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15年後、“悪役”二人の望まぬ再婚約  作者: 鈴木べにこ


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4.廃嫡王子の悲しみとやや希望の物語

 エリックは昔を懐かしむように続きを話し始めた。


 エリックとミリア、流れ流れて山奥のボロボロの空き家に到着するがまともに食べる物も無くひもじい思いに限界が来たミリアはエリックは頼りにならないと身限り逃げ出し、とうとう独りぼっちになったエリック。


 エリックは常に腹を空かせ小屋の周辺の草花を食べて飢えに苦しんでいた。


 何度もエルカーデの町に降りて食料を分けて貰おうと考えが過ぎっていたが、2週間程に町に到着した時に傲慢な態度を取って町の人達に嫌われたばかりで食料を分けて貰えない自覚があった。



『この僕が働いてやる!高貴な血の僕と働ける事に光栄に思え!』



 そんな言葉を吐いた為に町のどこにも受け入れて貰えず、現在自業自得で妻に逃げられ何も出来ずに腹を空かしている。


 町の人間に謝罪をして食べ物と働き場所を恵んでもらうなんてどうしてもプライドが許さなかった。


 常にぐうぐうと腹の音が鳴りイライラしながら何か食べ物がないかと森の中を徘徊し草花で飢えを凌ぐ。


 飢えを凌ぐ以外に考える事と言ったら元婚約者だったアナベル・カスティールを恨む事だ。


 婚約者を裏切って自業自得で廃嫡になった事に納得していないエリックはアナベルに逆恨みをしていた。



『口煩いアナベルがとっとと潔く婚約者の地位を降りていれば僕が草花なんか食べる事はなかったのに!これも全てアイツのせいだ!』

 


 大声を上げてアナベルを恨んだとてもっと腹が減るだけで極度の空腹で徐々に怒りも薄れ地面の上に仰向けで空を見上げるしかなかった。


 その時、数人の足音が聞こえエリックは上半身を起こした。


 空腹で限界だったエリックは謝罪でもなんでもするから食べ物を恵んでもらおうとフラフラになりながら走ってその数人の目の前に現れた。


 だけどその数人を見てエリックは固まった。


 何故なら目の前にいる8人の男の手には太い木の棒が握られており、ギラギラとした獲物を見るような目で自分を見ていたからだ。



『本当だ、こんな所に住んでいやがった。』


『な?言った通りだろ?』




 まるで自分を探していたかのような口ぶりの会話だが、その雰囲気からエリックを哀れに思って食べ物を恵んだり仕事を紹介してくれるような雰囲気ではなかった。


 この8人の男達は自分に危害を加えに来たのだと本能が警告する。


 エリックは背を向け走り出した。



『あっ!コラ待てッ!!』



 男達は恐ろしい顔をしてエリックを追いかけて。


 そして空腹で限界が来ていたエリックはすぐに捕まった。



『僕をどうするつもりだ!ふんっ、悪いが金目の物なんか何一つ持っていない。僕を人質に取って王家に脅すつもりならお前達の命は無いと思うんだな!廃嫡になったとしても僕は気高い王族なんだ!僕に手を出したらお前達どうなるか分からないぞ!』



 エリックの言葉に男達は逆上し、手に持っている棒を次々にエリックに振り落とした。


 何度も何度も。


 初めての暴力は凄まじく、棒で殴られる度に死を連想させ、目の前がバチバチと光が走り息ができない程の激痛と衝撃がエリックを襲った。


 20分後、男達の興奮が治り息遣いが森に響く。


 血と痣だらけで誰か判別できない程に顔が腫れ上がってボロボロのエリックを見て、男達は己がやった所業に全身の血の気が引いた。


 逆情してしまった暴力に対してではなく、廃嫡されたとて元王子に暴力を奮った事がバレてしまえばどうなるか分からないという事に冷静になると焦り出した。


 男達は顔を真っ青にしてブルブルと震え出した。


 このままほおっておけばエリックは死んでしまうだろう。


 男達が突如恐れを成したのは、廃嫡された王子にどこまで許されるのかが分からなかった。



 現状誰も助けに来なかったが、元王太子ならば監視が付いていておかしくはない・・・。


 ケガをさせても罰せられないのか、殺してしまっても罰せられないのか。


 目の前のエリックは瀕死の状態だ。



『お、俺は知らねぇッ!!』



 1人の男が逃げ出した姿に他の男達も一目散に逃げ出した。


 瀕死のエリックは微かな呼吸のまま目の前が真っ黒になり死を悟った。



『(どうして、こんな事に・・・こんな所で・・・・・。)』





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