尋問
目が覚めた。
私は、室内で、目を覚ました。
天井が、そこにはあった。
「あぁ…だめだったか…そうかぁ…」
もう、涙は出なかった。
代わりに出たのは、乾いた笑いだけだった。
私はそのまま、仰向けの体をうつ伏せに寝返って、何も意識せず、もう一度寝ようとした。が、眠気などというものなど一向にこず、ただゆっくりと、ゆっくりと、時間を飲み込み続けるだけだった。
しばらくして、人が部屋に入ってきたらしい。そろそろお迎えが来たのだ。
本当に、一瞬だった。
まるで、昼寝で見た夢のようだった。
「君、大丈夫か?あんな森の中で倒れているだなんて…」
「…はは…早くつれて…い…け…」
…少し、想像した反応と違った。
こめかみを掻く私を見ながら、その男の人は暖かい白湯を私に手渡した。
「冬の朝は冷え込むからね。ほら、飲みな」
手が陶器ごしに伝わる熱で、じんわりしてくる
「…ありがと…ございます…?」
敬語なんて、使う事など皆無だったが、見よう見まねでやってみる。
「ふふ…なんで疑問形なんだよ」
そう笑う彼をみると、なんだか目から涙が溢れてきた。
「あれ…なんでいま…っ」
「あわわ、笑ったのごめんよ!」
「ちっ違うんぇす」
器で埋まった両手のせいで、涙を拭くことができない。
「ほんとに大丈夫なんです…」
しばらくして落ち着いてきたので言った。彼はその間、何も言わずに横で座っていた。
「いや、そんな…ううん、なんでもない。
…そうだ、お腹は空いてないのか?」
「いいや、あんまり…」
言われてから意識してみたが、空腹ではないし、逆に食欲はなかった。
「…どうして私を家にいれたんですか」
この人はいい人だ。
でも、そう思っても、私は不安を拭いきれない。
男の人はしばらく考えた後に言った。
「君は1人で倒れてた。それだけだよ」
「そう…じゃあ」
きっと、この人なら、大丈夫。だから聞くことにした。
「あなたは…神を信じる?」
作者です。戸龍です。
投稿時間を変更することにしました。
明日からは夜の21時20分に投稿しますので、ご了承ください。




