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見破る男  作者: パンジ
10/22

爆発

事件発生から2日目の昼1時。


あれ以来、タケルからの電話はなかった。

警察も情報不足で何も動けないでいる。


伊藤家には、重苦しい静寂が漂っていた。


由美はソファで眠っていた。


いや。


眠っているというより、気絶に近かった。


目の下には濃い隈。


呼吸も浅い。


精神も体力も、限界だった。


その時。


バンッ!!


玄関が勢いよく開く。


白木刑事が駆け込んできた。


息を切らしている。


「今、連絡入りました!」


「山下公園に、不審なベビーカーが置いてあるとのこと!」


「形状から春人くんのベビーカーと同一のものと考えられます」


その瞬間。


田中が立ち上がる。


「……っ!」


椅子が激しく音を立てる。


「よし、すぐ向かえ!」


「所轄には絶対近づかせるな!!」



山下公園。


海沿いの遊歩道。


観光客も多い場所だった。


現場へ到着した刑事達は、すでに集まり始めていた野次馬を押し退けながら進む。


少し離れた場所で、所轄警官が青ざめた顔でベビーカーを指差していた。


「……あれです。中をのぞいたんですが、人形みたいなものが見えて」


ベビーカーは、公園の中央付近にぽつんと置かれていた。


山根刑事が唾を飲み込む。


「よし……とりあえず確保するぞ」


もし春人くんが中にいるなら、一秒でも早く――。


刑事が一歩踏み出した、その瞬間。


バンッ!!!


爆音。


ベビーカーが爆発して宙をまった。


火炎と黒煙が一気に噴き上がる。


「うわぁっ!!」


山根刑事は衝撃波で吹き飛ばされ地面へと倒れる。


周囲は一瞬で騒然となった。


山根刑事は警察官に抱えられながら、震える声を漏らす。


「……危なかった」


「もし中の人形をつかんでいたら……」



伊藤家。


無線から怒号が飛び交う。


田中は報告を聞きながら、机を強く叩いた。


「わかった……」


低い声。


「タケルのやつ、警察にも邪魔はさせないって事かよ……!」

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