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王子ルート突入?!

「それにしても、マーガレット様はどこでアーベルト様とお会いになったのかしら?」


シェーラ様がトントンと鉛筆でスケッチブックを叩きながら言う。


「さあ?そもそも、私アーベルト様のこと始めて見ましたわ。あんな可愛らしい方がいらっしゃったら目立つはずですけど。」


リリィ様も首を傾げる。


「二人の出会いはあとでマーガレット様にじっくり聞きましょう。」


私もすっごく気になるし。


「アリア様、ノリノリですね」


クスクスとシェーラ様が笑う。


「だって、今まで皆さんからそういったお話を聞いたことなかったんですもの。」


「いつもはアリア様から、ステキなお話を聞くだけですものね。…噂をすれば、殿下ですよ」


リリィ様の言葉に振り返ると、先程まで私達がいた丘の上にリオン様がいらっしゃる。


リオン様、と呼ぼうとしたすんでの所で言葉を飲み込む。


楽しげに微笑むリオン様の横にはソフィー様がいたのだ…!


ようやく…ようやくですか!リオン様!まだまだ笑顔が硬いですが、二人で写生をするくらいの仲にはなったのですね!


「あら、ソフィー様だわ」


シェーラ様が眉を顰める。


「この間みたいに突っかかっちゃダメですよ」


リリィ様が苦笑しながら言う。


「しないわよ。あの時は私おかしかったんですわ。何があったのかほとんど覚えてないもの」


シェーラ様が苦々しく言う。彼女にとっては黒歴史のようだ。


「それにしても、殿下がソフィー様に付き合っていらっしゃるのは珍しいですわね。いつも適当にあしらってらっしゃるのに」


リリィ様が小首を傾げる。


私は心の中で驚愕した。周りからはそんな風に見えていたなんて…!


「リオン様は素直になれないだけなんですわ。本当は優しくて面倒見の良い方なんですよ。」


慌ててフォローする。


「ふふ、やっぱりアリア様は殿下が大好きなんですね」


「もちろんですわ。」


リオン様はそれこそこの世界に生まれる前から大好きな人。それだけじゃなくて、出会ってからは家族みたいに育ってきた。そう思うと、これからはリオン様の隣に立つのは私じゃないという事実が少し寂しくなる。


「…アリア様?」


シェーラ様の声に我にかえる。


「すみません、少しぼんやりしてしまいましたわ。」


そう言いながら再びリオン様の方を見ると、リオン様と目が合った。しかし、リオン様はパッとそっぽを向いてしまう。


…珍しいですわね。


これはアレかしら?デート姿を姉に見られた弟的な?


突然不可思議な行動をしたリオン様の顔をソフィー様が覗き込んで何か言っている。ソフィー様の言葉にリオン様が苦笑する。


あの笑顔は、愛想笑いじゃない。


目の前には望んでいた麗しい光景があるのに、何故だか視界が霞んでよく見えなくなってしまった。


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