セリアとアリア
セリア視点です。
私はどうすりゃいい訳…?
「ごめんねぇぇぇ、セリアぁ」
私にしがみついて大号泣しているのは私と全く同じ顔を持つ女の子。なんで、昨日会ったばかりの女の子にこんなに泣きつかれているのかというと、それは私の出生に関係があるらしい。
「私が、わたしが、この世界に来ちゃったから、セリアは、アリアだったのに…わたしの、せいっでっ」
この子の話を総括すると、私とこのアリアという公爵令嬢は双子らしい。
この国では双子は忌み嫌われる。それは、滅多に生まれないということも勿論だけど、かつてこの国を窮地に追い込んだ悪女が双子だったとかそんな理由らしい。
そんな国で公爵家に双子が生まれるなんてあってはならない。そこで、私は生まれてすぐこのアルバート辺境騎士団に預けられたらしい。
よくありそうな話だ。
問題はここから。
私達が双子になってしまったのは、アリアがこの世界に生まれ変わってしまったからだとアリアは思っているらしい。意味がわからん。
「とりあえず泣き止んで。私は別に怒っても悲しんでもないから」
私の言葉にアリアはポカンとした顔をする。
「今の話だと私は生まれてすぐに殺されててもおかしくない。それが一番安全策だろうし。生きてるだけでありがたいよ」
大体、辺境騎士団は捨て子の集まりだ。この国の片隅に位置する、それ故に他国からの侵略も、野盗がやってくる事も多いこのアルバート領では騎士団は常に人手不足だ。そのため、捨て子を拾っては騎士として育て上げている。だから捨てられたなんて珍しくもなんともないし、悲しくもない。
「セリアは…強いのね」
アリアは驚きでようやく涙を引っ込めてくれた。
生まれた時から騎士団というよりは傭兵集団に近いこのアルバート辺境騎士団で過ごして来たのだ。強くもなる。
「ねえ、ちょっと気になってたんだけど私とアリアってどっちが姉なの?」
話を逸らそうとしたのが半分、本当に気になってたのが半分だ。
「私よ。妹の方を預かったってアルバート伯爵が言ってたもの」
「アルバート伯爵が?なんで?」
「私達が双子かどうかアルバート伯爵に聞いたの。お父様達には聞きにくいし、聞いたら悲しませてしまうから」
「優しいねえ、お姉さまは」
もしかしたら自分が捨てられていた方かもしれないのに、お人好しだなあと思った。
「おねえ…さま?」
アリアは私の言葉に固まっていた。
「貴族の人はそう呼ぶんじゃないの?」
父親がお父様なら姉はお姉様だろう。
「それ!すごくいい!」
アリアは目を輝かせてそう言った。
「そうよね、私はセリアのお姉様なのよね!お姉様かあ…」
ルンルンで呟くアリアは若干怖い。
それからお姉さまは毎日のごとく騎士団に来た。バレたらどうすんのと言った次の日には黒髪のカツラと眼鏡をつけてやってきた。アルバート伯爵にもらったらしい。ノリノリじゃねーかあのひきこもり。
お姉さまと一緒にいるとちょいちょいトラブルに巻き込まれるんだけど、今回の作戦もその内のひとつだと思う。
面倒くさいけどしょうがないよね。
お姉さまと私は姉妹なんだから。
両親と兄はこっそりセリアの様子を見に行ってました。
アリアとセリアが仲良くなったことも何となく気づいてます。
そのへんはおいおい書けたらいいなあと思ってます。




