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ロイロの日常  作者: 寸劇
第一章 変化のない 春
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黒猫と少女 その七

月曜日という、全人類が呪いたそうな日を乗り越えたので、無事に家に帰ろうと思う。

部活が元々ない日だし、学校行事が近々ある訳でもない 予定のない月曜日。

だからなのかは分からないが、足は自然にあの公園を目指して足を進めていた。

中心街から少し離れた所にあるからか、自分の家付近と比べると人通りも活気もなんとも言えないのが、本心だ。


「さて、ここか。」

昨日のことなのに、何故か今日のことにも思えてきた。 しかも、あの時に何故か感じた。


「この猫とは初対面じゃない」


根拠も理由も無いのになぜか。ふっと脳内に浮かんできた。

すると、急に強い風が吹いてきた。

春にこんな風が吹くのは珍しい事ではない…だが

「そこにいるんだろ、猫。」

「そうにゃ!良い勘にゃね。今日はあの悪魔が近くにいるっぽいにゃ。だからにゃ君の質問…昨日、初めてあった時に思ったであろう 質問。」

何故か先程から砂場の城は崩れ始めている。

遊具に至っては、サビが物凄い勢いで増えていっている。

「何だよ これ。」

猫もだんだん焦りを見せてきた。予想外の状態なのだろうか?

「…!お前の悪魔が邪魔してきているにゃ。」

「早く教えてくれよ。多分 消えるんだろ?ここ」

「物分りだけはいいにゃ。そうにゃ、私の存在自体が

消えるわけじゃにゃいにゃ。この空間が消える。」

「消えたら…?」

「ただ、元の世界に戻る。私的にこの場所はお気にいりだからにゃあ…もう一度、この空間を作るのは面倒なのにゃ…分かるかにゃ?」

「じゃあ早く、言うこと言って俺を返せ。」

今にでも崩壊しそうな程 何もかも消えていく。

「にゃ。まぁあんたは私とずっと前に会ってるのは確かだにゃ。その時に教えてやったことは…」

こんなに物が壊れてっているのに、崩壊の音はやはり、一切聞こえる事は無かった。

「覚えているかにゃ?」

「は?」


俺の戸惑いを、遮るように猫は何も言わずに、元の世界に戻した。

学校帰りの小学生が、公園で遊んでいる。

あの無くなりかけていた遊具達はちゃんと残っていたけど、猫はやはり消えていた。


「何なんだ 教えてもらったことって…」

謎は新たな謎を呼ぶって、正にこの事だ。

帰ったら、どうしよう。クロエ嬢に連絡すべき?

いや、止めておこう。

余計な心配をかけさせてしまう。

電車の中は空いていた。座席に座り、軽く眠ろうとか考えていたら 本当に眠りそうで怖かったので

音楽を聴いて凌ぐことにした。

電車に十分ほど揺られて駅に着いた。

最近 非日常と言うのだろうか。当たり前を馬鹿にしているかのような体験ばかりで正直 疲れた。


自転車置き場にあるはずの自転車を探していたら

連絡が届いていた。

「こんばんは、こんにちは。午後五時ってどちらか悩まない?」

隣のクラスのハリーからだ。

全く今から帰ろうとしてんのに。

「いや、悩まないかな。要件はそれだけか?」

「うんと、今度さ実家に帰るんだけど 来る?」

確かに帰ろうとはしてるけど、そこまで長居する

訳じゃないからな…。しかも、あと何ヶ月後だ?

「自分の実家には帰るかな。」

「じゃあ、寄ってよ!また、今度ー。」

決定かよ。 仕方ない顔くらい覗かせてやろう。

別に親しい間柄ではない。親同士が友人だからの

知り合いだ。

というか、さすがに夏休みだろ。先走りすぎだ。

「はぁ」


自転車に乗り、すぐに家へ向かう。

正直に言うと、お腹が空いた。



黒猫と少女はこれでお終いです。

次は、真実と少女。

惑わされてはそこで終わり。


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