ピーマン
「それとね、私が毎日食べて安全性が保証されたらさ。私の責任で、美味しくて美容にも良いんだよって大々的に売ろう!…まあ、自生してるやつだけじゃ足りなくなると思うから、生産体制整えて貰わないとなんだけど…」
大好きなピーマンの肉詰めを食べたい、世にも広げたいというただの私のわがまま。
しかしまたも、フェルとエルの目がだだ甘な従兄とその乳兄弟の目から為政者の目に変わる。
「美容、そして大量生産…成功したらまた国が潤いそうだね。この国の食文化ごと変わるだろう。ミミ、君はやっぱり神童の頃から変わってなかったんだね。いいよ、安全性が保証されたらミミの名前で売り出そう」
「良いだろう!厨房にそのレシピを出すよう、命じてやる。生産体制も、なるべく早く整えよう」
「やった!フェルもエルもありがとう!」
フェルの胸に擦り寄れば、満更でもなさそうに抱きしめてくれた。
後日宮廷料理長たちが「ミシェル殿下が毒を食べる!?」とひっくり返っていたり、祖国の両親と妹がその内噂を聞きつけて「悪食まで始まったか」と呆れていたらしいがそれは私の知るところではなかった。
「んー、このピーマンの肉詰め、最高にジューシーで美味しい!」
数週間後、毎日一回はピーマンレシピを食べるのが常となっていた私。
しかし毒の作用なんて全く無くてピンピンしていることで、ピーマンの安全性を証明していた。
それどころか。
「ねえ、フェル。ミミったら、いつも以上に可愛くなったと思わない?」
ビタミンCによる美容効果。
それを、私を溺愛する二人が見逃すはずもない。
「ああ、日を追うごとに美しく…さらに余の妃として相応しくなっている」
「えへへ、それなら嬉しいなぁ」
多分フェルとエルの過剰な身内贔屓もあるけど、それを差し引いてもピーマンの美容効果はちゃんと出ていた。
「これなら行けるね。ミミの名前で大々的にピーマンを売り込もう。毒性のなさはミミが証明してくれたし、美容効果もミミを一目見ればみんなわかるよ。貴族のご令嬢やご夫人がこぞって買うから、また経済が回りそうだ。生産体制はもう整ってるから、収穫出来次第国内はもちろん他国にも売り込もう。ミミという広告塔がいるんだから勝ち確だよ」
エルが楽しそうに言う。
「ふはははは!まさかこのような金脈がそこらに自生していたとはな!ミミ、貴様はどこまで余の帝国を豊かにすれば気が済むのだ!」
誇らしげに私を褒め称えるフェルに、ぎゅっと抱きしめられて私は幸せに目を閉じた。
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