凱旋
...ギリギリ今日の内に投稿出来たかな?ギリアウトかな?投稿って押してから少ししてから実際に掲載されるからな...
戦闘中に放り投げた鞘を拾い、剣を納める。
そして後ろに控えていたマイケルに振り返る。
「有難うな、マイケル。助かった。」
「へっ、どうってことねぇよ。」
「そう言ってくれると、助かる。」
そして再度前を向き、二体のアサルトボアを見る。
鞘を腰に挿し、二体に向けて手を合わせ瞑目する。
「なんだ、それ?儀式みたいな物か?」
「ああ、まぁそうだな。死者を弔う物だ。」
「へぇ。魔物に対してか?」
「まだ殺傷に慣れてなくてな、毎回感傷に浸るんだよ。それに、今回は特に疲れたからな。」
「肉体的に?」
「心に決まってんだろバーカ。」
二頭のアサルトボアをアイテムバッグに収納したあと(パンパンになった)無事ダン教官とジェリクさんと合流できて、街へと歩いた。
「そろそろアサルトボアを出した方が良いかもしれんな。」
「え?あんなデカイものを出してどうするんですか?」
「担ぐ」
「はぁぁ?!」
ダン教官の突然の世迷い言。
「...かち上げられた時に頭でも打ちましたか?」
「いやいや、アサルトボアの死体を持って街に入った方が街の人々も安心出来るだろ。」
ああ、なるほど。
ひと目見ただけで危機が去った事が分かるもんな。
とは言え...
「怪我人が何言ってんですか」
「ム、流石に一人で担ぐつもりは無いぞ。」
「なんで担ぐ事前提何ですか!?教官は少なくとも肋骨何本かはイッちゃってるんですよ!」
「ダン、流石にこれに関してはゲントが正しいぞ。」
なんやかんやで、ジェリクさんとマイケルが一匹、俺が一人で一匹担ぐ事になった。
「お、重...なんで剣運んできただけなのに俺こんな目に...」
「う、うるせぇ...俺なんか一人で担いでんだぞ...」
アサルトボアは見かけ通り、象並みに重かった。
いや、象持ち上げた事無いんだけどさ...
ってか俺、相当強化されてね?
ー✦ルールリアンの街にて✧ー
「お、おい、あれ何だ!?」
「俺聞いたぞ!冒険者ギルドで緊急クエストが発行されたって...」
「じゃあ、あの怪物二匹が?!ぼ、冒険者ハンパねぇ...」
街に入った途端は、それこそ奇異の視線に見れれていた。
街へはダン教官の顔パスでは入れた。
だが、事態が浸透していく内に...
「おう、兄ちゃん達流石だな!」
「有難う!俺達の街を守ってくれて!」
「我が街の英雄達!」
さながら凱旋パレードである。
流石に気恥ずかしい...
「へへっ、照れるな。」
「おい待てマイケル、お前は少なくとも戦ってはないだろう。」
賑やかな中央通りを歩いている内に、先頭のダン教官が急に立ち止まった。
何だと思いながら前を見ると、スラッとした初老の男性が。
こ、このタイミングで出て来る初老の男なんて街長か領主、もしくは――
「これは、ギルドマスター!」
「やっぱり!」
おお、この人が俺の人生初ギルドマスターか!
灰色の短髪で口ひげはないダンディーだ!
ギルドマスターは高ランク冒険者が殆どらしい。
となるとこの人はあまり筋肉質じゃないし、魔術師かな?
ってかスラッってしてるとおもったら、この人耳が長い!
エルフだ!
「やあどうも、ご苦労ダン君。無事...とは言い難そうだが、元気そうで何よりだ。」
「はっ、デヴィンさん!アサルトボア二頭討伐、完了しました!」
「あー、やっぱり二頭出たか...それは申し訳ない事をしたね...うん?」
とそこでギルドマスター...デヴィンさんと目が合った。
「君が噂のゲント君かな?どうやらとんでもない速さでランクを上げているそうじゃないか。査定が甘かったかな?」
「め、滅相もございません!あと、出来たら査定の加減はこのままでお願いします!出来るだけ早くランクアップしたいもので!」
「ハハハ、そう気を張らなくても良いよ。でも噂通り少し生き急いでいる節がありそうだね。」
どうやら結構フランクな方なようだ。
「中々合う機会がなくてね、こんな時になってしまった。遅れて自己紹介だけど、僕はデヴィン・ラゴリアと言う。僭越ながら、この街の冒険者ギルドのマスターを努めているよ。」
「自分はゲントと言います!あの、もしかしてデヴィンさんは貴族だったり...」
「いや違うぞゲント。Sランクの冒険者は国王から名字が贈られるんだ。」
「Sランク!」
ジェリクさんからの急な報告に、思わず目を見開く。
Sランクと言うと、本格的にこの国の最強戦力だ。
確かに冒険者ギルドマスターは元高ランクの冒険者が多いが、それでもAランクが殆どのはずだ。
そもそも、魔物のランクはその魔物が一般人何人相当かで決まる。
Fランクなら一人、Eランクなら十人、と十倍ごとに上がっていく。
そして、Sランクは具体的な人数では無いが...国一つ相当と言われている。
そして、その格付は冒険者も然り。
「ハハハ、Sランクとは言えど、個人的な強さはAランクが関の山だよ。」
「え?どういう...」
「僕のパーティーランクがSランクだったからね。それだって、地道に長い間功績を積み上げてきてのことだし。」
へぇ...そう言うランクアップの方法もあるにはあるか。
まぁ、俺は早々ランクアップして史上最速Sランクになって異世界を満喫しなくちゃならないがな...ん?
ジェリクさんがどこか冷めた目で俺の肩を指でつついて、俺の注意を引いた。
「...彼の言う『長い間』は百年だぞ。」
「...は?」
「彼は伝説のSランクパーティー『ラゴリアの樹』の元魔道士、『樹王』デヴィンだ。『ラゴリアの樹』はエルフのみで構成されたパーティーで、史上最長の活動期間を誇っている。その間に成した功績も凄いものばかりだぞ?対単体の力でも殲滅力でも彼らを上回るパーティーはたまに出るが両方に通じて、かつ最も安定して功績を打ち上げたパーティーは間違いなく『ラゴリアの樹』だ。」
その話を聞くなり、俺は震えた。
と言うか、話の途中から震えてた。
って言うか...
「二つ名カックイイ!!」
「立ち話も何だしギルドに入ろっか。」




