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初めてのコミュニケーション

艦隊に帰還すると乗せてきたV I Pは医療設備の多い空母にて治療を行うことになった。そうはいっても出来ることは限られていた。そこで、軍属として上陸部隊に随伴していた作業療法士がロンドの対応をした。彼らはまずいろいろな話をしたり、本を読んだりすることによって反応を観察した。するとその内容をまるで理解しているかのように笑ったり、話を中断しようとするとそれを拒むかのように体を動かしたりした。それを見た担当者たちはロンド自身が深い思考能力を持っていると考えて、どうにか意思疎通ができないか模索を始めた。その中で召喚スキルを持っている俺にも協力要請がかかり、運び込まれてから半日後に会議が行われた。療法士たちはコミュニケーションボードを作りたがっていたが、その材料がなかった。そこで、俺はスキルを使ってアクリル板と油性マジックを召喚した。「これを使ってできるか?」俺はそう尋ねた。「可能です」代表者は答えた。早速、使用方法を彼の前で見せるとその様子を凝視していた。彼の前にその道具を持っていき、視線を追うと彼は言葉を紡ぎ始めた。

「みんなありがとう。ちんもくからやっとかいほうされた。それでもとうさんがしんぱい」

一文字づつの選択でかなり時間がかかったがそれは紛れもなく彼の言葉だった。次にあかさたな法も試すと、わずかに動く人差し指でサインを出せることがボードも使った上で証明された。それを見た関係者たちは安堵の表情を見せた。その中の数人は目に涙を浮かべていた。それは感動からというよりも、自分たちの努力が報われたことによる達成感から来たものだった。言葉がわかることによって治療方針や今後の方針について本人の確認が取れるからだ。俺自身もチート能力を使って、それが上手くいったことにとても安堵した。これまで戦闘にばかり使っていたものが社会変革に役立てられると感じたからだ。


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次回の投稿予定は4月27日です。

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