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別れ

加筆修正予定あり

 エレベーターから出て黙々と進んでいくと一つの部屋が目に付き村上が立ち止まった。

「ここだ……」

 村上が部屋に入ろうとすると聖也が吠える。

「おい、脱走するんだろ!?」

「しー……静かに! そんなに大きな声出したら見つかっちゃうよ? ちょっと用事があってね……確かここかな」

 書類棚が音を立てて横に開いていき部屋の奥には生命維持装置のようなものがつけられ死んだように眠っている女性がいる。その顔立ちは誰かに似ているような気がする。


「まだ眠っているんだね……キミの力を少し借りるよ」

 村上が何かを語りかけ身体に手を当てると光を放ち丸い球体状の物体が出てくる。それは生きているかの様に脈打ち不気味な雰囲気を感じる。


「それは……?」

「その時が来たら教えてあげるよ……ここにはもう用が無いから行くよ」

 そう言って部屋を出ると近くの窓から飛び降りた。


「……俺、高い所苦手なんだよな」

 不安げにそう呟く聖也の足は震えている。

 朔玖がすぐに飛び降りるが中々聖也が降りてこない。

「さっさと来なよ……グズグズしてると見つかっちゃうよ?」

「聖也早く!」

「でも、この高さは……」

「いたぞ! こっちだ!」

 二の足を踏んでいた聖也はECTの社員が駆けつけてくるのを見て慌てて窓から飛んだ。しかし、声を聞きつけてか外にも人が集まってくる。

「あらら、これまたたくさん来たねぇ……」

「そこまでだ観念しろ!」

 戦隊物に出てきそうな煌く剣を持った男が前に出てきた。

「……おぉ、鈴木くんじゃないか! 元気にしてた?」

 村上はその男に気さくに話しかけるが、彼は怒りを顕にし村上を睨んだ。

「我が名は鈴木などではない! 我は王にして全てを滅す善なる超越者……如月(きさらぎ)死穏(しおん)だ! 覚えておけ」

「……いや、全てを滅しちゃダメでしょ? それにしても四十手前にもなってまだ厨二病だなんて……病院でも紹介してあげようか?」

 あきれた顔でそう提案するが、男の顔は怒りで震えている。

「黙れ下郎が!」

 その言葉が虎の尾を踏んだのか男は猛然と襲い掛かってきた。

『ここはボクに任せて二人は先に逃げて……国津神社ってわかるよね?』

 頭に響いてきた声に二人が頷くと村上は巨大な尾の生えた化け物に姿を変えた。その尾で男の一撃を防ぎそのまま弾く。

「たまには真面目にやらないとね」

 村上の尾が揺らめき狙いを定めたかのように。

「姿が変わった程度で何になる……!」

「鈴木さん援護します!」

 すかさず数人が村上を取り囲むが尾が弧を描くと彼らの身体は上下に別れた。

「聖也今のうちに……」

「わかった……!」

 周りの注意が村上に向いた隙に二人は林の奥へ全力で駆け出した。


 息を切らせて数キロほど走ると身体が限界を迎えたのか聖也の足が鈍くなる。

「はぁはぁ……朔玖ちょっとたんま」

「ちょっと休もうか……流石にここまできたら追いつけないだろうし」

 二人が数分程休んでいると前からゆっくりと男が歩いてくる。

「んー? その姿は例の彼かな? これは迷子になった甲斐があったね!」

 整った顔立ちの男は少年のように無邪気に笑う。敵意こそ感じないが嫌な予感が胸をよぎる。

「聖也……」

「そうだな……」

 二人が示し合わせて逃げようと横を向いた瞬間に破裂音が響く。

「ぁぁあああぁあぁあぁあああ!?」

「聖也!? ……クソッ」

 聖也の右足から指が数本入りそうな穴が空いておりそこから血が溢れ出ている。すぐに視線を男に移すと気付かぬうちに大きな拳銃が左手に握られておりどうやらそれで撃ち抜かれたらしい。

「あっれー外しちゃった? 次はちゃんと頭に当ててあげるよ」

 不敵な笑みを浮かべ男は銃を構える


「わりぃ……こんな足じゃ逃げんのは無理そうだ……朔玖、お前だけでも逃げろ……」

「何言ってんだよ! ……聖也をおいていけるわけないだろ!」

 朔玖は果敢にも男に突っ込み鋭い拳打や蹴りを放つが掠りすらしない。

「うーん、化け物を助けるなんてキミってどっちなの? 人間? ……それとも化け物?」

 朔玖の姿を疑問に思ったのか男は問いかける。

「友達を助けるのに人間も化け物も関係無いだろ……ッ」

「……化け物になった友達の為に命を賭けるなんて素敵な友情だね! 感動したよ! ……その友情に免じてキミから殺してあげよう」

 刹那の内に朔玖の両足を撃ち抜き頭を狙い引き金に指をかけた。

「それじゃバイバイ」

「朔玖は死なせねぇ!」

 咄嗟に聖也が朔玖の身体を押しのけると同時に耳を(つんざ)く音が鳥達を追い血の花が咲いた。

「せい……や……? うそだよな……? せいやぁぁぁああああああ!」

 朔玖は聖也の身体を抱き寄せ嘆き叫んだ。

「可哀想に……すぐに彼の後を追わせてあげるね」

 朔玖の頭に銃口を押し付けるがその想いを遂げる事はなかった。何故なら朔玖が男の腕を切り落としたからだ。

「……死ぬ覚悟はありますか?」

「左手がなくなった程度で勝てるとでも思っているの? 万が一の勝算も潰えてるんだよ? どうせなら首を落とすべきだったね」

 武器を失ったにも関わらず男の表情には余裕が窺える。

「そうですか……でも……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 朔玖の眼は夜を照らす月のような琥珀色に変わっており、男を見据える。

「その眼は……!? まぁ今更どうでもいっか……現実も見れない哀れなキミには死という名の救いを与えてあげるよ……起きて刃核(アルマアニマ)! 何故出てこないんだ……ッ?」

 混乱している男の右腕がゆっくりと落ちると両足もそれに合わせた様にズレていく。

「バカな……ッ!?」

「そんな姿でも生きてるなんてどっちが化け物なんでしょうね……さよなら」

 朔玖は別れの言葉を口にしながら男に近寄る。

「ま、待ってくれ! ……まだ僕は死にたく」

 その言葉を最期に無残にも男の首は宙を舞う。

「聖也……仇は討っ……た……よ」

 朔玖は力を使い果たし、その瞳は色を失って綴じられていく。


「……朔玖くん!? おい、大丈夫かい……! 聖也くんは……これじゃ流石に……仕方ない朔玖くんだけでも!」

 そこへ村上が駆けつけ生存を確認すると朔玖を背負ってその場から去っていった。

Data

鈴木改め如月死穏

Age 30

Blood AA

Weapon インフィニティスーツ&メガソード

Capa 510

Speed 420


藍原 祈

Age 23

Blood BO

Weapon Cry&Pray

Capa 700

Speed 450

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