第二十五話:練馬ヶ原の終術、そして新たなる勢力図
夕闇が迫る練馬ヶ原。
渡る冷たい風が、踏みにじられたススキの海を吹き抜けていく。
チーかま軍の電撃侵攻と、全勢力が資源を求めて激突した「練馬ヶ原の大戦」は、凄まじい肉弾戦の末に、どの勢力も完全な支配権を確立できぬまま引き分ける形で終結した。
「……行ったか、チーかま軍め」
サ・バ・ンナは泥の中に大剣を突き立て、天を仰いだ。
全身が痛みに叫んでいたが、その瞳には確かな手応えが宿っていた。独占を狙ったチーかま軍の野望を阻止し、練馬ヶ原の膨大な資源を守り抜いたのだ。
「やったな、兄上! 俺たちの力で……チーかま軍を追い払ったぞ!」
ゆるるが歓喜の声を上げ、陀下門も泥だらけの顔で豪快に笑い飛ばす。
「ハッハハ! 見たかチーかまの狐ども! 泥の根性はそう簡単に折れんのだ!」
だが、勝利の余韻に浸る彼らのもとへ、海底民族の報せが届く。
「サ・バ・ンナ様! 練馬ヶ原からチーかま軍は撤退しましたが、奴らは足立・江戸川の防衛線をさらに強固にし、朝廷の権威を楯に北区の本陣へ立てこもっております!」
「……フン、どこまでも往生際の悪い奴らだ。だが、今回の戦いで奴らの底も見えた」
サ・バ・ンナは、弟ゆるるとガシッと強く拳を突き合わせた。
「練馬の資源を足がかりに、俺たちはさらに力を蓄える。次こそは……北区へ乗り込み、チーかま政権を完全に叩き潰すぞ!」
「「「おーっ!!!」」」
歴史の折り返し地点となる「練馬ヶ原の戦い」が終わる。
チーかま軍の野望を挫いたサ・バ・ンナ&ゆるる兄弟連合は、いつか起こる「都の決戦」へ向けて、さらなる飛躍を誓うのであった。




