B級昇格試験――緊急事態、再度
明日も投稿します。
その時、二日おき二連方式にしようか決めます。
「メイリさーん、お邪魔してまーす」
「あ、ゲントさん!いらしゃいませー!」
地獄の朝飯の二日後、晩飯前に俺はまた錬金店に来ていた。
「今日の御用は?」
「ポーション補給です」
「ま、そうよね。冒険者だもの。大丈夫でしたか?」
ま、ポーション使い切ったらそうなるよな。
「大丈夫ですよ、筋肉痛とかに使ってるので」
「一本銀貨十枚だよ!?」
「む、肉離れはもはや怪我と同じでは?」
因みに、銀貨十枚で一万円くらいだ。
高いっちゃ高いけど、肉離れが一瞬で治るなら安いもんさ。
最近は依頼の報酬も高まってるし、一日一瓶でも無問題だ。
...三日連続で肉離れは別の意味で問題有りかもしれないが。
だが、その甲斐有って――
「旅のお供に、買っていこうと思って。」
「え、ゲントさん別の街に移るの?」
「はい。明日B級への昇格クエストを受けるので、もうこの街とはお別れですね」
「えぇ!?ゲントさん、四日前まではC級でしたよね!?」
「そうですねー。因みに、この街に来てから、今日で八日目です」
「うっわ、本当に規格外なんですねゲントさんって!」
「照れるな〜。こんな可愛い子に凄いなんて言われたら」
「可愛っ!?」
メイリさんをちょっとからかいながら、下級回復ポーションをまた三本買って、帰った。
因みに、店主のお婆ちゃんは生暖かい目で見てた。
ー✦次の日、神殿にて✧ー
「あぁ、また来ましたか。どうぞ、ごゆっくり」
「有難う御座います。」
今日は、昇級クエストを受けたら、その後は依頼を受けないつもりだから...って言うかB級のクエストが今は無いから、時間に余裕がある。
なので、ちょっくら合格祈願でもしようかと来たのだ。
「神様、どうか...C級の時みたいな事は、まぁ、有っても良いかもですけど、とにかく無事昇級できるように。」
そして喜捨して、一応聖水一本貰って、俺は冒険者ギルドへ向かった。
(え、待って、え、本当に!?って、ああ、もう南下を始めちゃってる!【願う】はシャレにならないんだから!うぅ、が、頑張ってー!)
ー✦冒険者ギルドにて✧ー
「C級昇格クエストください!」
「はい、もう用意して有りますよ。はい、これです。」
そして、アイリさんに渡されたクエストを見ていたら――
ポンッ
「あ、ローグさん。今回も審査員として――」
「ワリィな、小僧。昇格クエストは無理かもしれねぇ」
「は?それってどう言う...」
問いただす間もなく、額に汗を浮かべたローグさんは――
「野郎ども、緊急事態だ!バルべディッシュから地竜が南下してきた!」
急に場が騒がしくなった。
「おい、ローグさん!本当か!?」
「や、やべぇ、どうする!?俺D級だぞ!?」
「お、落ち着け!ランクは何ですか!?B級の弱い竜ですよね!」
必死になってローグさんに詰め寄るが、現実は残酷だ。
「...Aランクの、それも上位の、グレーターアースドラゴンだ。」
「そ、そんな!」
「あ、あの!良いですか?...元A級のローグさんもいますし、他に高ランクの冒険者がいれば大丈夫じゃないでしょうか」
と、ここで慌てすぎだと思って声を出したが、
「...俺はもう現役の半分も強くねぇよ。それに、この冒険者ギルドで一番強い現役冒険者はお前だ、ゲント。」
「ッ!!」
他ならぬローグさんに叩き伏せられた。
「周囲に自分の冒険者ランクと同じランクの魔物がいなけりゃ、殆どの冒険者はもっと強い魔物がいる街に行くだろうが。魔物は一つランクが上がる度に平均十倍強くなるからな。A級の魔物に対抗するのなら単純計算でC級冒険者百人は必要だぜ。ましてやアースドラゴンはA級でも上位の実力を持つ。...あいつらの気持ちも分かってやれ。」
「っ...はい。」
なるほど、これは確かに一大事だ。
唯でさえ伝説の領域に入らない、ただの魔物としては最強のA級なのに、ここには禄に戦力も無いからな。
大体C級冒険者が俺も入れて二十人、D級が三十人だからな。
だが――
「...ローグさん、俺、やってみます」
「...あん?」
この街に来てすぐはその睨みでビビってたけど...もう俺は慄かない。
「俺、戦います!」
「馬鹿言うんじゃねぇ!これはお前だけの問題じゃねぇんだぞ!A級は下手すりゃ街が滅びる相手なんだ!オメェだけに任せるわけ無いだろぉがぁ!!」
「んなこた知ってます!!知ってる上でやってやるって言ってるんです!!」
いくら怒鳴られても、俺は引かない!!
「死んででもやります!!刺し違って見せます!!もしもそれが無理でも脚の何本か切断してみせます!!そしたら後は任せます!!」
「ウルセェ!!させるかよ!!お前はこんなところで死ぬ男じゃねぇ!!刺し違うのなら、俺が――」
「ここが、俺の冒険のしどころなんです!!!」
しん、とギルド内が静まり返る。
はは、さっきの怒鳴りと言い、まるで初めてこの街に来た時の再現みたいだぜ
...ただ、その静粛を破ったのは笑い声なんかじゃなかったが。
「...絶対死ぬなよ。死んだら承知しねぇ。」
「...大丈夫ですよ、死ぬ気なんて全くないです。」
誤字、脱字、その他諸々の難点をお教えください。
全て読み、善処します。
読んでくれて有難うございます。




