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合流

「ん……ここは?」

 朔玖が眼を覚ますと霞む視界に男の背中が見える。声に反応して男が顔に向けて微笑んだ。どうやら村上が朔の事を運んでくれていたらしい。


「朔玖くん起きたようだね……そろそろ目的地に着くよ」

 村上が目覚めた朔玖を降ろすと少し先に見える神社を指差した。


「えっと……確かECTを抜け出して……そうだ……聖也は!?」

 村上は朔玖を見つめ悲しそうな顔で静かに首を振る。

「そ……んな……嘘だ! もしかして、何処かに隠れて驚かそうとしているんじゃ……!」

 朔玖がそう言って辺りを見回すが人の気配は感じられない。


「……アンタのせいだ……あそこから抜け出さなければ……聖也はまだ生きていられたのに……僕がこんな姿になったのも全部……全部アンタが悪いんだ……ッ!」

 朔玖は胸倉を掴み殴りかかるが村上はそれを片手で振り払った。

「朔玖くん……ボクは先に行って待ってるね……」

 村上は力無く項垂れる朔玖を残しその場を後にした。

「僕に力がもっとあったなら聖也を守れたのに……クソッ」

 朔玖は思い切り腕を木に叩きつけると神社の本殿へと消えていく村上の影を追った。


 朔玖が本殿へと入ると嘘のような光景が目に入った。建物の内部はかなり広く無機質な壁のあちらこちらに電子機器の配線が繋がっていて、とても神社の中とは思えない。

「やっぱりきてくれたんだね……ようこそボクらの隠れ家へ!」

 扉の影から待ち構えていたように村上が出てきて自慢げな顔で手を広げた。


「何か耳障りな声がすると思ったら帰ってたんだな。ECTの潜入は上手くいったか?」

 奥から可愛らしい女の子が歩いてくる。背は低く痩せていてあるべきところがぽっかりと空いた身体を見るに十代前半といったところだろうか。しかし、その眼は見慣れない人間である朔玖を鋭く射抜いている。


「おっ、(りつ)ちゃんがここにいるなんてめずらしいね! 目的のものは持ってこれたんだけどね……脱出に失敗してね」

 村上は一瞬視線を朔玖に向けると残念そうにそう答えた。

「ふぅーん……それで一人しか連れて来てないのか」

 律は朔玖を値踏みするような眼で見るが、すぐに興味を失ったのか視線を外した。

「朔玖くん、彼女は日斗辺(ひとべ)律っていって、元々はECTの研究員の一人だったんだけどボクと一緒に抜け出してね……少し短気だけど良い子だから仲良くしてね」

 こうみえても立派な大人だから注意してねと付け加えるように朔玖に耳打ちする。

「それでこいつって使えるの? 使えないヤツなんて正直いらないんだよね」

「彼は少なくとも逃げる時に一人片付けているよ? それにまだ()()()()だからね」

「へぇ~……()()()()で一人やるなんて中々有望かもな? どれだけやれるか見てやるから後で私の部屋へ来い……」

 律はそう言い残し奥の部屋へ帰っていった。

「彼女って戦えるのか……?」

「少なくとも今の朔玖くんは遥かに強いよ? あっ、大事な話があるから少し時間を貰ってもいいかい?」

 朔玖はその言葉に頷き村上と共に歩いていくと向こうの方から悲しげな歌が聴こえてくる。

「これは天使の歌……?」

「そうだよ」

 音の発生源まで辿り着くと()()()に輝く眼をした少年が歌っていた。少年はこちらに気付くと歌うのをやめてこちらの様子を窺っている。

「アンタってそういう趣味だったんだな……ちょっと離れてくれないか?」

 軽蔑するような視線を向けると村上はうろたえながら否定した。

「いやいやいや、それは誤解だよ!? ボクは女性にしか興味は無いからね!」

「まっ、それはいいとして……この子は一体?」

「全く良くは無いんだけどね? この子は……ECTの実験によって作られた正真正銘の化け物だよ」

「化け物って僕らと同じだろ……?」

「ううん、この子はボクらとは全然違う存在……人型の刃核(アルマアニマ)

「あるまあにまって……?」

「……ECTが化け物について調べていると二つの事がわかったんだ……その一つが人に宿った刃核(アルマアニマ)と彼らが呼んでいる化け物を倒す為の武器……キミも彼らが何もない所から武器を取り出す瞬間を見ていただろ?」

「でも、それなら何故この子が天使の歌を……?」

「ECTは刃核(アルマアニマ)の持ち主から分離させ他の人間に宿す実験を行う……ECTと契約しなかった人間もいたからね……でも、その実験の結果は最悪だった……何が起こったと思う?」

「持ち主が死んだとか刃核(アルマアニマ)が壊れた……?」

「それならまだいいさ……刃核(アルマアニマ)を宿した人間は目を覚まさなくなり、元々の持ち主は化け物に変わり多くの死傷者を出した」

「化け物に……!?」

「それでもECTは実験をやめなかった……そして、化け物の因子と刃核(アルマアニマ)の因子を取り出し、それを組み合わせる実験を開始して作り出されたのが……」

「この子ってわけか……」

 朔玖の視線が少年に移り、そのまま見つめていると少年の眼は徐々に輝きを失い琥珀から赤に変わろうとしていた。

「目の色が変わった……?」

「あぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。危険は無いから気にしなくても問題ないよ」


Data

マシュー 

Age 3

Blood Nothing

Weapon Unknown

Capa Error

Speed Error


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