第五話:華麗なる(?)朝廷の日常
千代田の朝廷本部をチーかま軍が掌握し、「チーかま政権」が誕生した……はずであった。
しかし、総大将モ・ト・ハ・チィと参謀・紋派を待ち受けていたのは、重厚な政治劇などではなく、あまりにもマイペースでクセの強い朝廷メンバーたちとの胃が痛くなるような日常であった。
1. 苦労人の策士・ちくわ天皇(千代田)
「あ〜〜〜、チーかまの奴ら、すっかり居座っちゃってさぁ……」
朝廷屋敷の奥で、ちくわ天皇は豪華な座布団に寝そべりながら愚痴をこぼしていた。
母であるペンネ上皇の威光には絶対に逆らえない苦労人だが、その内面はドロドロとした策士。
「チーかま軍に『保護』してもらった手前、表立っては逆らえないけどさぁ……政権奪う気しか考えられないし絶対利用されるじゃん............ 誰か〜! チーかま軍を追い払ってくれる都合のいい武士はおらんのか〜〜!」
ちくわ天皇は文面を適当に捏造した密書(内容はただの愚痴と助けを求める泣き言)を丸めては、窓からポイポイと外へ投げ捨てている。
2. 能天気な居座り組・かまぼこ親王(江東)
そこへ、朝廷の管轄地である江東・深川周辺を治めるかまぼこ親王が、ふらりと部屋に入ってきた。成人済みでありながら、どこか浮世離れした空気感を纏っている。
「母上、今日のおやつは板かまぼこですか? それとも伊達巻ですか?」
「お前は能天気でいいなぁ! 今、朝廷の危機なんだよ!? チーかま軍が目と鼻の先にいるんだぞ!」
いつも母の扱いに怯えているちくわ天皇だが娘のかまぼこ親王に対してはいつもこんな感じだ。
「えっ、そうなんですか? 私、江東の平民街で美味しいかまぼこ食べながら平和に暮らせればそれでいいんですけど……」
実権もなく、周りの重臣たちからも存在をスルーされがちなかまぼこ親王だが、本人は至ってマイペース。深刻な状況でもまったく動じない癒やし(?)系であった。
3. 恐れられる絶対的暴君・ペンネ上皇(品川)
そこへ、品川の「ペンネ離宮」から怒り心頭の使者がなだれ込んできた。
「ペンネ上皇様からのお言葉である! 『千代田でチーかま風情が調子に乗るな! 今すぐ品川の大和港まで上等なパスタと高級パスタソースを100樽献上しろ! さもなくば品川の港から大砲をぶち込むぞ!』とのこと!」
武力と莫大な富ですべてをねじ伏せる絶対的暴君・ペンネ上皇。
恐ろしいパスタ好きであり定期的にこういう使者を送ってくる。ちなみにペンネではなくスパゲッティ派。
遠く品川に引きこもっているにもかかわらず、その圧力は千代田までバリバリと届いていた。
「ひ、ひえぇぇっ! 母上、相変わらず容赦なさすぎるよ〜〜!」
ちくわ天皇は速攻で座布団の陰に隠れた。
4. 振り回されるチーかま軍
柱の陰で一部始終を見ていた紋派は、頭を押さえて深いため息をついた。
「……チィ様。朝廷を抑えたとはいえ、この有様です」
「あーもう! どいつもこいつも勝手なことばっかり言って! ペンネのババァには後で文句言ってやるわよ!」
天下を握ったはずのチーかま軍だったが、クセが凄すぎる朝廷の面々に早くも頭を抱えるのであった。




