表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ・クロニクル・オンライン ~全員が捨てた初期職を7000時間やり込んだら、Lv1で最強になっていた~  作者: ぶらっくそーど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/372

もう一人の来訪者


 木曜日の夜。ログインすると、セレスではない人物がリベルタの噴水広場で待っていた。



 ──オーレン。蓮のBCOキャラクター。Lv78の剣士。グラオザームのレイドに冬夜を誘った張本人であり、BCOではトワの数少ないフレンドの一人だ。



「よう」

「珍しいな。お前から会いに来るのは」

「裏世界に行きたい」

「急にどうした? お前はあまり、ゲームにのめり込む方じゃないだろう」

「オフ会の時から、気になってたんだよ。お前だけ、新しい世界を歩いてるのが悔しい。──俺も旅人に転職した」



 冬夜は三秒ほど固まった。



「お前──Lv78の剣士を捨てたのか?」



 BCOは自由度の高いゲームだ。元々のジョブを捨てて、全く新しいクラスに転職することもできる。

 ……が、全く新しいクラスにする場合、そのクラスのレベルは『1』からになる。

 異なるクラス間でレベルは共有されない。新しいクラスを始めたければ、またLv1からだ。



「捨てたんじゃない。上位旅人職の『風来坊』に転職した。旅人系の職業じゃないと裏世界に入れないんだろ?」

「それにしてもLvは……って、マジかお前」



 蓮のステータスを確認した。

 Lv78『風来坊』


 最近やけに見ないと思ってたら、こいつ、Lv1→Lv78まで新クラスを上げてやがった。




「へへっ、お前でもこれはちょっと予想外だったか?」

「素直に驚いたよ。レベルは十分そうだが……操作感とかは、大丈夫なのか?」

「『風来坊』は剣士スキルの一部を引き継いでる。けっこう馴染んできたし、大丈夫だよ」

「でも、Lv78を──裏世界に入るためだけに?」

「お前が二年間Lv1だったことと比べりゃ、大したことねえよ。──それに」

「それに?」

「お前がソルシアの話をしてるのに、俺だけ行ったことないのは面白くない」

「結局それか」

「動機なんてなんでもいいだろ。お前だって、『歩きたかっただけ』で二年やってんだから」



 その時、セレスが飛んできた。



「トワ! おかえり! ──あ、オーレン! ひさしぶり!」



 セレスはオーレンを知っている。トワのフレンドリストに名前がある人物は把握しているようだ。



「おう、セレスちゃん久しぶり。──俺、旅人になったんだ」

「オーレン、たびびとになったの? ──おやつ、ある?」

「なんで会うたびにおやつの話になるんだ」

「あるか、ないか」

「……ある」

「だして?」

「……ほい」

「じゃー、いままでどーり、なかま」



 蓮がため息をついた。セレスの審査は今日も平常運転だった。




    ◇




 蓮を連れて裏世界に向かった。世界の果てのガラスの穴。



「ここから飛び込むのか?」蓮が穴を覗き込んだ。

「飛び込む」

「お前……こういう場所を見つけるセンスだけはあるよな。まあいい──行くぞ」



 蓮は躊躇なく飛び込んだ。さすがにLv78までやってきたプレイヤーだ、度胸はある。

 裏世界ソルシアに着地。蓮が周囲を見回した。



「……綺麗だな。表の世界とは全然違う」

「セレスの故郷だ」

「ここがセレスちゃんの。──なるほど、お前がここを守りたがるわけだ」



 蓮は風来坊に転職しているので、戦闘力は十分にある。剣士のスキルも一部引き継いでおり、旅人系の移動スキルも使える。



「お前、『風来坊』のスキル、どのくらい使えるんだ」

「まだ転職したばかりだから半分くらいだ。だが剣は振れる。Lv78ぶんの腕もある」

「なら問題ない。──歩くぞ」



 タマキがログインした。



「あ、トワさん! こんばんは! ──あれ、オーレンさん?」

「おう、宮瀬さん。俺もついに、裏世界に来たぜ!」

「えー! 旅人に転職したんですか!? ──仲間が増えました!」



 三人が裏世界で合流した。トワ、タマキ、オーレン。現実の繋がりがゲームの裏世界にまで。

 セレスがトワの肩から三人を見つめていた。



「トワ。ともだち、ふえた」

「ああ、もっと騒がしくなるぞ」

「セレス、にぎやか、すき」

「俺もだよセレスちゃん」蓮が手を振った。

「オーレン、いいひと。むかしから、トワのともだちだから」

「ありがとうセレスちゃん。──しかしここ、本当にいい場所だな。散歩だけでも来た甲斐がある」

「でしょ? わたしも最初に来た時感動しました!」タマキが嬉しそうだ。

「お前ら二人が盛り上がってると、俺は案内役に徹するしかないな」

「お前のいつものポジションだろ」蓮が笑った。

「……否定できない」



 幼なじみとタマキとセレスに、トワは少しやりづらそうな顔をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ