ギルドの酒場にて聞き耳を立てた日
ギルドの酒場にてギルドカードの確認をし、エールや枝豆、ソーセージにジャーマンポテトなどを注文して待つ。
待っている間周囲の会話に聞き耳を立てる。
(ギルドの酒場の横にはギルドの待合のようなところがあり、そこからの声も聞こえてくる。)
「よっしゃ、リバーシやろうぜ。リバーシ。」
「なんか賭けるか?」
「じゃあ負けたやつは勝ったやつの飯おごりな!」
「王都からこっちに来ている商人から聞いたんだけどさ、最近王都でチョコレートっていうお菓子が流行っているらしいのよ。」
「どんなお菓子なの?」
「黒くて溶けやすくて食べると甘いんだけどほろ苦くもあるっていうお菓子らしいの。他にもチョコレートを使ったケーキやタルト、パイに飲み物なんかもあるらしいのよ。一度でもいいから食べてみたくない?」
「いいわね。なんなら今度王都まで行っちゃう?」
「行っちゃう?」
「行っちゃいましょ!」
「なぁ、頼むよ金を貸してくれ。」
「嫌だよ。お前、前もそんなこと言ってきて貸してやったやつまだ返してくれねえじゃねえか。」
「今度まとめて返すからさぁ。ほんとに金がなくて困ってんだよぉ。」
「だいたい、色町で女の子に貢物するくらいなら先に金返せってんだ。」
「頼むよぉ。」
「冒険者ならダンジョンで稼いで来いよ。」
「俺のランク知ってんだろぉ、このくらいのレベルだとあんまり稼げねえことだってわかるだろぉ。」
「稼げねえんじゃどうやって金返すつもりだったんだよ!とにかく、俺は断る!ほかのやつに頼むんだな。」
「そんなぁ~~。」
「ああ、早くレベルを上げないと!今回はお茶会があるから仕方がないとしても、もっとダンジョンでレベルを上げないと!15歳までにレベル100なんて到底いけないわ!」
「お嬢様、このようなところでそのような独り言はおやめくださいませ。はしたのうございます。もっと優雅に振る舞っていただかないと。また奥様に叱られてしまいますよ。」
「わかっているわよ。でもそれ以上に焦ってしまっているの!」
「恐れながら、100まで無理に上げなくてもよろしいのではないですか?75だって十分にすごいことでございますよ?」
「そうだけど、やっぱりお母様みたいに若々しくいたいもの。75だとどうしても老けて見えてしまうし・・・。」
「この間さ、妻のために化粧品ダンジョンに行ってきたんだ。」
「お、ついに行ってきたのか。どうだったんだ?」
「すごく喜んでくれたんだけど、「数はこんなもんでいいか?」って聞いたら、「この辺はもっと欲しい。」「これは少し多すぎるかも。」って言われちまってさ。もちろん愛しい嫁さんのためなら応えてやりたいとも思うんだが、いかんせん俺にはその化粧品の区別がつかなくてなあ・・・。」
「あ~、たしかに。俺たちではちょいとばかり厳しいかもな。」
「だろ?だからそういうのに詳しい女冒険者に手を借りたいんだが、おまえの知り合いにはいるか?」
「いやー、俺にそんな知り合いはいねえわなー。親友のお前の助けにはなりたいが・・・。」
「そうだよなー。」
「いや待て、知り合いにそんな女冒険者はいねぇが、あのナルシスト野郎なら詳しいんじゃねぇか?」
「あっ、あいつか。だが協力してくれるか?あいつたしか「この僕の美貌が70年かそこらで失われるのは世界の損失だ。」とかいって200まで上げようとしてるんじゃなかったか?俺の依頼をこなしている場合じゃないだろう?」
「あいつ結構お人好しらしくてな。お前くらいのレベルだったら代わりになにかしてほしいこととか、何か欲しいものでも聞いてみればいいんじゃねえか?多分聞いてくれると思うぞ。この間なんか猫探ししてたぜ?」
「そうか、まぁダメもとで聞いてみることにするか。」
「ねぇ、これおいしそうじゃない?」
「だが少し多すぎやしないか?」
「あなたなら余っても食べられるでしょう?シェアしましょうよ。」
「まあ、これくらいなら入るか・・・。」
「やっぱさあ、告白するならいい感じのアクセサリーを用意した方がいいよな!」
「アクセサリーを用意するのはいいがお前にいい感じのものが選べるのか?相手にも好みがあるだろう?普段着ているものとかにも合わせなくちゃいけないだろうし・・・。」
「その辺は、アクセサリーを真剣に選んだ気持ちとかで・・・。」
「そういうのはもらう側が言うもんだろ、渡す側がそんな気持ちじゃあんま良くないんじゃないか?」
「じゃあどうしろっていうのさ!」
「デートにでも誘ってアクセサリーを直接選んでもらってから渡すとか良いんじゃないか?渡すときにでもプロポーズしたら良いだろうし・・・。」
「んじゃあそうするわ。失敗したらお前のせいな!」
「なんでだよ!告白ぐらい自分で責任持て!」
そんな話を聞いていると注文した料理が届いた。
エールを流し込み、枝豆を食べる。
塩が効いていてうまい。
ソーセージもパリッとしていて少し辛味が効いている。
そうして料理を食べきると伝票をもって会計に行き、ギルドカードの確認をしてからカードで支払い、冒険者ギルドを出る。
ギルドを出たらいつもの鍛冶屋に武器のメンテナンスを頼みに行く。
鍛冶屋でメンテナンスを頼んだら今度はいつもの宿屋に行き、認識阻害を切ってから部屋をとる。
この宿屋は飯はうまいものの値段が少し高く、不愛想な親父が一人で経営しているためか客が少ない穴場のような場所だ。
俺は陰キャで話しかけられるのが苦手なため重宝している。
というか鍛冶屋もそうだが俺が通う店はだいたいそういう親父が経営している店ばかりだ。
浄化をかけてから部屋に入り、くつろぐ。
頭にあるのはいつものやつで、ダンジョンの37階層以降で手に入れた素材をどうするかだった。
肉は多少の量なら当てがあるし、最悪ジャーキーを魔法や複製を使って量産すればいいがその他の素材についてはいまだに答えを見いだせずにいる。
「(調薬のほかにも手を出してみるべきか?いや、すべての素材を無駄にしないためには錬金術どころかレザークラフトなんかにも手を出す必要がある。それはさすがに無理があるだろう。だいたい作ったものをどうするというのか。やはりどこか口の堅い商会に買い取ってもらうのがいいか。しかしどうやって見極めればいい?冒険者ギルドで聞くわけにもいかんしなぁ。そもそも繋がりがあるのであればギルドにばれるかもしれん。冒険者ギルドに登録してあるのだから当然冒険者ギルドも知っているものだとされるかもしれんしなぁ。いや、ランクを上げたくないからギルドには内緒にしておいてくれとでもいえば問題ないか?しかしなぁ・・・。)」
毎回こんなことを考えているうちに段々と素材の数が増えてきていた。
これからもダンジョンに潜り続けるのであればそろそろ決めなくてはならない。
どこかの商会に売るのか、自分で使うのか、あるいは死蔵すると割り切ってしまうのかを。
ジャーキーを齧りながらそんなことを考えているうちに夕飯の時間になったので1階に行く。
トレーをもってカウンターに行きギルドカードの確認を済ませ待っていると、しばらくしてからパンにチキンソテー、ポトフが乗せられた。
金を払い、席に着く。
チキンソテーは皮がパリパリでニンニクの風味がしていてうまい。
具だくさんなポトフも文句なしにうまかった。
夕食を食べ終えたので、皿を返却口に返してから部屋に戻って寝ることにした。
自分の拙い小説がいろんな人に読まれていると思うと緊張します。
どんな批判コメがくるのかと思うとめっちゃ怖いです。
でも読んでもらえたという事実がかなり嬉しいこともたしか。
自分にこんな承認欲求があったことに吃驚。
前々から思ってはいたけれど、自分で小説を書き始めてみると改めて「仕事をしながらの毎日更新とか化け物かっ!」って思います。




