闘技、発動
俺は冒険者ギルドの酒場で目が覚めた。
上半身裸で、男冒険者たちの山の中で、折り重なるように寝ていたようだ。
うげ、クセー、これ誰の足だ!?
ってか、俺の左手どこ...?
急いでシャツを探し出し、宿屋に戻り、女将さんにひとしきり怒られてから、朝御飯を食べた。
すぐにでもクエストに出たいが、まずは鍛冶屋に報告しに行こう。
ー✦鍛冶屋にて✧ー
へー、ここルドク工房って言うんだ、といまさらながら看板を見ながら店に入り、親父さんとマイケルに報告すると...
「そいつあ本当か、ゲント!!?おめぇ、まじで神童なのか?!」
「まじかよ!?え、歴代何位?十九位??す、凄まじぇ...」
「買いかぶるなよ、そこまですごいことじゃないだろ。」
「...確か冒険者ギルドって、三百年間運営している組織だぞ?それでトップ二十だぞ。マイケルに唾つけとけって言っといて正解だったぜ...」
「だな、親父。」
「さ、さいですか...」
でもなーんか地球の知識で、異世界転移者としては微妙だな〜と感じちまうんだよな...
「ってか、俺の武器の進行具合はどうだ?」
「おっと、俺は邪魔だな。おっさんは奥で別の剣を鍛えてるぜ。」
「あいよ、親父。で、お前の剣だがな...まだ時間かかるぜ。今鍛えてる途中で寝かせてるからな...これを、後何回かしないと魔力が馴染まねぇし...」
地球からの鍛冶の知識は余りないが、異世界では武器は鍛えてから寝かす、鍛えてから寝かすを繰り返さないと魔力の通りがよくならないらしい。
そして魔力の通りがあまりよくないと、闘技の出も悪くなるらしい。
俺はまだ使えないけど、ある程度の冒険者になると武器の魔力の通りやすさは死活問題なのだとか...
この街にはそういう人、あまりいないらしいが。
「またくるぜ」
「おう、いつでも来い!」
ー✦冒険者ギルドにて✧ー
「狩猟クエストください!」
「極端な話、昇格してすぐ新しいランクの狩猟クエストを受けるのは極めて危険ですが、それが無いとしてもあらかじめクエストボードから自分が欲しいクエストを持ってくればいいでしょう。本来、その冒険者が持ってきたクエストがその冒険者に合っているのかどうかを見極めるのが受付嬢の仕事で、依頼を見積もるのははっきり言って仕事外です。」
「う、ケーラさんが冷たい...」
「当たり前です。一晩中ギルドの酒場で暴れ散らしたのは誰ですか?」
「うぅ、返す言葉もない...」
昨日は、かなりカオスだったからな...
くっそー、こういう時こそ発動するべきだろ、ご都合主義!
昨日の出来事を全部忘れさせろよ!
「...はぁ。まぁ、ゲントさんに悪気が無いことくらい理解していますよ。そうですね、ゲントさんが簡単にできそうな狩猟クエストと言ったら...南の山にグリーンラットの群れが出たらしいから、その狩猟なんて...」
「いってきま~す!」
「あ、ちょっと、少なくとも確認ぐらいはしなさいよ!...はぁ...手配しておくわ。」
ー✦✧ー
そうして、順調にクエストを消化していって五日目。
「狩猟クエストください!」
「...はいはい。そうねぇ、今ある中で一番いいのは...そうだ、ブルーフロッグの狩猟なんてどうでしょ
「受けます!」
「...相変わらずね。でも、カエルと侮らないで。こいつら、全長一メートルくらいだから。あと、水魔法も使うし」
「うえ、デカイですね...何匹の狩猟ですか?」
「ゲントさん、動揺してないでしょ。三匹よ。」
「いってきま~す」
ー✦ルールリアン河にて✧ー
E級【ビッグブルーフロッグ】×三
囲まれた。
油断大敵とはこの事だ。
いないっぽいから、ちょーっとだけ川に足入れてで涼んでいたら、一匹に背後を取られ、もう二匹は川の中からこっちを警戒している。
でも、言い換えればチャンスかもしれない。
ご都合主義は、こういうときは使えるんだよな。
こいつら三匹をさっさと倒して、街に戻って休みたい。
いや、歴代十九位以上の順位を得るためには、一日何個ものクエストを達成しなくちゃならない。
いっそ、この後もう一クエ行っちゃおうか?
と、そういう風に現実に目を向けていなかったからだろう。
三方位から同時に水弾が放たれた。
野球ボール程の速さで、結構凝縮された水が放たれる。
これ、当たりどころが悪ければ骨折し兼ねないぞ...
だが何より嫌なのは、この水弾が口から放たれたことだ。
魔物の中で一番頭が悪いのは、魔蟲と分類される...所謂虫だな。
この場合魔樹(植物の魔物)や魔茸(キノコの魔物)、魔貝(貝の魔物)などは含まないとする。
そしてその次辺りに魔魚がいて、最後にカエル等を含む魔両生がいる。
そして、魔物は基本的に馬鹿であればあるほど、口から魔法を出す傾向にある。
唯一と言っていい例外は竜種であり、竜だけは例え人間に匹敵、場合によっては人間を超える知性を持っていてもブレス攻撃を口から出す。
それはともかく、カエルの口から出た攻撃なんて気持ち的に受けたくない。
この時、俺の体は感覚的に体内に蠢く魔力を感じ取った。
そして、俺は剣を振るいながら、その感じ取った魔力を。
放った。
ザンッ
剣を二振りしたのに応じて二貫の剣筋が俺の剣から離れ、川に隠れていたカエル達が放った水弾を両断した。
さらにそれで留まらず、魔力を維持できなくなって破裂する水弾を後に、カエル達を捉えた。
二体は顔をザックリ斬られ、川に浮かび上がった。
俺はと言うと―
ビチャン
...最後の一匹の水弾に当たり、のけぞっていた。
今日はちょっと投稿が遅れました...すいません...
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誤字、脱字、その他諸々の難点をお教えください。
全て読み、善処します。
読んでくれて有難うございます。




