幕間 仲良しの父母 1
かりんと結婚式を挙げた翌日、僕たちは新婚旅行に出発した。
「いってらっしゃい!気をつけるのよ!かりんちゃんをちゃんと守るのよ!かりんちゃんも気をつけてね!無事に帰ってくるのを待ってるわね!」
「すばる、気をつけてな!楽しんでこいよ!土産とかは気にしなくていいからせっかくの旅行だ。思いっきり楽しんでこい!かりんさん、気をつけてな!いってらっしゃい!」
と送り出してくれた僕の父母は、いつまでたっても仲良しであまり喧嘩をしない。
そんな親に育てられたからそれが普通だと思っていた。でも、かりんの親はお父さんの有責で離婚している。だから、なかなかかりんはプロポーズに頷いてくれなかった。
それでもようやくプロポーズを受け入れてくれて、父母に合わせた。父母にはかりんの両親のことを話しておいたが、それには触れずに喜んでくれた。
そして、かりんとのことを認めてくれた。
困った時は頼ってきなさい、でも、かりんちゃんの意見をちゃんと聞きなさい、二人で相談してこれからを生きていくのよ、と、耳にタコができるくらい言われた。
「ともくん、孫ができたらどうする?お金貯めておかないといけないわね。」とか、「みことなら大丈夫でしょ。それくらい準備してるでしょ?二人の挨拶受けてからずっと考えていたんでしょ?」と、僕たちがいてもお構いなしに二人で仲良く話していた。
「あ、かりんちゃん、我慢しちゃダメよ。何でもかんでも話しなさい、とは言わないけど、ちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないわよ。それで喧嘩したらいつでもおいで。話は聞くから。すばるが悪いならちゃんと怒るからね。でも最後は仲直りしてね。」
と、母はよく言っていた。
「かりんさん、いらっしゃい。ゆっくりしていきなさい。嫁だからとか、思わなくていいからね。あ、これ食べれるかい?昨日買ってきたんだよ。みんなで食べようと思って。」
と、父もかりんを歓迎してくれていた。
結婚式も二人とも喜んでくれて、こんな父母の子で良かったと思った。
これからは僕が、かりんと幸せに過ごさなくちゃ、と思えた。二人を見ていて、いつまでも仲良く笑い合いたい、と。
かりんには一緒に幸せになりたいね、と言われた。その通りだ。僕もかりんも、二人で幸せにならなきゃ親孝行にならない。
僕たちは二人で幸せになると、誓った。
披露宴では僕たちの姿を何枚も写真を撮っていた。そして、かりんのお母さんと、僕たちの写真も撮ってくれた。そして、式場の人に僕たちとかりんのお母さんと、僕の父母の写真を撮ってもらっていた。
「あとの楽しみよ」と笑っていた。
そして、翌朝「お小遣いよ。無駄遣いはだめよ。」と笑って二人にそれぞれくれた。
僕たちの姿が見えなくなるまでずっと笑って手を振って送り出してくれた。
きっと、父母のことだ。飛行機が飛んで見えなくなるまで僕たちを見ているんだろうなぁと飛行機の中から探してみたが、やはり見つけられなかった。
かりんと「でも、いてくれそう。見守ってくれているみたいで嬉しい。」と言っていた。
なのに、それが元気な父母をみた最後になると思わなかった。




