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リュボーヴィ クローリク  作者: 西瀬 零真


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35/39

第三十三話 「新たなる攻略対象、三人目登場」

※本作はオリジナル作品です。

※BLゲーム世界が舞台ですが、女性主人公視点で進みます。

※次回、更新は未定です。

この目つきの悪さと、癖のある口調。

そして——あからさまにクズ男感を漂わせるこの男こそ、三人目の攻略対象・瀬屑(せくず) 政宗(まさむね)である。


ああ見えて、彼は御伽(おとぎ)学園の生徒会長だ。


この学園では、生徒会選挙も厳粛なルールのもと執り行われる。

その頂点に立てるということは、並大抵の人間ではないという証でもあった。


そして……

私の知る物語では、瀬屑家はこの国の裏稼業を牛耳り、海外にも太い繋がりを持つ一族。

四大財閥ですら、雑に扱えない相手。


それが、瀬屑家である。


彼は、どのルートでも非常に危険であり——

ハッピーエンドであろうと、バッドエンドであろうと、必ず(みやび)ちゃんと()()()()()()にある男だ。


しかし。

何故そこまで雅ちゃんに執着しているのか……その理由は謎のまま。

公式でも、一切明かされていない。


それにもかかわらず。

彼は白水(はくすい)に負けず劣らず、前世では圧倒的人気を誇っていた。


それどころか——

彼と雅ちゃんの同人誌は世に数多く出回り、

ゲームを知らない者ですら、この二人の組み合わせだけは知っている。

そんなレベルだった。

この二人を推す者たちは数多く存在し、支持率も非常に高い。


もはや、

うゆくんと付き合ったのは(ひばりの)くんへの当てつけだったのでは、と囁かれるほどに。



「なんや、雅はん。

えらい冷たいなぁ……」


「………」



雅ちゃんは、本気で嫌がっている。


だが、この男。

それを理解した上で、わざと絡んでいる。

たちが悪い。


さすが攻略対象である。

顔面偏差値と引き換えに、性根を置いてきたタイプだ。



「私にはちゃんと婚約者がおります。

あなたと婚約するはずがないでしょう!?」



雅ちゃんは怯えながらも、なんとか言い返した。



「今は、な」



けれど彼は、含みのある笑みを浮かべてそう返した。

そして——こちらを、ちらりと見る。



「あんた、お連れさんか?」


「……ええ」


「ほな、自分とも()()やなぁ」



にやりと口角を上げる。



「断る理由、あらへんやろ?」



疑う余地もないほどの満面の笑みで、逃げ道を塞がれる。

彼が一歩、前に出た瞬間——



「彼女は関係ありませんわ」


「雅ちゃん……」



少し震えながらも、雅ちゃんは小声で私に耳打ちした。



「彼は相当、危険な男です。

あなたは、なるべく関わらない方がいいですわ」



私に何を話しているのか理解しているかのように、

不穏な笑みを浮かべたまま彼は——

また一歩、雅ちゃんへ近づく。



「いやぁ、怒った顔も可愛らしゅうてええけど、堪忍してぇな」



次の瞬間。

すっと笑みが消える。

何事もなかったかのような真顔だった。



「まぁ、ええわ。

また近いうち、顔合わせることになるやろ」


「……ほな、またなぁ」



後ろ姿を見せたまま手を振り、その背中は徐々に見えなくなった。


雅ちゃんは、小さく息を吐いた。

張りつめていた肩が、ようやく緩んだのが分かる。



「……大丈夫?」



私がそう声をかけると、

雅ちゃんは少しだけ黙り込み、やがてぽつりと呟いた。



「……最悪ですわ」



いつもの強気な声音ではない。

本気で、そう思っている声だった。



「……鈴乃(すずの)



珍しく、真剣な声だった。



「今後、もし彼に話しかけられても……絶対に一人で相手をしては駄目ですわ」



その言葉には、冗談など一切許さない強さがあった。


私は思わず、彼が消えていった方向を見る。

——なるほど。

これは、想像以上に厄介……いや、危険な攻略対象かもしれない。


ここまでご覧いただき、ありがとうございます。

よければ評価・ブクマ・♡で応援していただけると励みになります。

感想など頂けましたら泣いて喜びます…!


危険な香りのする方言男子好きですね☺︎

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