表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の権能 ~災厄を振りまく呪い子だけど、何でも使い方次第でしょ?~  作者: リウト銃士
第八章 住人の消えた村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/94

第83話 珍味と二人の忠臣




 秋の冷たい風の中、俺たちは昨日、交易都市ヌスポに戻って来た。

 えらい苦労した今回の調査は、残念ながらほぼ空振りのような結果だった。

 それでも、多少は見えてきたものもある。

 それを確認するため、俺はエルミアルダとコンタクトを取る必要があった。


「うーん……、どうすっかなあ。」


 レインとベリローゼを連れ、繁華街を歩きながら呟く。

 情報を得るために、エルミアルダに会う必要がある。

 だが、おそらく俺の出禁は解除されていない。

 前回は特殊な状況だったため、特別に会うことができた。

 しかし、こちらから「会って話がしたい」と言っても、多分面会はできないだろう。

 そのための、仲介役のターラッツォだ。


 そんなことを考えながら繁華街を通り抜けようとした所で、目の前の店から男が叩き出された。


「二度と来んなっ!」

「ひいっ!? す、すみませんでしたあっ!」


 箱を括りつけた背負子(しょいこ)を背負った行商人の男が、勢いよく転んだ。

 行商人を叩き出した店主は、えらく怒っている。

 バタンッと大きな音を立て、力任せに店のドアが閉められた。


()たたた……。」


 行商人の男は、衣服に付いた埃を払う。

 そうして溜息をつくと、見るからに肩を落とした。


「一体、何をやらかしたんだ……?」


 さすがに、叩き出すほど怒るというのは、そうそうあることじゃない。

 行商人は見るからに落ち込み、それでも店に向かってペコリと頭を下げた。


 相手が見ていない場所で、ああして頭を下げられる人は、そう多くはない。

 謝罪というのは、ある意味ポーズだ。

 相手に見せてこそ、意味がある。

 それを、相手のいない場所でするということは、本当に申し訳ないことをしたと本人が思っているからだろう。


(……………………。)


 俺は、ちょっとだけ興味が出て来てしまった。

 あれだけ殊勝な行商人が、あれほどまでに相手を怒らせる。

 一体、何をすればそんなことになるのか。

 背中を丸め、立ち去る行商人に俺は声をかけることにした。


「あんた、大丈夫か?」

「え?」


 とぼとぼ歩く行商人に後ろから声をかけると、少し驚いたような顔で振り返った。


「通りがかりに、ちょっと見かけただけなんだけどな。あんたも随分と落ち込んでるみたいだし。一体、どうしたんだ?」

「あ……いえ…………私が悪いんです。その、ご心配をおかけしたようで、申し訳ないです。」


 行商人は、そう言って俺にも頭を下げる。

 ほんと、この世界には珍しいくらい、殊勝な人だった。


「俺にまで頭を下げる必要はないさ。それより、何であんなに怒らせちまったんだ? 一体、何をやったんだ?」

「いえ、その……やった、というか……。商品をお見せしたんですけど……。」

「商品? あんたが売り歩いてる商品か?」

「ええ……。」


 行商人は、そうして重い溜息をつく。

 見ただけであれだけ怒るというのも、なかなかに不思議な話だ。

 一体、どんなものを見せたのだろう?


「ちょっと興味あるな。一体、何を売ろうとしたんだ?」

「え?」

「良かったら見せてくれないか? あまり高価な物でなければ、一つくらいは買ってもいいぜ?」

「あ、本当ですか?」


 俺が一つ買おうと言うと、行商人は少し驚く。

 レインとベリローゼは、俺に対して「何やってんだか……」と呆れているようだ。

 それでも、行商人が背負った箱から商品を取り出そうとすると、興味津々で覗き込む。

 興味あるんじゃねーか。


「こちらなんですが……。」


 そうして行商人が取り出したのは、手のひらに乗るくらいの小さな壺だ。

 何やら、変な臭いが漂い始める。


「私は、東部の一部の地域で作られる、ある珍味を売っているのですが……。ちょっと、癖が強いもので…………あまり売れないのです。」


 そう言って行商人が箱を開けると、途端に臭いが強くなる。

 見た目は、塩辛に近い。


「ぐっ……! こ、これはっ……!?」


 俺は思わず仰け反る。

 レインとベリローゼが、あっという間に十メートルほど離れた場所に駆けて行った。

 自分たちだけ逃げるとか、護衛としてどうなんだ、おい!


 しかし、発酵食品にそれなりに慣れている俺としては、逃げ出すほどではない。

 ()()()というのは食べたことはないが、強烈な臭いを発する食品というのは、いろいろとある物だ。

 自分が受けつけないからと、その文化を貶めるようなことをしてはいけない。


「ごめん。やっぱ無理。いらない。」


 だからと言って、買うかと聞かれれば、答えはノーだ。

 俺は、あっさり前言を翻した。


「そ……そうですよね。」


 手のひらを返した俺を、それでも行商人は責めなかった。

 買うと言ったじゃないか、と責めそうなものだが、本当にこの行商人は人がいいらしい。

 そんな行商人を見て、若干心に痛みを覚える。


 …………が、ここで一つ、俺は閃いた。

 勝算は…………ある。

 上手くいけば、俺の方の問題も解決できるかもしれない、妙手だ。


「やっぱり一つ買おう。それと、もしかして背負ってる箱には、こいつがまだまだ入ってるのか?」

「え、ええ……まあ。」


 それを聞き、俺は頷く。


「よし、じゃあ早速商談に行こう。」

「へ?」


 俺が不敵な笑みを浮かべて提案すると、行商人はさっぱり意味が分からず、ぽかんとした顔になった。







 そうしてやって来た、ターラッツォの鑑定屋さん。

 ターラッツォは仰け反りながら、行商人の持つ壺を覗き込む。


「だからって、お前な……。こんな物を持ち込むな。」


 当然ながら、ターラッツォは渋い顔をした。

 というか、鼻をつまんだままで、手を放せないようだ。

 鑑定屋のスペースは狭いので、瞬く間に臭いが充満してしまった。


 ちなみに、今行商人が手にしているのは、俺が買った分だ。

 味見用に一つくらいは使う必要があると考えたからだ。


「ちょっと臭いが気になるけど、珍味と言われる物には、こうした物もありますよ。むしろ、こうした物は独特の旨味が癖になることも多いんです。是非、マダム・エルミアルダに味わっていただこうと思いまして。」


 俺は、行商人に代わって営業トークを繰り広げる。

 実際は俺も鼻をつまみたいが、売り込んでいる以上は、俺がそれをするわけにはいかないだろう。


「いや、あのな……。」

()()()()マダム・エルミアルダのために、折角見つけてきたのに……。もし機会があれば、俺はこれをマダムに差し入れしますよ? その時、『以前もお持ちしようとしたけどターラッツォさんにダメだって言われた』って言いますよ?」


 万が一、マダム・エルミアルダがこれを気に入ったら、「何で邪魔した」と叱責を受けるだろう。

 それが分かるのか、ターラッツォがますます渋い顔になった。


「だからって、毒見もせずこんな物を届けさせるわけにはいかない。悪いが、取り次ぐことは――――。」

「じゃあ、毒見をすればいいんですね?」


 そう言って、俺は行商人に視線を向ける。

 自分で扱ってる商材だ。

 さすがに、自分は食えるよな……?


 そう視線に念を籠めると、行商人はその珍味をスプーンで掬い、口に入れる。

 よかった、ちゃんと食べられるらしい。

 …………俺は食べないけどな。


 行商人はじっくりと味わい、ごくんと飲み込む。


「はあ…………素晴らしい。この、(えぐ)り込むような()()()と、突き刺さるような酸味が堪りません。」

「…………抉り込む?」


 それって、味の表現としてどうなの?


「えぐみと、酸味……。」


 ターラッツォは顔をしかめ、その行商人を凝視する。

 それは、些細な体調の変化さえ見逃さんとするようだった。


「ほら、食べても大丈夫でしょ?」

「ええ。どうぞ、お一つ。最初は驚くかもしれませんが、慣れると癖になりますよ?」


 そう、笑顔で行商人が壺を差し出す。

 ずいっと差し出されたその壺を、引き攣った顔でターラッツォは見た。

 頬を、一筋の汗が流れる。


 そんなターラッツォが、俺は少し気の毒になった。

 通好みの味覚の持ち主らしいエルミアルダに珍味を紹介する名目で、俺は面会の約束を取り付ける狙いだった。

 しかし、そんな俺の目論見に巻き込まれ、ターラッツォが犠牲になるのは忍びない。

 なので、助け船を出すことにした。


「誰にでも、苦手な物はありますよ。無理はしない方がいいですよ?」

「……そんなわけにいくか。主人(マダム)に変な物を届けるわけにはいかない。」


 そう言ってターラッツォは、行商人の持つ壺にスプーンを持った手を伸ばす。

 ターラッツォは、自らを毒味役とするつもりらしい。

 見上げた忠誠心だった。


 ごくり、と喉が鳴る音が聞こえた。

 鍛え上げられたターラッツォの腕が、まるで生まれたての仔鹿のようにぷるぷる震えている。

 そこまで嫌なら、無理すんなよ。


 目の前に持って来たスプーンから、少しでも顔を遠ざけようと、一層仰け反るターラッツォ。

 自分で目の前に持ってきているのだから無駄な足掻きでしかないが、気持ちは分からなくもない。

 そうして、頬を伝う汗が落ちるのと同時に、意を決したターラッツォがスプーンを口に入れた。


「……………………。」


 スプーンを咥えたまま、固まるターラッツォ。

 咀嚼するでもなく、吐き出すでもない。

 完全に固まっていた。


「だ……大丈夫か?」


 あまりにも動かないため、ちょっと心配になってきた。

 その時、ターラッツォの目が、グリンと裏返る。


 ドシーーーン。


 そして、そのままの姿勢で後ろに倒れた。


「ちょ! タ、ターラッツォ!?」


 俺は、慌ててターラッツォに駆け寄った。

 ターラッツォは、まるで蟹のようにブクブクブク……と泡を吹いている。

 ターラッツォの鍛え上げられた肉体が、ガクガクガクッ……と強烈に痙攣していた。


 珍味でエルミアルダに会おう作戦は、残念ながら失敗だったようだ……。







 ターラッツォの痙攣は、数分間続いた。

 俺は行商人にも手伝わせ、『回復体位』を取らせる。

 気道を確保し、吐瀉物の誤嚥を防ぐ、あの体勢のことだ。


 そうして何とか回復したターラッツォだが、まだ動くのはつらいようだ。

 床に胡坐で座り込み、項垂れている。


「悪かった。こんなの食べさせて。」


 俺は、素直に謝った。

 なかなか強烈な食品だとは思ったが、これほどだとは思わなかった。


(だって、自分では食べてないから……。)


 そんな、外道な言い訳が頭に浮かぶ。


「いや、まあ……決めたのは俺だ。お前が謝ることじゃない。」


 そう言って、ターラッツォは力なく苦笑する。

 何とか足に力を入れて、立ち上がった。

 ターラッツォの足は、まだぷるぷる震えている。


「…………いいだろう。主人(マダム)に紹介してやろう。」

「……………………………………………………え?」


 俺は、ぽかんとターラッツォを見上げる。

 何を言っているのか、本気で理解できなかった。


主人(マダム)に紹介するために、連れて来たのだろう?」

「そ、それはそうだけど……。」

「馬を用意する。ちょっと待っててくれ。」


 ターラッツォはカウンターの中に入り、裏口へと向かった。

 ふらつく後ろ姿を、俺は茫然と見送る。

 行商人が、驚き半分、喜び半分の、複雑な表情で俺の方を向いた。


「紹介、していただけるのですね。」

「そ、そうみたいだな……。」


 どうやら、失敗だと思った作戦が上手くいったらしい。


(口に入れただけで泡吹いて気絶する物を取り次げるなら、毒味役の意味は……? まんまスルーで良くない?)


 つい、そんなことを考えてしまうのだった。







■■■■■■







 そうしてエルミアルダの娼館に着いたら、初めて来た時に通された応接室に案内された。


(……やはり、この応接室(へや)は訳ありや、招かれざる客を通すためか。)


 臭いが籠ってしまった時のことも考慮し、ターラッツォはこの部屋をチョイスしたのだろう。

 行商人とともにソファーに座り、大人しく待つ。

 しばらく待つと、マダム・エルミアルダが入って来た。

 ターラッツォが続き、最後に老執事のツフワースが部屋に入ると、ドアが閉められる。


「まったく…………いつもいつも突然なんだから。もう少しこっちの都合も考えてちょうだい。」


 そんなことを、ぶつくさ呟く。

 俺と行商人は、マダム・エルミアルダを立って迎えた。


「本日は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。」

「ええ。悪いけど、早速初めてちょうだい。」


 行商人が挨拶をすると、エルミアルダが素直に受け入れる。

 俺の時は、まともに聞こうとさえしなかったのに……。

 この扱いの差は何だ?


 エルミアルダがソファーに座ると、着席を勧められる。

 ツフワースとターラッツォは、エルミアルダの後ろに控えた。


 行商人は、箱から壺を一つ取り出し、テーブルに丁寧に置いた。

 これは、味見用に開けた物ではなく、また新しく開封する分だ。


「こちらが、東部の珍味になります。」

「ターラッツォから聞いているわ。なかなか、独特の味をしているそうね。」


 行商人が壺を開けると、途端に強烈な臭いが広がった。


「こ……これは……っ!?」


 ツフワースが呻くように呟き、戦慄した。

 ターラッツォは、味を思い出したのか、急速に顔が青褪める。


「ふーん……。」


 そんな中、エルミアルダだけが平然と壺を眺めた。

 なんだ、この猛者は!?

 初めて嗅ぐであろう強烈な臭いにも、眉一つ動かさないとは……。


「マダム・エルミアルダは、こちらをご存じで?」


 俺は思わず、そう尋ねてしまった。

 すでに知っているのなら、この反応は納得できる。

 覚悟ができるからだ。

 だが、エルミアルダは髪を掻き上げ、首を振った。


「いえ、初めて見るわね。あまり出回っていないのではなくて?」

「は、はい……。少々臭いが強いこともあり、普通には流通させにくいのです。」


 エルミアルダの質問に、行商人が答える。

 確かに臭いのこともあり、普通には流通に乗せられないのかもしれない。

 だが、俺には別の理由がありありと思い当たった。


(…………そもそも需要が無いだろ。こんなの。)


 ターラッツォが、口に入れただけで気を失った食べ物だ。

 一体、誰が買うというのか。


「ツフワース、カトラリーを。」

「い、いけません、主人(マダム)!」


 スプーンを出せというエルミアルダに、ツフワースが抵抗する。


「如何に主人(マダム)がゲテモノ好きでも、さすがに限度があります!」


 あ、ゲテモノって言っちゃった。

 前は、通好み、って濁して言ってたのに。

 ツフワースの動揺は大きく、どうやら取り繕うことも忘れてしまったようだ。


「ターラッツォが毒味もしているのよ? 何の問題もないじゃない。」

「口に入れただけで気を失うことは、『問題がない』とは言いません!」


 うむ、正論だな。

 あれを通してしまうのなら、『毒味』という言葉の定義自体を書き換える必要があるだろう。


「貴方の意見は求めていないの、ツフワース。いいから出しなさい。」

「できません。主人(マダム)。」


 ツフワースは、毅然とした態度でエルミアルダの命令を拒絶した。

 素晴らしい忠誠心。

 たとえ主人(あるじ)の反感を買おうと、主人のためにならないと思えば、こうして諫言する。

 執事の鏡と言えよう。


「なら、貴方が毒味なさい。」

「え”っ――――!?」


 しかし、そんなツフワースの忠誠を試すかのように、エルミアルダが無情な命令を下した。

 鬼か、エルミアルダ(こいつ)は?


「私は、早くこれを試したいの。すでにターラッツォが毒味をしているのよ? 納得していないのは、あとは貴方だけ。」


 エルミアルダは、冷ややかな目で背後のツフワースに言う。

 ツフワースの額に、汗が浮き始めた。


「ツフワースさん、あの……無理はしない方が……。」


 自分で持ち込んでおいて何だが、一応止めさせてもらう。

 なぜなら、俺はすでに、こうしてエルミアルダと面会する機会を得られた。

 つまり、俺の目的は達せられているのだ。

 これ以上の犠牲者は出したくない、というのは本心だった。


「……………………かしこまりました。」


 しかし、ツフワースはエルミアルダの挑戦を受けてしまう。

 ソファーの後ろからテーブルの横に移ると、懐からカトラリーを包んだ布を二つ取り出す。

 一つをエルミアルダに渡し、もう一つの布から一本のスプーンを取り出した。


「そ、それでは……失礼いたします。」

「ええ。」


 微かに震える声でツフワースが言うと、エルミアルダが応じる。

 ツフワースは震える手で、壺の中から中身を掬う。

 その顔は無表情だが、異常なほど汗を掻いている。

 一瞬の躊躇いの後、静かに口に入れた。


「ぶっふぅ!?」


 咄嗟に口元を手で押えたため、吹き出したりはしていない。

 だが、ツフワースの顔色がみるみるうちに青褪めていった。


「ツ、ツフワースさん!? 無理しないで!」


 ツフワースのことが心配になり声をかけるが、持ち込んだのは俺である。


 ツフワースは口元を押さえたまま、しばらく固まった。

 その手は、小刻みに震えている。

 そうしてしばらく固まっていたツフワースだが、やがて静かに手を下ろす。


「…………な、なかなかの抉り込み具合ですな……。失礼いたしました。」


 ツフワースは姿勢を正すと、この珍味(ゲテモノ)をそう評価した。

 それからエルミアルダの方を向き、首を振る。


「やはり……、私としてはお勧めできません。おやめになった方がよろしいかと。」


 ツフワースは、軽く頭を下げた。


主人(マダム)、申し訳ありませんが……。少々、席を外させていただいてもよろしいでしょうか。」

「ええ、いいわ。」


 青い顔のツフワースが退室を願い出ると、エルミアルダが許可した。

 ツフワースはいつも通りの隙のない所作で、部屋のドアに向かう。

 そうして部屋を出て、ドアを閉めようとした時、…………咄嗟に口元を押さえた。


「…………ォ、ォェェ……。」


 微かに、えずく声が漏れた。


(無茶しやがって……。)


 俺は心の中で、ツフワースの忠誠心に感服し、惜しみない拍手を送った。


 何度も繰り返すが、原因を持ち込んだのは俺である。

 ほんと、すんませんっしたぁ……。







 ちなみに、この後エルミアルダは普通に試食した。


「悪くないじゃない。もう少し、酸味を抑えた方が好みだけど。」


 そこそこ気に入ったようで、行商人の持っていた分の、半分ほどをお買い上げになりました。


 そんな味覚してて、好みとか好みじゃないとか、ふざけてんの?

 そんなことを思ってしまった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ