↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武蔵転生 ~最強剣豪は異世界でも無双する~  作者: 川合 佑樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/50

第22話

 授業が終わり、生徒たちは中央演習場へと集まり始め、たちまちのうちに観客席は埋め尽くされていた。


 学院関係者全員に観戦が許可されたため、生徒だけでなく教員、職員、さらには一部の貴族や使者が特別席に着いている。


 開始の鐘が遠くで鳴り響くと、学院の音楽隊が日頃の成果を見せつけるように、入場曲を高らかに奏で始めた。


 荘厳な管弦楽が演習場全体に響き渡り、観客席のざわめきが徐々に静まっていく。


 まず、白いローブを纏った聖職系の老講師が中央へと歩み出た。

 学院の礼拝堂を預かる神官魔術師。


 彼は杖を天に掲げ、厳かな声で祈りを捧げる。


「全能なる神よ、この決闘にあって両者の名誉と命をお守りください。観客を災厄より護り、公正なる勝負を見届けさせたまえ」


 淡い青白い光が演習場全体を包み、観客席の周囲に透明な結界が張られた。

 魔法の暴発が観客に及ばぬよう、学院が万全の対策を講じている証だった。


 観客席から感嘆の吐息が漏れる。


 その光が収まると、学院長である老魔術師が中央に進み出た。

 白い髭を風に揺らし、張り詰めた声で宣言する。


「本日、ここに神聖ヴァルドリア帝国の名の下、王立ヴァルドリア魔法学院中央演習場において、貴族決闘を行う。ゲオルク・フォン・シュタウフェン。ラインハルト・フォン・エーゼルヴァルト。両者入場せよ!」


 観客席が息を呑む。

 音楽が止み、演習場に張り詰めた空気が満ちた。


 荘厳な管弦楽が再び流れ始め、まずラインハルトが入場した。


 ラインハルトが指定された位置に立つと、観客席から無数の視線が突き刺さる。


 上級生たちは冷笑を浮かべ、一年生たちは複雑な表情でこちらを見ていた。

 第一皇子派閥の者たちは拳を握り、モントフォール派や第二皇子派は堂々と嘲笑を隠さない。


 勝てというより、負けろ。

 そんな悪意が空気に混じっているように感じられた。


 ラインハルトは観客席を見回し、口元に皮肉めいた余裕の気配を漂わせた。


「ずいぶんといい趣味の先輩方だ」


 音楽が切り替わり、次にゲオルクが入場した。


 ラインハルトの時よりも、明らかに盛り上がりの声と拍手が盛んだった。

 気合が入っているのが見て取れる。


 ゲオルクが指定された位置に立つと、すぐに杖をラインハルトに向けた。


「よくぞ逃げずにやって来たものだ! 聞いたぞ! 初級魔法しか使えないようだな! 私も初級魔法のみで戦ってやろう! 格の違いを見せてやる!」


 ラインハルトは杖を右手に持ち替え、ゲオルクに向けた。

 表情は変わらず、ただ穏やかに告げる。


「感謝する。格の違いというものは、まだ見たことがなかったもので」


 ゲオルクが舌打ちを漏らす。


「ちっ……生意気な奴め」


 ラインハルトとゲオルクは、互いに睨み合ったまま、頷いた。


 学院長が杖を手に高く掲げる。


「両者、杖を構えよ。勝敗は相手の降参、戦闘不能、または死亡により決する。準備はよいか?」


 学院長が杖を下ろす。


「──決闘、開始!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。