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閑話②王都の路地裏での出来事


セリアはその一月、とてつもなく暇だった。


アリアの留学について行こうかと思っていたのだが、『何かあったらリオン様を守って』とアリアに頼まれ、渋々王都に残ったのだ。

しかし、できることといえばせいぜい使用人に紛れてリオンの様子を伺うことくらい。ムカつくことにリオンは四六時中ソフィーと一緒にいて、死ぬほど退屈そうな日々を送っていた。


今日は休日でリオンは一日中城で執務をしているらしく(ソフィーにそう言っていた)、流石に王城の中には入れないセリアは、暇つぶしに城下町を散策していた。


セリアの少し先をあるく少女の後ろ姿に見覚えがある。


(あの子、どこかで…)


そっと後ろをついて行くと、どんどん人気のない通りに入っていく。


細い路地に入った少女を建物越しに見ていると、路地から出てきた男達に囲まれている。


(こんなところに1人で来るから…)


セリアが出て行こうか迷っていると、少女はフードを取る。溢れ出た金髪、そしてその横顔で確信する。


(ソフィー!)


ソフィーは柄の悪そうな男たちに囲まれているにも関わらず、落ち着いた様子で男たちを見遣る。


すると2人の男がその場に倒れ伏した。もう1人の男は何事もなかったかのようにその場から立ち去る。


(なに、今の…)


その場からソフィーが動かないので、セリアもそのまま見守っていると、その場を離れた男が戻ってきた。


ソフィーの手になにかの袋を渡している。男の様子はどこかぼんやりしているようにも見える。


ソフィーが袋を受け取りこちらに戻ってきたので、慌てて屋根の上に飛び乗る。ソフィーはセリアに気づいた様子はなく元きた道を戻っていった。


セリアは男たちに近づく。ソフィーに何か渡していた男も気絶していた。男たちの様子をよく見ようと屈み込むと、微かに甘い香りがした。


「この香り、どこかで…」


思い出そうとしていると、後ろに気配を感じ、振り向く。


その場に立っていたのは予想外の人物だった。


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