86話
私とツバキ様は旅を続けた。何度か魔獣に遭遇したり小さな街が有ったり……。
川沿いに歩いていたが気が付くと川の幅も広くなってきた。
「ツバキ様、この川の広さって海に近付いたって事ですよね?」
「あとどれ位距離が有るかは分からないけど多分そうだと思うわ」
最初の方は川沿いには何も無かったが、川幅が広くなった辺りから川の近くに家も増えて来た。
「人が多くなってきましたね……」
「そうね。景色が変わって来たね」
私達はそのまま休まずに川沿いに歩いてから夕方に街に戻った。
街に戻るとミモザがこちらに走って来た。
「サクラ、近くで魔獣の目撃が有ったみたい。出来たら明日は街に待機してくれない?」
「了解。いつもごめんね」
翌日待機していると、ペスティサイド国との国境辺りで魔獣の目撃情報が入って来た。
「ツバキ様……国境付近と言う事はペスティサイド国側にも通知しておく方が良いですよね?」
「そうね。こちらが変に動いたら怪しまれるかもしれないわね」
「では手紙を書いて国境で渡します」
「そうしましょうか」
「サクラ、私も一緒に行こうか?」
「……ミモザはここで情報を集めてくれる?もし他の場所から魔獣が来たら困るから」
「わかった」
私達は手紙を書くとペスティサイド国との国境付近まで転移した。
ペスティサイド国の国境に居る兵士と話をすると、彼らも魔獣の発見情報は知っており現在国に相談してるらしい。
私達は国境を超えない範囲で自由に動く事を伝え、魔獣を探した。
「ツバキ様……魔獣の反応は有りませんね」
「そうね。本当に居なくなっただけならいいけれど……」
「どういう意味ですか?」
「陽動かもしれないって事……今隣国で攻めこんできそうな国は無いし大丈夫だとは思うけど」
「こちら側に注目させて反対側から攻めて来るって感じですか?」
「そうね。そうではない事を祈るわ」
数日間捜索をしたが魔獣は見当たらなかった。これはペスティサイド側も同じだった。
「見付かりませんね」
「まあいない方が良いのだけど……」
「少し兵を増やして警戒させましょうか?このまま閉鎖するのも良くないですし」
「そうね。ここの物流を止めてしまうと途中の街が困るからね」
それから更に1週間程警戒していたが魔獣は現れなかった。
「ツバキ様、ペスティサイド国側とも相談したけど今回の件は見間違えだろうという結論になりました」
「そうね。他国も変な動きは無いし……でも今度から気を付けないと魔獣を見たというだけでペスティサイド国との物流が止まってしまうのは良くないね」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




