表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/54

使者

加筆修正予定あり

 律達に送り出され林の中を駆けていると反応がより強く朔玖の身体に響く。あとどれほど走れば辿り着くだろうと思いながらも足に一段と力を込めながら大地を蹴る。

「よぉ、そんなに急いで一体何処まで行くつもりだ?」

「追いつかれた……!?」

 うしろから声を掛けられ顔を向けると銃剣を肩に掛けながら伊坂がいた。不意を疲れるのはまずいと戦う覚悟を決めた朔玖は伊坂の方に振り返り構える。

「やる気か? まっ、そうこなくっちゃな……お前には有理に対しての借りもあるしな!」

「聖也を死なせといてそんな事を言えるんですか?」

「ん、誰を死なせたって……? 何か勘違いをしているみたいだが、まぁいいか……ちっと痛い目を見てもらうぞ?」

 伊坂は困惑しつつ言葉を返すが何かに納得したように剣を構えて大きく踏み込む。迫り来る剣を辛うじて朔玖が避けるが、腹を蹴飛ばされ地面を転がる。すぐに起き上がり追撃として放たれた銃弾を腕で防ぐが痛みが身体を走った。

「くっ、まだだッ!」

 今度は朔玖から向かってかかるが、待ち構えてたように伊坂は剣を振るう。それを紙一重で避けこめかみを狙い打とうとするが逆に銃剣の柄で喉を打ち据えられる。 

「はぁはぁ……」

「俺と戦うには三年は早かったな? とりあえずそのまま眠らせてやるよ」

 伊坂が()()()()を朔玖の脳天目掛けて降ろすが、両刃の剣で弾き返される。赤黒く濁った眼をした細身の男が朔玖の傍に立っていた。

「コノショウネンハヤラセヌ」

「新手の化け物……村上の仲間か? 見た感じそこそこ出来そうだな」

「ソコソコモデキナイヤツノセリフデハナイナ」

「ほぅ……調子こいてんじゃねぇか? それならその生意気なツラごと叩っ切ってやるよッ!」

 伊坂が男に切り込むが剣を掴まれそのまま剣ごと地面に叩きつけられる。身を翻して起き上がると回転を加えて横に切り込む。その切っ先を逸らされ、逆に相手が片手で振るった一撃を剣の腹で受け吹き飛ばされる。

「コノテイドカ……ショセンハンパモノハハンパモノダナ」

「技量も力も上か……ここは素直に退いた方がいいな」

 彼我の差を認識すると伊坂が後退りながら撤退していく。

「ツイテコイ」

 伊坂が去るのを見届けると男は朔玖に声を掛けた。

「もし嫌だと言ったら……?」

「チカラヅクデツレテイクマデダ」

 男の威圧感が増し緊迫した空気が重くのしかかる。痺れを切らした朔玖が先んじて仕掛け胴体に蹴りを放つがその硬さから足を痛めてしまう。

「ッ!?」

「ソンナモノガキクトオモウノカ?」

 男が剣をその場に突き刺すとそのまま朔玖の首を片手で持ち上げ地面に投げ捨てた。

「ぐはッ……!」

「ミノホドヲシレ」

 朔玖がどうするべきか悩んでいると男が地面に突き刺した剣が目に付いた。一か八かと男の横を駆け抜け剣を手にする。

「ソレヲテニシタトコロデナニガデキル……オロカナ」

 朔玖は飛び掛りながら剣を振り下ろす。それを男が軽々と避け蹴りを入れるが怯まず更に横に切り込む。

「ムッ! テカゲンヲシスギタカ」

 男の顔に僅かながら線が入り血が流れてくる。そこで男が距離を置き唸るとその手は手甲の形状に変化した。男が一足踏み込んだかと思うと朔玖の顔に衝撃が走る。

「ッ!!??」

「ブジントシテコンナマネハシタクハナカッタガ……チュウトハンパニチカラヲモッタジブンヲノロウガイイ」

 朔玖は何が起こっているかわからぬまま剣の間合いの外から一方的にいたぶられ、身体に傷が増えていく。このままではまずいと思った朔玖は衝撃に耐えながら突っ込んでいくが進むに連れてその衝撃が増し、遂には地に伏せてしまう。

「コレデカテナイトワカッタダロウ? オトナシクツイテコイ」

 絶望的な状況に朔玖が諦めかけていると頭の中に綺麗な歌声が響いてきた。すると身体に力が溢れてくるのを感じる。

「この感じは前にも……これならッ!」

「ソノメハマサカ!? ナルホドアノカタガマネクワケダ」

 男の顔が様々な感情を合わせたかのように変化し気配が変わる。朔玖が()()()の眼で相手を見据え猛然と切り込んでいく。しかし、そのすべてを相手が手甲でいなし、空いた腹に痛烈な一撃が入り衝撃で地面を滑る。

「マダツカイコナセテナイヨウダナ……」

 朔玖が立ち上がり更に速度を上げて剣を振るう。無尽蔵に湧き出る力によって一進一退の攻防を見せているものの決定打がない。

「まだ……まだ足りない……もっと力があればッ!」

 朔玖の求めに応じたかのように力はより一層増していくが、男には及ばない。

「ソロソロカ……」

 朔玖の攻勢は徐々にだが弱まっていく。

「力が……まだ……あ……いつを……」

 朔玖の眼が赤に戻ると身体は力を失い地べたを這って意識を失った。男は倒れる朔玖を肩に担ぎより強く共鳴する場所へ向かって行く。

Data

Unknown 終人

Age 615

Weapon ミアス カーマイン

Capa 1080

Speed 540

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ