宿の食事で、再度
昨日投稿出来なかった分、気持ち増量です
「...はい、銀貨七枚、しっかり受け取りました。有難うね。」
「いえ。ところで、もう晩飯は食べれるでしょうか?」
ルークさんのところでかなり時間を食ったので、ここに付いた頃にはもう空は暗み始めていた。
さっきの部屋で、窓から外を見たところそれから更に時間が経っているだろう。
流石にこの時間帯でもう一依頼とは行かないので、今日はもうさっさと食べて、さっさと寝て、明日朝一番に依頼を受けるのが正解だろう。
「...ちょっと聞いてくる。」
「あ、お願いします」
いやー、マリーさんクールだな。
二年しか歳違わないのにもうメッチャ大人の女感出してるもん。
受付台に背中を預けながらそう思ってると...
「お、お前がさっき鼻血出しながら気絶した奴か!凄かったぞ!」
「ん?なんだ、このチビ」
身長は、俺の鎖骨にも届いてない。
胸も...はっきり言って絶壁だ。
そんな猫耳少女が上から目線でそう言ってくるから、ついテンプレを忘れて素直な反応をしてしまったが...
「ああ?お前、ニャン歳だ?」
「え?十八ですが...」
「私、二十二よ!!」
「ええっ!?」
こ、こんなところにもテンプレが潜んでいたなんて...
まさかの、ロリ詐欺だったとは!
「こ、これはすいません!」
だが、俺はここで「嘘を言うな!お前みたいなチビ助が!」とか言うやつではない。
そんな事しても得られるものは無いのだから。
それに、年上は尊敬しなくては。
「ふん、わかったのなら良いニャ!敬え、敬え!」
たとえ相手が典型的なロリ詐欺らしく、クソ生意気だったとしても...だ!
「あ、君さっきの子ニャ?良かったー、無事で。」
と、ここでもう一人猫娘が!
ふむふむ...中乳で、快活そうな元気っ子と見た!
尚、こういった知識を俺は異世界ラノベで手に入れた。
「あ、はい、なんとか。有難うございます!」
「おー、すっかり元気も元通りみたいニャンね!さっきはあんなに盛大に気絶していたのに」
「はっはっは、いえいえ」
心中は荒れまくっていますがね!
「あ、私の名前はエリだよ。宜しくニョンね〜」
「って、忘れてた!私の名前はトゥーリよ!」
「お二人とも、宜しくお願いします」
「...あ、もう二人と会ってたんだ。っていうか打ち解けてる?それはともかく「まだちょっと早いけど、良いよ」とのことよ」
「わ、マリーさん、それは助かります。どこでも座っていいですか?」
この宿屋も一階が受付兼食堂のようなもので、二階が部屋だ。
今はまだ晩飯にはちょっと早い...七時前だ。
でも、商売だからかもう準備自体は出来ているっぽい。
そして出されたのは...まさかの骨付き肉だった。
しかも鶏のような小さな可愛らしい肉じゃなくて、人間のもも肉よりもデカイ肉塊だ。
そんな漫画の様な巨大骨付き肉の横に、チョコンと置かれた温野菜サラダと黒パン。
...それも、少食の人ならサラダと黒パンだけでも十分かもしれないって量だが。
「...これは、何の肉ですか?」
だが、流石にこれほどの大きさは初めてだとしても、俺とて冒険者。
そしてこの世界では食べる物の何割かは魔力に変換されるので、さらにそれでなくても戦中は物凄く動く冒険者は基本大食漢なので、そんな彼らが食べる冒険者食は大盛りが常だ。
だから強い驚きと若干の感動を覚えつつも、俺は無難な事から質問できた。
「...今日、冒険者ギルドのギルドマスターから「これを狩った奴がここに泊まるし」ということでジャイアントイエローアルマジロを安く売ってくれたから、それの一番美味しい上腕の部分をヴァオさん...うちの宿主兼料理人の人が丸焼きにしたニョ。他の人のための料理はまだ作ってる途中だけど、あなたのだけは出来てたんだって。」
近くにいたマリーさんが答えてくれた。
そう聞いて、俺がまず思ったのは...「あの爺さん職権乱用しすぎだろ」と言う思いだった。
だが、すぐに思い直した。
どうやら俺はその街に来て初めて狩った魔物を食べる宿命らしいな、と。
その割には、まずさっきの思いが浮かんだって言う事は、俺もだいぶこの世界に染まってきたらしい。
パァンッッ!
「...ッ!?」
「頂きますっ!!...あとマリーさん、ごめんなさい」
「...?......??」
気合を入れて、俺は上腕から伸びた骨を掴み、齧りついた。
口いっぱい頬張り付いても骨にも当たらない事にびっくりして、そして溢れ出る肉汁と旨味、更に肉の食感に二度びっくりした。
「ウマイッ!」
フォークで温野菜(キャベツ中心)を刺し、こっちも口に放り込む。
肉の方は粗塩と香草のシンプルだけどウマイ味だったが、こっちの温野菜はちょっと甘く作ってある。
それに促されまた一口肉を喰い、フォークを置いてパンも取る。
これはただのパンだが、ややしつこい肉の油をうまく口から吸い取ってくれ、口がさっぱりする。
そして水を一口煽り、以上のループを続ける。
最後に皿に残った油までもパンで吸い取り、全て食い終わった頃には七時半に近づいており客もぼちぼち居た。
「ご馳走様でした!」
「お疲れさん、凄い勢いだったね。しかも、完食とか!流石冒険者の人は違いニャすね〜!」
「いえいえ、エリさん。俺が狩った魔物ですから、しっかり全部食わないと申し訳ないので...」
「へ〜、やっぱり。凄いね、君私より年下でしょ?私二十一だけど。」
「はい。十八です」
「おー!思ったより若い!低くても十九歳くらいかと思ってたんだけど。」
「...あの、エリ先輩?それよりも、先に言うことがあるんじゃ...」
「え?」
お?
なんか、変なところあっただろうか?
「...いや、あの...井戸は宿の裏にあるので...顔を洗ったらどうかな、と...」
口の中と皿に残った油はパンで拭い切れていても、顔は油だらけのままだったらしい。
誤字、脱字、その他諸々の難点をお教えください。
全て読み、善処します。
読んでくれて有難うございます。




