表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレイブ・クロニクル・オンライン ~全員が捨てた初期職を7000時間やり込んだら、Lv1で最強になっていた~  作者: ぶらっくそーど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/416

〈星の牙〉


 港町を出て、内陸に歩き始めた。

 新大陸アストラムの風景は、これまでのBCOとは全く違った。



 木々の葉が光っている。地面に埋まった鉱石が、夜空のように瞬いている。空には二つの月──いや、月ではない。巨大な星が二つ、空の低いところで輝いている。




「月が二つ──?」

「ちがうよ。あれは、星」リーリアが隣を歩いていた。

「この大陸の空には、低い星が二つある。わたしたちは、あれを『双子星(ふたごぼし)』と呼んでる」

「星が低いところにある。──表の世界にはない現象だ」

「あなたの世界にはないの? ……ふーん、変なの」

「お前の世界の方が変だと思うが」

「失礼ね」



 リーリアはずけずけ物を言う少女だった。グランの飄々とした態度とも、ヴィアの老練な温厚さとも違う。年相応の──素直さ。


 セレスはまじまじとリーリアを観察していた。



「リーリア、いくつ?」

「十四」

「セレスは、せんさいいじょう」

「千歳以上……見た目は手のひらサイズなのに」

「みためとなかみは、かんけーない」

「それはそうだけど……」



 内陸に入ると、モンスターが出現した。


 草むらから飛び出してきた。四足獣。狼に似ているが、体表に星の光が散らばっている。シロとは全く違う。シロは白い光だが、こいつは──星の光。七色に変化する光。




星牙狼せいがろう Lv88 HP:95,000 ──敵対】




「シロと似てるけど、全然違うな」



 星牙狼は見境成しに、トワに飛びかかってきた。

 トワが剣で受けた。──火花が散る。

 続けざまに剣を振るが……ダメージが、おかしい。




【トワの攻撃:14,000(通常の50%)】




「ダメージが半分──!?」

「属性が噛み合っていないんだ。──星属性のモンスターに、既存の属性攻撃は半減する」



 影銀に切り替えた。




【影銀形態の攻撃:7,000(通常の25%)】




「影銀はさらに効かない──!」

「夜銀は? トワ、わたしの力を使って」

「ああ……そうさせてもらう!」



 夜銀形態に切り替え。紺色の刃。




【夜銀形態の攻撃:21,000(通常の75%)】




「夜銀が一番マシだが、それでも75%か」

「星属性は──光でも、影でも、夜でも、闇でもない。どの属性にも完全には対応していない」



 見聞録で星牙狼を解析する。──パターンは読める。星属性だろうと、行動パターンは存在する。



「弱点は──腹の下。星の光が集まっている場所。光点の密度が最も高い箇所が、最も脆い」



 星牙狼の突進をサイドステップで回避。腹の下に潜り込み──夜銀の剣で光点の集中部位を斬った。




【弱点攻撃:63,000(通常の225%)】




「弱点を突けば、二倍以上──!」

「属性耐性は高いが、弱点部位は通常モンスターよりも通りやすい仕組みか。──弱点を見つけて、一撃で仕留める。それが、星属性モンスターの攻略法だ」



 星牙狼のHPを削りきった。

 光の粒子──ではなく、星の粒子になって散った。星屑が地面に降り注ぐ。




【星牙狼を討伐しました】

【ドロップ:星牙の欠片(新素材)】

【ドロップ:星の粉(新素材)】




「新素材──!」タマキが拾い上げた。「星牙の欠片と星の粉──これ、何に使えるんだろう」

「リーリア。この素材、知ってるか」

「知ってるよ。星牙の欠片は武器に混ぜると星属性が付く。星の粉は料理に入れると、星のバフがもらえる」

「星のバフ──!? 何の効果ですか!?」タマキが食いついた。

「全属性耐性が少しずつ上がる。どの属性にも偏らない、万能型のバフ」

「万能型──! それ、【深淵】の対策にもなるかもしれませんね!」




    ◇




 続けて遭遇するモンスター。




星角鹿せいかくしかLv89 HP:88,000 ──非敵対】



 大きな鹿。角に星の光が灯っている。──セレスの覚醒形態に似ているが、色が違う。銀ではなく、虹色。



「非敵対──鹿型は友好的なのか」

「この大陸の鹿は、『星の使者』と呼ばれてるの。間違っても、攻撃しちゃダメよ」リーリアが注意した。



 セレスが覚醒形態になった。──銀の大鹿が、虹の星角鹿と向かい合う。

 星角鹿が、頭を下げた。セレスに敬意を示すように。



「セレス、星角鹿に認められてる」

「セレスはせーれーの長。しかは、セレスをそんけいする。どこのくにでも」

「お前のその自信はどこから来るんだ」

「じしん、じゃない。じじつ」

「俺の真似をするな」

「真似じゃない、じじつ」

「まあ……いいか」



 星角鹿がセレスの角に、鼻先を触れさせた。銀色の角に、虹の光が移った。




【セレスティアが「星角鹿の祝福」を受けました】

【効果:星属性耐性+20%。星属性攻撃力+15%】




「セレスちゃんに星のバフが──! 鹿同士の挨拶でバフがつくの!?」

「セレスはとくべつ、おさだから」

「長って便利ですね……」



 リーリアが感心したようにセレスを見ていた。



「あなたの精霊──すごいね。星の使者が自分から祝福を与えるなんて、滅多にないよ」

「セレスはすごい、いちばんすごい」

「それ、自分で言うの?」

「じぶんでいう、だれもいってくれないから」

「俺は言ってるだろう」

「トワはいってくれる、でも、もっといってほしい」

「欲張るな。まったく……セレスは十分すごいぞ」

「えへへ……もっとほめて、なでて」




 トワたちが新エリアの探索に時間を注ぎ込んでいる中、

 フォーラムでは新大陸の情報交換が盛んに行われていた。




 ──「新大陸のモンスター、既存属性が半減するぞ。攻略法が、全く違う」

 ──「弱点を突けばダメージ倍以上。見聞録持ちが圧倒的に有利だな」

 ──「つまりトワさんゲー」

 ──「いつもそうだろ」

 ──「いや、違うな。弱点が分かりさえすれば、初心者でも倒せる設計になってるんだ」

 ──「推奨レベル帯が全てって、そういうことか」

 ──「20Lvの俺でも、90Lvのモンスターが倒せた。まじで楽しい」

 ──「そう言われると、神調整な気がするな」

 ──「ちなみに星の粉で、万能バフ料理が作れるらしい。薬師プレイヤー歓喜」

 ──「セレスちゃんが星角鹿にバフもらってたところを見たぞ。鹿のネットワークすごいな」

 ──「鹿のネットワークって何だよ」

 ──「鹿にもここみたいなフォーラムがあったりするのかもな」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ