5 問題発生
買い物帰りにアローさんのところに寄って、小物が欲しいけど頼んでいいか聞いたところ、木材に関してはなんでも言え、と言ってもらったので、お願いすることにした。
いろいろあるので時間がある時に、と言うと「じゃ、今から行くか。お前ら任せた!なんかあればこいつらの家にいるから呼びに来い!」と、他の人たちに伝えて現場を離れた。
「今までのことから察するにお前らの家が安心な気がするんだよな。嫌な予感がするんだよなぁ。」
と、アローさんはぶつぶつ言いながら家に来た。
作ってもらいたいものがたくさんある、と最初に伝えておいた。
冷蔵庫と冷凍庫がバラバラなので、一体化したいので、鉄板の加工も必要だけど、その元となる本体。
ゆっくりお風呂に浸かりたいので、座って足が伸ばせる湯船。それに伴う改築もしくは改装。
寒い季節に備えて座卓。
まだあったのだが、顔が無表情になってきたので続きはまたにすることにした。
「大きさは?鉄板はどうするんだ?知り合いいるのか?そもそも可能なのか?それに湯船?座卓?お前ら……とりあえず一つづつだ!!」
冷蔵庫は大きな一枚板で作らないといけないこと、鉄板の加工ができる人が必要であること、扉をどうやって開かないようにするのか、など細かく決めないといけないこと。
一枚板は値は張るもののある。鉄板の加工はアローさんの知り合いに頼んでくれる。扉も取手も問題はない。
問題はパッキンに当たるものだ。オーブンがあるんだから大丈夫だと思ったのだが、温度が低いとダメらしい。でも、冷蔵庫と冷凍庫はどうなっているのかと聞いたら、扉が上に付いているから加工できちんと閉まるとのことだ。
前開きの扉なら棚を作ればいっぱい入れることができるから、とお店とか喜びそうなのに、と思ったので、これに関してはとりあえず図書館で調べてからまた相談することにした。
で、次に湯船に関して。うちのお風呂場を見てもらうと、アローさんが驚愕していたので、使ってみてもらうことに。
「おい、あれいいな。うちにもくれ!」
とシャワーをとても気に入ってくれた。ここの人たちはあまりお風呂を重視していないので、部屋に合わせて湯船が造られている。で、うちは小さかった。
なので、お風呂場の拡張と、湯船の新調、シャワーを掛けるところの設置をお願いした。
これについてはすんなり了承がとれた。よかった!
ただ、シャワーについてはすぐに申請をするように、とお叱りを受けた。忘れていた私たちが今回は悪いのだが。
そして、座卓について。
「作るのは簡単だが、お前らのことだから絶対普通じゃない!何を企んでる?脚と天板がばらばらになるように、って絶対普通じゃない!用途を言え!用途を!」
と言われたので、コタツが欲しいと素直に伝えた。
ただコタツと言っても伝わらないので、名称は避けて、使い方だけを伝えた。
「よくもまぁ次から次へと思いつくなぁ。」と呆れられたが、奥さんが寒さに弱いらしくやってみる、と言ってくれた。布団に関してどこで買うべきか聞いたが、特許が関連してきそうだから次のご飯会の時の話題だな、と言われた。
冷蔵庫が完成したらコタツと共に特許関連はアローさんに任せたいと言った。
ならば、と、土台はアローさん、回路はともくんが共に代表に名前を並べる形で特許申請をすることになった。
共同で作ったものの場合はそれぞれの書類を担当が記入し、まとめて提出する、すると、特許料が二人に入ることになる。
ただし、シャワーの特許申請も忘れるなよ、と念を押された。
次のご飯会は、明後日なので私たちは図書館で情報収集、アローさんは鉄板の協力要請、材料調達をすることになった。
そして、ご飯会の日、図書館で得た情報を伝えた。
加工の仕方を変えれば温度が低くても問題ないことが分かった。その加工のための回路をともくんは作り、特許申請の準備を進めている、だが、まずは試さないことにはどうしようもないと伝えた。
ならばと、一応作ってきたからやってみよう、となり、本体につけて様子を見ることにした。
絞り出す道具を見て、面白そうだと3人とも欲しがった。
私たちは、ただ布を丸めて使ったので、注射器のような形を書いて見せると、試作品をアローさんはいろいろな道具を駆使して作り始めた。
アローさんは試作品作りに集中しているので、その間にコタツ用の布団の相談をした。
自分たちで作る人も多いけど、人に頼むこともできる。サムさんが必要なら紹介するよ、と言ってくれたので、実際に体験してから考えて欲しいと伝えた。布の種類とか、中に入れる綿のこととか、改善点があるので、早速体験してもらうことにした。
アローさんは試作品を作り終わってから、座卓の体験をした。
座卓はあの日帰宅してすぐ作ってくれたようで、翌日持ってきてくれた。回路を焼き付ける鉄板も一緒に。
そして、私は布を縫って布団を作ることにした。ともくんにハンドミシンを作ってもらって。ミシンが欲しくなったのは秘密。
下に敷くマットはもともと買ってあったものを利用して、コタツが完成した。
コタツでまったりして過ごし、コタツ用の布団は人に頼むことになり、手配と特許関係はサムさんがしてくれることになった。
アローさんの試作品は冷蔵庫を作る時に使ってうまくいけば特許申請をするらしい。
「それはそうと、お前らそろそろ職人を増やした方がいいんじゃないか?前のやつは使う人が限られてたからあれでよかったけど。多くの人が使うやつをこのペースで作っていくなら人手が必要だろ。数を作れるのか?」
「それね、言おうと思ってたんだよ。今回のをうちの店に並べるなら数がいる。作って丸投げは楽だろうけど、万が一問題が起きた時に困るよ。知らない、わからない、では通らないだろうし。」
「ですよね。どうしたらいいと思いますか?僕らもちょっと気にしてて。」




