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見破る男  作者: パンジ
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18/22

背後

真島アキラが連れ去られたという情報は、瞬く間に警察内部を駆け巡った。


「現職警察官による連れ去りです!」


「警備へ紛れ込んでいた模様!」


捜査本部が騒然となる。


警察官による犯行。


最悪だった。


誰が敵なのか分からない。


現場の空気が一気に張り詰める。


「連れ去り車両を追え!!」


「全パトカーへ連絡!」


「検問を展開しろ!!」


無線が飛び交う。


警察組織そのものが揺れ始めていた。


その頃。


田中刑事のスマホが鳴る。


「……田中だ」


数秒後。


田中の表情が変わった。


「何だと?」


周囲の刑事達が一斉に顔を向ける。


「横浜市内の大学病院前で」


「乳児が置き去りで保護された」


部屋の空気が止まる。


「年齢は?」


『一歳前後』


田中はすぐに立ち上がる。


「吉井に繋げ」


数秒後。


『……もしもし』


「由美を連れて大学病院へ来い」


「春人が見つかった可能性がある」


一方その頃。


アキラを乗せたパトカーは、人気の無い高架下へ入っていた。


急ブレーキ。


そこで別の黒い車へ乗り換えさせられる。


アキラの両手には、すでに手錠が掛けられていた。


「おい……」


「これ、本当に警察署に向かっているのか?」


運転席の男は答えない。


ただ前だけを見ている。


車はそのまま、海沿いの倉庫街へ向かった。


やがて。


人気の無い倉庫前で停車してアキラを強引におろす。


その時。


スマホが鳴った。


警察官は震える手で電話へ出る。


「言われた通り……!」


「真島アキラを連れてきた!」


男は怒鳴る。


「娘は!?」


「娘はどこだ!!?」


電話の向こうの声は聞こえない。


やがて通話が切れる。


警察官は数秒、その場で固まっていた。


そして。


アキラを見ようともせず、車へ戻る。


「おい!!」


「待て!!」


アキラが叫ぶ。


だが。


車はそのまま猛スピードで走り去った。


静寂。


海風だけが吹いている。


「……くそっ」


アキラが周囲を見回す。


その時だった。


背後から、足音。


アキラが振り向こうとした瞬間。


ゴッ!!


鈍い音。


強烈な一撃が後頭部へ叩き込まれる。


視界が揺れる。


崩れ落ちる寸前。


ぼやけた視界の中に、一人の男が立っていた。


アキラの身体を引きずるようにして、倉庫の奥へ消えていった。


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