再会
潜入していたウルフチームらも上陸の成功を聞きつけて合流した。久しぶりに桃香の顔を見ることができた。疲労はしていたが、体調などに問題はなさそうで安心した。彼女は俺を見つけると話しかけてきた。「あなたたち、よく成功させたわね。おめでとう。あなたの部下を一ヶ月近く借りたけど、とても優秀だったわ。」「ありがとう」そう素直に返した。内心では飛び上がりたいぐらい嬉しかった。なぜなら指揮官として優秀だと言われたように感じたからだ。「君の方こそよくやったよ。戦力が分散したおかげで上陸は簡単にできた。難しことだったと思うんだ。」「そうかもしれないね」そう言って彼女は照れた。「やっぱり君といると落ち着くな。部下といればあるべき鏡として振る舞わないといけないし、上官の前では物分かりのいい人間を演じないといけない。そんなことを意識しなくていい君の前では素直な自分でいられるんだ。」そこまで言ったところでハッと気がついた。「今のはプロポーズとかじゃないからね、ただ仲間として信頼しているだけだから!」とても赤面しつつ俺はそう弁明した。「そんなこと分かっているわ。でも言葉にしてくれてありがとう。私からも言っておきたいことがあって、学生時代に孤立していた私にとってあなたの車椅子の後ろに乗せてもらうことは唯一の楽しみになっていたわ。あの時は孤独を紛らわせてくれてありがとう。」彼女は微笑を浮かべながらそう返した。
潜入していたチームを前進基地へ案内すると夕食の準備ができていた。日持ちする食品を煮詰めただけのポークビーンズだったが、彼らは無心にガツガツと食べていた。その様子からとてつもなく過酷な任務だったのだろうと推測した。その一方で本隊として上陸した部隊も同様に飯にありついていたが、まだ余裕は残っているようで雑談を交わしていた。その日は休養に徹した。入港した輸送船にはロンドの件を担当したPTやOTが待機しており、障害を持った隊員のフィジカルケアを行なっていた。また、司法機関の職員や外交官などの文民も待機しており、戦争犯罪や、捕虜の取り扱いに目を光らせていた。
その頃には巡洋戦艦等の艦上設備から前進基地へ、司令部としての指揮伝達機能の移管は完了していた。そこを作戦本部とし、無線ではHQと呼ぶことに決定した。さらに一部の航空機も陸揚げをした。万が一空母が沈められた時、全ての艦載機を積んでいたら、航空優勢を一気に失うことに繋がるからだ。
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次回の投稿予定は5月20日です。




