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異世界転移したのに程々にしか強くねぇ。  作者: 魚ハンバーガー
序章
41/44

ヴェルドゥーに、お別れ

「じゃぁ、行きます。」


「おう、元気でな。」


長かったようで短かったヴェルドゥーでの十日間も、今日で終わりか。

そう思うと感慨深いな...本当に色々な事が有ったからな...


それに、ヴェルドゥーではルールリアンよりも沢山の人と知り合えたしな。


「...ゲントさん、またヴェルドゥーに来たら次も絶対に猫のごろ寝亭に泊まってニャ。絶対に。」


「えぐっ、あんたは悪いやつじゃニャいからニャ。次回も歓迎するわ。だから、また会おうニャ」


「あはは、ゲント君と一緒の時間は濃厚だったからね...いなくなると思うと、寂しくなるニャ。」


ローグさんの次にマリーさん、トゥーリさん、エリさんの猫獣人三人がお別れを言ってくれた。

ってか、トゥーリがデレてる!?

だが、こんな時だしな。

絶対いじらないぞ。


「あぁ、もちろんだ。その時は、トゥーリも今日みたいに優しくしてくれるかな?」


「にゃ、にゃ、にゃ、ニャに言ってんのよ?!ばっっっかじゃニャイの!?」


しまった、つい反射的に!


「まぁ、今回は特別に許してやるニャ。特別ニャよ!」


「あはは、もうこの絡みも見れないのか...って言っても、十日しか見てないんニャけどね。」


「...本当に寂しくなるニャね...」


「また会えるさ、俺もS級になったら色々落ち着くだろうし。」


次にお別れを言ってくれたのは、受付嬢のアイリさんだった。


「ゲントさん、初めて会った時は少し怖くて、苦手だったんですけど...あの朝のルーティーンがもう無いとなると、それはそれで寂しいです。次の街でも元気でいてください!」


「有難う御座います、アイリさん。また、お世話になるかもしれませんね。」


そして、


「また、うちの店に来てくださいね!」


錬金店のメイリさん。


「打算なしにあれほどの大金を喜捨してくれるあなたです。きっと、神も見守ってくださります。」


大神殿の神官さん。


「あー、アイツらも言ってたけど、次ヴェルドゥーに来る機会があったらまた泊まってくれ。そして俺の飯を食ってくれ!」


ヴァオさん。


「おう、ゲント。頑張れよ。オメェはS級になる逸材だ。別にうちの武器防具を使えと言わねぇ。自分にあった武器を使え、そして世界一になれ!」


そして、熱く語ってきてくれたルークさん。

って、あれ?

既視感。


「...あの、マイケルはどこですか?流石に十日で習えるもの全て習った訳じゃあ無いでしょうが...」


「ん?アイツ、言ってなかったのか?俺達はお前のためにここ数日、結構頑張ってたんだが...」


「え?いえ、多分言ってないと...と言うか、なんの話ですか...」


「おーい!!ゲントぉ!!」


と、話しているうちに本人が来た。


「今回も遅いなぁ。」


「悪い悪い、最後の仕上げって奴だ。」


「何のだ?」


「前回は剣を打った。生憎折れちまったが...まぁ、あれは素材からしてA級の魔物に耐えられるもんじゃなかったしな。だが、今回は違うぜ。俺とルークさんの力作だ!」


そう言って、ルークが背負っていた鞄から取り出したのは...


「うおおおおぉぉぉっっ!!なんだこれ!!」


「アースドラゴンの皮でベースを、腕と脚は鋼鉄とミスリルの合金で騎士の篭手とグリーブの様なものを作った!あと胸、背中、肩、太腿の外にもその合金でプロテクターを作った。それ以外のところも並大抵の攻撃じゃぁびくともしねぇけどな!!」


「すげぇぇぇ!!...頭部鎧は?」


「無いのがロマンだろ!」


「解ってんな!!」


クーーッ、カックイイ!!

ピカピカに光る合金とアースドラゴンの深い赤茶の装甲が上手い具合にマッチしてる。

しかも、必要な場所にしかプロテクターを付けてないから、動きを阻害しない筈!

前、マイケルに剣道具の事を話してた時の事を覚えてたんだ!


「...マイケル、有難うな。」


「おうよ!俺はいずれS級冒険者になる男を支える鍛冶士になるからな、今のうちから出来ることを全てやっとかねぇとな!」


「...あぁ!」


ガシッ!と握手する。


「...何時見たって若い奴らが友情を育む姿は良いもんだニャー。」


「おい、ヴァオ、おっさん臭いぞ。」


「俺たちはもう全員立派なおっさんだぜ、ローグ。」


何かおっさん三人衆が言ってるけど、今は無視だ無視。


「ゲント様。領主様からお言葉です。」


と、そこにルーカスさんから使者が来た。


「はい、何でしょうか?」


「一言、『達者でな!』とだけ。」


「...あの人らしいな!それじゃぁ、皆!言ってくるぜ!」


「おう、頑張れよゲント!」


「また何処かで出会えるのを待ってるぜ!」


「いつでもアタイに会いに来てー!」


「だから姐さんはゲントさんのいい人じゃな...へぶしっ!」


共にアースドラゴンに向かった冒険者達も含めた皆の声を背に、俺は乗り合い馬車に向かった。」


「...へい、らっしゃ...て、お前はこの前のうるせぇ奴!」


「あ、ツンデレのオッサンだ!」


なんと、偶然にも、俺とマイケルをヴェルドゥーにつれてきてくれた人だった。

誤字、脱字、その他諸々の難点をお教えください。


全て読み、善処します。


読んでくれて有難うございます。

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