14 やっぱりあった
うちの野菜やハーブは精霊のおかげで、他のところと少し異なる。美味しい、とか、効きがいい、とか。それを分かっているご飯会の面々は当然、秘密にしてくれている。
レオポルド様が加わり、サムさんが精霊に名付けをしたことで、こぞって精霊たちがご飯会の面々に名付けを迫っていた。
「すごい光景ですね……精霊が名付けをねだってる……」
「そうだな…わしも初めてみたわ……」
「なんとなくですが、精霊たちでもお茶会しそう…」
「お菓子とかねだられるんじゃないか?あ、あの椅子とか作ってきそうだな……ミニョンも気付けば作って座ってたが…」
アローさんはポム、コーディさんはコッヘン、オットーさんはエット、タージさんはフェルと名付けていた。
「ただでさえ珍しい精霊持ちがこんなに集まると笑えてくるなぁ!!」
というレオポルド様。私たちを睨むアローさんたち。私たちのせいではないはずです。たぶん。。
さて、ご飯を、ということで、テーブルの真ん中にいろいろなピザを並べました!一斉に呆れられました。てへっ。
「「「「「「はぁ」」」」」」
外のパン釜で焼いたから美味しいはず!
保温庫をともくんが作ってくれたので、そこから次々と並べると、保温庫を見つけたアローさんとタージさんに怒られた。それを見ていたレオポルド様は笑っていた。
「これだな。ディロンたちが言っていたのは。」
そして、オットーさんは苦笑い。
コーディさんに作り方を渡し、タージさんとアローさんにピザカッターの制作の依頼を出して、温かいうちに食べることにした。
焼きたてならもっと美味しいよ、と言うと、今度は子どもたち含めてピザパーティーをしよう、となった。
アローさんに浴室の改装のお礼を言い、バスソルトとポプリをみんなに渡して解散となった。
もちろん保温庫とピザカッターについては後日オットーさんとレオポルド様が両組合長と交渉してくれるらしい。
特許料などがどんどん入ってくるので、オットーさんは本人が貰いすぎだというくらいお給料がでている。そして、レオポルド様にも謝礼を渡すべきなのではと、オットーさんと相談して、適宜渡すことになった。
そしてある日、リーンとパールから近くでお米を見たよ、と聞き、見に行くことにした。
そこはここから街を越えて南に進んだところで一面田んぼだった。買う人が少ないらしく随分と余っているらしく、私たちは嬉しさのあまりたくさん買い込んだ。相手が引くくらいに。
「そんなに食べられるの?」と子どもに聞かれたので、もちろん、と答えた。「ふーん」と言って帰って行ったが、何故聞かれたか分からなかった。
あまりに多く買ったので、私たちだけでは運べず、家の前まで運んでくれることになった。
その日は嬉しさのあまりたくさんご飯を炊いた。
運んでくれた人にお礼におにぎりを作って帰り道で食べられるようにと渡した。
リーンとパール用に小さなおにぎりを作ったら、一生懸命食べていた。そして、知らない精霊たちもたくさん来たのでしばらく小さなおにぎりを作る羽目になった。
翌日もたくさん炊いておにぎりを作り、お昼ご飯にとオットーさんにあげると、「食べたことがない」
と言っていたので、ならばと、一旦回収して、炊き込みご飯を炊いておにぎりにしたものを渡した。
そして、ともくんは炊飯器の回路設計に手こずっていた。
お昼過ぎた頃、米を運んでくれた人が再びやってきて、作り方を教えて欲しい、と言ってきた。
そこへ、レオポルド様も来られたので二人に炊き込みご飯のおにぎりを渡した。
どうやら今まで食べ方が分からなかったらしい。だが、あちらの《守護の森》の主の願いであるので作らざるを得なかったようだ。
そこへ、私たちがやってきて大量に買い込み、帰りにおにぎりをくれた。同じものとは思えなかった。
作り方を教えてもらえ、と言われてやってきたらしい。
教えることは問題ないのでそのままキッチンに来てもらった。レオポルド様も楽しそうについてきた。
一通り一緒に炊きながら、味を付けたり上に乗せたりも出来るし、焼いたり、離乳食にも使えると、教えた。
それを聞いて喜んでその人は帰って行った。また、欲しい時は手紙を出してもらえると届けます、と言ってくれた。
アリエくんにおにぎりをせっつかれたのは言うまでもない。そして、それをいつものメンバーに自慢しに行き、引き連れて戻ってきたのも。
そして、それを見たみんなにご飯会で怒られたことも、レオポルド様が笑っていたことも、きっと仕方がない。
さらにコーディさんがご飯のアレンジをつぎのご飯会でするように、と迫ってくるのもきっと…ね。




