疑心暗鬼
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申し訳ありません
朔玖が仲間と交流を深めている間、村上達は刃核を手に入れる為、島根県にある隠岐群島の森深くまで来ていた。
「反応から考えてこの辺りかな……周囲の警戒を任せたよ?」
「ええ、蜘蛛の子一匹たりとも逃しはしません」
戒人は小さな球体を作り出して宙に浮かせる。球体は変色しながら分裂を繰り返し増えていき、やがて分裂が止まり霧のように散布されていく。
「これでよしっと……今のところ周囲に人影は見当たりませんね」
「マシューの方はどうかな?」
「ダイブネヲハッタ! マシューエライ?」
「あぁ、えらいよ。今夜はマシューの好きなものを作ってあげよう」
「ポテト、カラアゲ……ハンバーグ」
村上が頭を撫でながらそう言うとマシューは目を輝かせて魔法を唱えるように食べ物の名前を羅列した。
「このまま何も起きずに刃核が見つかるといいんだけどねぇ……」
「残念ながらそうはいかないみたいですね。右後方三百メートルに敵影がおよそ十です」
「やっぱりきちゃったか……ボクが始末してくるから戒人は警戒を続けててね」
戒人の言った方角からこちらに向かってくる人影がちらつき始めた。それを見て溜息を吐いて村上が対処をしようと近寄っていく。なりたての群れを容赦なく刀で切り刻み片付けるとすぐに元の場所まで戻っていく。
「ミツケタ!」
「今回は早く見つかったね? それじゃ新手が来る前に行こうか」
三人は足早に進み大きな刃核を見つけ回収する。
「さてと、刃核も手に入ったし後は帰るだけだね」
「村上さん、上空から何か来ます……!」
戒人が叫ぶや否や空から翼を持った化け物が降りてきた。
「この気配は相当やりそうだね……二人とも下がってて」
「ふむ、こちら側にもちゃんと話せる同族がいたとはな」
「へぇ、キミは理性があるんだね?」
そう言葉を発した化け物に驚きながらも村上は声を掛ける。
「こちらでは珍しいが理性があるのが普通だからな……それで我が王の身体をどこに持っていくつもりだ?」
化け物は鋭い視線を村上に向ける。
「これは有難く使わせて貰おうと思ってたんだけどダメかな?」
「当然ダメに決まっているだろう?」
化け物にそう言われた村上は溜息を付いて諦めた素振りを見せて刃核をその場に置いた。
「仕方ないか……戒人とマシュー帰るよ」
村上が背を向けて歩き出すのを見て化け物は刃核を回収しようと手を伸ばした。その瞬間に化け物の全身を刃が貫き血を吐く。
「がはっ……」
「ごめんね? 悪いけどそれが必要なんだ……だからキミには死んでもらうよ」
「くっ……卑怯者め! だが、この程度の傷で俺は死なん! 王は返してもらうぞ!」
「残念だけどその程度の傷でキミは死ぬんだよ……」
「な、にをいって……?」
急に化け物の視界は回り焼けるような痛みが全身に走った。その痛みのあまり叫ぼうとするがいつの間にか声すら発せなくなっており、身体は焼けただれ藻掻き苦しみながら息絶えた。
「相手がキミみたいな単純なやつばかりだと助かるんだけどね……それにしても戒人の毒は相変わらずえげつないなぁ」
「いやいや、やらせた人が何を言ってるんですか!?」
「ドウデモイイ!ハヤクカエル!」
「そうだね、みんな待ってるだろうし早く帰ろうか……それにしても王、ね……」
村上達はこうして任務を無事に完了し帰路についた。
Data
朝比奈戒人 終人
Age 22
Blood AO
Weapon ヴォイド
Capa 650
Speed 310




