勝利ができるとは思い込んでいた、現場を知らない市井の民衆たちと、占領した土地を軍事的に統治するよりも、戦争前に享受できていた経済的利益を安定して得られれば何も問題はないと考えるリアリストたちとの間で分断が広がった。前者は感情で動いたため、戦争継続を望むデモが国内の各地で起こった。

その場所においてあるナショナリストの政治家は抗議活動の中で、演題に立ち、以下のように演説した。

「我々の多民族共生という理念が帝国を打ち破ったのに、弱腰な政府は直接占領しないで生半可な要求を打ち立てた。それは流した血に対して似合わないと思いませんか?我々の力で現政権を打倒してルルシアの政権に対してより過酷な条件を提示しようではありませんか!」その言葉はあまりに多くの人に響き、拍手喝采が鳴り響いた。それはラジオや新聞を通じて拡散された。それは社会の分断を加速させて実力行使を行う輩まで出始めた。それによってリアリストや、政策を実際に立案する官僚への武力闘争やテロ未遂事件を本格化させた。

その中には重要施設を警備していた警官隊と衝突が起こった場所がいくつもあった。さらに酷いところでは互いに死傷者が生まれる事態となった。後者は安全なデモ行進をしていたがそこに継続派のヤジが飛ぶことは少なくなかった。その惨状を伝え聞いた俺は、まるで日露戦争のポーツマス条約に調印した後に日本で起きた日比谷焼き討ち事件のようだと思った。世論は二分されていて、もはや内戦が始まる一歩手前の状態だった。そのような事態を防ぐためにサッチャーは再びマスコミを通じて声明を出した。その中で語った内容は現在の危機的な食料事情と兵士の負担状態についてだった。前者については論理的に説明したものの後者に関しては違った。なんと、あえて感情を全面に出して将兵たちにも家族や恋人がいることを強調したのだ。彼女にとってその行為は苦渋の決断だった。政治とは感情を抜きにして論理的事実と対話によって進めるべきだと信じていたからだ。演説を締めくくる言葉として最後にサッチャーはこう言った。「我々は今まで通り海上権益を受け取れる。一滴の血も流す必要がないならばそれでいいじゃありませんか。」と。それによって民衆たちは戦争を自分ごとだと再認識して無事にデモは沈静化した。民衆はもともとの戦争理由が祖国の防衛だと思い出したのだった。また、最後に宣言した言葉はメディアによって大々的に報じられた。


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次回の投稿予定は6月23日です。

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