幕間
「宰相、すまんな。時間取らせて。またご飯食べてないんだろ。」
「レオポルド殿。まぁ、それはさておき、どうかされたか?」
「まぁ、これ食べてみろ。」
と、一つのかたまりをスープ皿に入れたかと思ったらお湯を注ぎ出した。そして、その説明を始めた。
レオポルド殿がいうには荷物も嵩張らず栄養面もある、今度の遠征が少々厄介ならば、重宝するのでは、とのことだ。ただし、量産ができないので、持っていけるのは少しだけだ。体調を崩す者が出た場合に使えるのではないか、とのことだった。
ただし、これを作ったのは平民だ。今の騎士団長なら無茶振りをするだろう。それを止められるならこの話を進めても構わない。もうすぐ、ある店で売り出される。騎士団が非常識なことをしないことを願う、と。
王と相談の上、ある分だけ購入することにした。その窓口はレオポルド殿だ。
だが、そこで問題が起きた。我々の話を副騎士団長が聞いていた。彼の方が平民に対して差別的だ。こそこそと動く分タチが悪い。
案の定、騎士団にレオポルド殿と開発者が呼び出された。
自分たちの思い通りに動かなかったことで騎士団長は文句を言いに来たが、彼らの言い分のみを信じることはできない。
レオポルド殿を呼び出し、真相を聞いたが、騎士団側が無茶を言ったことは明らかで、たった一人に随分と嫌味を言われたようだ。
王と自分はレオポルド殿が精霊を連れていることは知っている。機密扱いだが。そして、その機密扱いの追加だ、と、そのたった一人とその夫もそれぞれに精霊を連れていると言われた。
つまりは、危うくその場にいた騎士団全員が動けなくなるかもしれなかった、ということだ。
騎士団には、フリーズドライの使用許可を下すことはしなかった。ただ、万が一に備えて、融通出来た分だけは同行する者に渡しておいた。数が限られているので病人に使うようにと、伝えた。
そして、騎士団長には「平民ごときが作ったものだ。そんなもの無くても今まで大丈夫だったのだから、問題ないだろう。新しい技術を、と思ったが残念だ。これは、王にも許可をいただいている」と伝えておいた。焦ってはいたが、精霊の怒りを買うよりはるかにマシだ。
そして、その精霊を連れているものの紹介をねだったが、本人が目立ちたくない、というので断られた。ただ本人たちはフリーズドライや、その他の開発品に関しても、貴族関係はレオポルド殿に一任しているようで、本人たちが関わらなければ問題ないと、言われているようだ。
そして、新たに米粉の入ったスープを作り、とろみが付くので冬の遠征には重宝しそうだ、と笑っていたようだ。
騎士団がいるから魔獣が討伐されている、と理解しているから絶対嫌だ、というわけではない。だが、無茶をしてまで融通することはできない、とただそれだけだ。
今回は騎士団が無茶振りをしたため、断られたに過ぎない。そして、そのことは王と私が知っていれば良い。
レオポルド殿のおかげで、我々も彼らの恩恵に与れるのかもしれない。




