第二十話:電撃の江戸川奪還と、次なる遠征計画
「ちくわ天皇陛下が出陣された! 全軍、前へ進め!!」
品川のペンネ上皇からの理不尽すぎる圧力と脅迫を受け、嫌々ながらも出陣した第二次江戸川自治区侵攻。
しかし、参謀・紋派の頭脳は冴え渡っていた。
「チィ様、策はすでに打ってあります。サ・バ・ンナは弟のゆるる救出のため西の成増へ向かい、本蓮沼の陀下門も手傷を負って身動きが取れません。各勢力が各地で足止め・交戦中である今こそ、最大の機です」
紋派は、サ・バ・ンナという絶対的戦力が江戸川を離れている隙を完璧に見抜いていたのだ。
「朝廷の『官軍』の威光を最大限に示し、一気に押し潰します!」
嫌々輿に乗せられているちくわ天皇を矢印の先頭に掲げ、チーかま軍は圧倒的な集中火力で江戸川自治区へ襲いかかった。サ・バ・ンナを欠いた江戸川の残留部隊と海底民族は必死の肉弾戦で抵抗するものの、全勢力を注ぎ込んだチーかま軍の電撃的な包囲網の前に防衛線が崩壊。
ついにチーかま軍は江戸川自治区を完全に攻め落とし、主権下へと置くことに成功したのだった。
「ハッハー! 見たか魚くさい連中! これがアタシたちチーかま軍の真の実力よ!」
陣輿の上で大威張りのチィ。
しかし、大勝利に酔いしれるチィに対し、紋派は冷ややかに地図を広げていた。
「チィ様、喜んでいる暇はありません。今回の激戦と急拡大により、我が軍の兵糧とチーかま兵器の製造に必要な『高級チーズ・練り物資材・石炭・鉄』の補給網が極限まで枯渇しております」
「えぇっ!? また補給問題!? 勘弁してよ〜!」
「江戸川を維持し、戻ってくるであろうサ・バ・ンナや品川のペンネ上皇に対抗するためには、潤沢な補給材料の確保が絶対条件です。……そのため、我が軍はただちに『ある未開・肥沃の重要エリア』への進軍を計画いたします」
紋派の指先が、地図の広大な未開地を静かに示していた。




