昇級まで
最後に、武器に関する細かい話も詰めて、俺はマイケルの所を出た。
「本当に代金はいいのか?」
「良いって、良いって。お客さんのために打つ、最初の剣だからな。それに、ゲントは将来有望だからな。今のうちに唾つけとけって、師匠が。」
「そっか。じゃあ、一ヶ月後、また来るよ。」
「一ヶ月と言わずに、できる前にも何回でも来なよ。何か他にもリクエストがあったら気軽に来いよ?」
「お言葉に甘えるとするよ。じゃあな」
「おう、またな!」
いや〜、一ヶ月後が楽しみだな。
剣が出来るまでは、この鉄剣でなんとかするか。
業物じゃないけど、これもしっかりしてるしな。
...って、俺もう今日やること全部やっちまった。
まだ午前中なのに。
どうしよう。
...
......
.........。
冒険者ギルドに行こう。
「あ、ゲントさん。昨日ぶりですね。」
「あ、どうも、ケーラさん。今日も何か手頃な依頼ありますか?」
「手頃なF級のクエストね...って、ゲントさん、敬語に戻ってますよ。」
「ああ、それですね...色々考えて、冒険者風って言うか荒い言葉遣いは他の冒険者相手や親しい相手にだけ使うってことで良いんじゃないかな、って。」
「も〜。私は前の喋り方もまぁまぁ良かったと思ったわよ?まぁ、ゲントさんのキャラにはあっていませんでしたが。」
「そうですか。で、クエストの都度は...」
「ああ、そうね。じゃあ、ヒッシングスネーク三匹の狩猟で銀貨一枚半だけど、どうする?」
「一枚半ですか...まぁ、お金には困ってないんで、受けます。」
「じゃぁ、発行しておくね。行ってらっしゃ〜い」
「行ってきま〜す」
それからの日々は、なかなかに充実した日々を送った。
一日一クエの要領で、F級のクエストを受けまくったからだ。
そのおかげもあって、なんと俺は歴史上...十九位の最速ランクアップが期待されているんだ。
尚十九位という微妙な数字は、過去何人かの勇者が、冒険者の道を通って修行したからだそうだ。
あと、伝説と名高い冒険者たちの何人かも、俺よりも早かったそうだ。
...勇者、か。
そいつは勝てねぇ。
まぁ、それでも二十位以内なだけで凄いそうだが。
でも、冒険者以外にも、騎士などにも規格外な存在は多くいたそうだし...と言うか、現在の騎士団長がそうらしい。
うーん、なんかなぁ...
それはともかく、俺はクエストを消化していった。
冒険者ギルドでは、その冒険者がそのランクの討伐や狩猟等のいわゆる「魔物を倒す」系のクエストを十個達成すると、審査としてその冒険者の一個上のランクのクエストが発注できる。
この、所謂「昇級クエスト」には、ギルドの審査官もついていく。
審査官は元冒険者で、戦況が危うかったら加勢してくれる。
尚、当然その場合はクエストは失敗となるが。
一人で任務達成しても、やはり危なかったら失敗になる可能性もある。
まぁ、失敗になってもまた魔物を倒す系のクエストを十回達成すれば良いんだけどな。
そして、今日十個目のクエストを達成した。
「いやー、ゲントさんはもう昇級クエストですか。すごいですね。自分なんかは、まだ戦闘系クエストは3つしか達成していませんよ。」
彼は、俺が冒険者になったときの演習を一緒に受けた、あの半オーガさんだ。
彼も無事合格したが如何せんまだ経験不足で俺のような特急昇格はなく、【見習い両手斧士】だそうだ。
でも体格にもセンスにも恵まれているということで、将来は少なくとも中堅は硬いそうだ。
あと、律儀で良い奴だ。
尚、この世界にはゴブリンやオーク、勿論オーガも存在するが、彼らは魔物としてではなく人として見られている。
広く分けて人間に近いエルフやドワーフ等の類人種。
動物と人間を掛け合わせたような姿の犬人族や猫人族と言った獣人種。
そして魔石を持ち、割りと最近まではモンスターとして分類されていた、ゴブリンやオークやオーガなどを含む亜人種。
尚、魔石とはすべての魔物が持っている魔力の吸収装置であり、貯蔵庫である。
これを使い魔物達は力を向上させたり、魔法のようなものを使ったりするそうだ。
F級程度の魔物だと弱い筋力向上くらいしかできないそうだが。
獣人種も亜人種ほどではないが迫害されてたそうだが、総じて五年ほど前に『蟲王』なる蟻の獣人が迫害をなくしたそうだ。
立派な人だな。
可能なら一度会ってみたい。
ふぅ、凄まじく脱線した。
それよりも。
「いえいえ、ただ俺がおかしいだけですって。それよりも、セガグさんも早く昇級してくださいよ」
「おいおい無茶言うなよ。と言うよりも、早まるなよ。まだ受かってないだろ?」
「おっとそうだった、」コツンッ♪
はい、浮かれています。
頭なんか小突いちゃって...
「じゃあ、自分は行くな」
「ああ、また会いましょう。」
さてと、受付嬢さんやーい。
「あら、ゲントさん。...どうせゲントさんのことですし、昇級クエストが欲しんでしょうね。まぁ、ゲントさんなら大丈夫だと思いますが、生き急がないでくださいね。」
「お安い御用です、さ、さ、どんなクエストですか?」
「もう、大丈夫かしらこの子...はい、これですよ。出発する準備ができたら言ってk
「行きます!」
「...少なくとも依頼書を読んでからにしてよ。はぁ。ジェリクさん呼んでくるわ。」
その間に依頼書読んどこっと。
【E級 昇級クエスト イエロードレイク 一体の討伐】
誤字、脱字、その他諸々の難点をお教えください。
全て読み、善処します。
読んでくれて有難うございます。




