第17話 護衛騎士の逆召喚 ~相手は誰と言っていない~
あれから1月経ちました。8回後の逆召喚儀式魔術です。
「カイト。」
姫さんも元気に魔法陣班が板を並べるところを見ています。
「今日は板を上に上げながら、ジャンプしてるわ。」
「ついでに右足左足とつま先を下に向けて上げていますね。」
「右、左、皆良く揃えているわね。」
「歩幅やジャンプの高さも揃えていますし。」
ばらばらにピョンピョン飛び跳ねていたらぶつかりますしね。
「詠唱班の皆は今日は勢いが有るわね。」
「緩急を覚えたそうですよ。」
コツは『グワッと動いてピタッと止まる。』だそうです。良く分かりませんが。
「迫力が出て来たわね。」
「そうですね。」
日々改良しています。
「アンゼローネが帰ってきてよかったわ。」
「姫様も待ち望んでいましたからね。」
シーラさんとザンシさんの隊が、アンゼローネ姫の戦地へ向かうと聞いた時には、飛びあがって喜んでいましたし。
「お祈りを変わってもららわないと、1日以上かかる逆召喚は出来ないもの。」
「でもアンゼローネ姫がお祈りを嫌っていたとは知りませんでした。」
戦地に行く前も毎日やっていましたから、望んでやっているものだと思っていたんです。
「『自分が逆召喚儀式をやるからお祈りは姉様が続けて』って言われた時は驚いたわ。私以外では逆召喚は無理なのにね。」
「ええ。儀式の要は、魔力量が多く魔力操作も上手な魔術師である姫様以外では無理だとお伝えしたら、引き下がって下さって助かりました。」
姫さん以外の人で出来るのであれば、二日以上かかる場所のものは、アンリ殿下にお願いして逆召喚してましたからね。
「おかげでこうやって、二日以上かかる逆召喚も出来る様になったわ。」
「本当に嬉しそうですね。」
「ええ、これで騎士様を逆召喚出来るわ。」
騎士は、二日以上かかるところに召喚ポイントが有りましたからね。
「騎士と兵士が主になりますね。」
「兵隊さんも二日以上かかるから逆召喚出来なかったの?」
「いえ、騎士隊と軍の関係で、同人数逆召喚することが好ましいのです。」
何やら色々あるようです。
「じゃあ騎士様と兵隊さんが半分ずつなのね。」
「他の方もたまには入ります。」
二日以上かかるところに騎士以外も少しは居ますので。
「わかったわ。それで今日は騎士様なのよね。」
「はい、護衛騎士のガーディアさんです。一日以内の所ならば、見習い騎士のエクスさんより先に逆召喚されていた、最優先指定の方ですね。」
名簿を渡されるときに、名指しで「出来るだけ早く呼び戻してくれ。」でしたからね。
「最優先指定なんて有ったのね。」
「有ったんです。騎士の中でも真面目で、飛びぬけて忠誠心が高く、「忠誠心!早く逆召喚しましょう!」
そのまま、姫さんの勢いに押されて、あっという間に逆召喚儀式の準備が整います。
皆が所定の位置に着きます。
姫さんが魔法陣に魔力を流すと、魔方陣が淡く光ります。
それを合図に、呪文の詠唱が始まり、詠唱が進むにつれて、光がだんだん強くなります。
詠唱が止むと同時に姫さんが力ある言葉を唱え、唱え終わると、魔方陣の光が目を開けていられないほどになり、眩しい光が皆の視界を奪います。
その光が収まると、騎士の鎧を着た、がっしりとした体つきの男が立っていました。
「私は第2王女エルメラと言います。あなたはガーディア様ですか?」
「はい、私はガーディアです。この世界へと呼び戻して下さったこと、心よりお礼申し上げます。」
そのまま姫さんに頭を下げます。礼儀正しい様ですね。
「いえ、当然のことをしたまでです。今、この国は魔物に襲われております。お力をお貸し願えませんか?」
「いえ、私はキャロライン姫様にこの身と忠誠を捧げております。この世界に帰ってきた以上、キャロライン姫様のもとに参りたいと思います。それでは、御前を失礼致します。」
立ち尽くす姫様を残して、ガーディアさんは颯爽と立ち去って行きました。
「カイト。」
「ですから途中まででしたから。騎士の中でも真面目で、飛びぬけて忠誠心が高く、いつもキャロライン姫の後に付き従い、その命令を確実にこなすと評判の騎士です。」
話は最後まで聞きましょう。
「忠誠の相手はキャロライン姉様?」
「キャロライン姫の護衛騎士ですから。」
他の人に忠誠を誓っていたらまずいでしょう。
「私の護衛騎士で召喚された人はいない?」
「いません。」
いたら優先して逆召喚しますよ。
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