10 私たちと精霊
庭のハーブが綺麗に咲いて、野菜も順調に育ってきた。せっかくのハーブなので、乾燥させてポプリを作ることにした。
出来上がったポプリとクッキーを持って、ジン様に会いに行った。たくさん作って持っていけば辺りにいる精霊たちも食べられるだろうと思ったからで、私たちは渡してすぐ帰るつもりだった。
まさか、そこで一緒に帰る精霊がいたり、タネをもらったりするとは思わなかった。
ジン様に契約の仕方を教えてもらい、その場で契約を交わした。名前をつけて魔力を流すと契約ができる。
ただここで問題が発生した。魔力の流し方なんて、知るわけもなく、その練習からだった。
習ってみると簡単で指先に集中して、外に出すイメージで魔力がでてくる。
そして、ともくんは緑髪のかわいい男の子の精霊さんでリーン、私は紫髪のかわいい女の子の精霊さんでパールと名付けた。
契約をしているものには姿が見えるけど、契約をどの精霊ともしていなければ見えないらしい。
タネを蒔く場所はリーンとパールが指示するだろうとのことなので、とりあえず帰ることにした。
「まぁ、そのうちもう一体増えるだろうがな」
ジン様が小声で言ったので何と言ったのかは聞こえなかった。
振り返り顔を見たが笑って手を振って戻って行った。
リーンとパールに聞いたがわからない、と言うので、大したことではないのだろうと、帰った。
庭の《守護の森》に近い一角にまとめてタネを蒔くのだとリーンとパールが言うので、耕してから蒔いた。何が育つのか、若干心配だが悪いものではないはずなので、そのまま世話をすることにした。
「「いいものだよー」」と、リーンとパールは言っていた。
それからしばらくリーンとパールは、そのタネをつきっきりでお世話をしていた。
「アローさーん!廃材ありますかー?」
「お前ら……また……」
浴場の改装中のアローさんに声をかけた。
この間小さな人形を買ったこと、その人形の家を作ろうと思ってること、を話した。実物を見たいとのことなので、見せることに。
「飾るために自分たちで作るから廃材が欲しいんだけど。あります?」
「ああ、まぁあそこにあるのは使っていいぞ。で、あれが神棚?か?」
「そうですよー。ゼタギリウス様の祀る為のものです。」
「あぁ、この世界を作ったと言われている神さんだな。ふーん。祀るのか。変わってるなお前ら。」
「まぁ、なんとなく?」
何だそれ?って笑いながら出来具合をチェックしてくれた。
人形の家はまたゆっくり相談しながら作っていくので廃材が手に入ればあとはのんびり進めようと思っている。
椅子とか机とかベッドとか。家もいるし色も塗りたいし。
あ、ボンドもいるし、絵の具もいる。ペンキの方がいいかな。
またサムさんのところで調達しないと。
と楽しんでいると、リーンとパールが「「私たちにも欲しい、それ!!」」
となり、先にリーンとパールの分を作ることになった。
二人で木を削ったり切ったり磨いたりしていると、
「「おもしろそう!!」」とリーンとパールが木を加工し始めた。
二人がやり始めたのでボンドでつける作業をしていると、あっという間に二人の椅子が出来上がった。
同じように机やらベッドやら、生活する上で最低限の家具が完成した。
そして、自分たちのお気に入りの日当たりのいい窓際にそれらを置いて、ゆったりくつろいでいた。
アローさんが帰る前に様子を見に来て、完成している家具を見て驚愕していたが、さすがはアローさん。普通じゃないことに気付いて、説明させられた。
「知らなきゃよかった……」
と言っていたが、人には言わないから心配するなと、言って帰って行った。




