表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15年後、“悪役”二人の望まぬ再婚約  作者: 鈴木べにこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/46

番外編2.手紙

 終戦から4年後。


 4年分の郵便物がカリナの元へ届いた。


 カリナは実家が戦争で燃えてしまった為、郵便物を届ける場所がなかった。


 だが戦争が落ち着いたらのもあり、城で働いている本人の元へ直接届けられた。


 30枚ほどの手紙の中に、その手紙があった。



「(アナベル様っ!)ご無事で!」


 

 

 戦争の話が出る前、突如届いた手紙。


 アナベルからエリックの勘で逃げた方がいいとだけ書いてあった。


 意味不明な手紙だが、カリナは信じる事にした。


 騎士達にも一応は伝えたが、騎士の中で逃げたのはフレディだけだった。


 カリナは家族と安全だと思われる場所を考えて逃げたが、カリナが思ったより戦争の範囲が広く、避難場所だった町の半分が焼かれた。


 それでも家族と自分が無事だったので、アナベルからの手紙にカリナは感謝した。


 終戦後、レイラストになった城で侍女の募集があったので、その募集を受けた。



「当時ゴタゴタしててこの件は後回しにされましたが貴女に窃盗の容疑がかけられていますが、どういうことでしょうか?」


「・・・・・。」


「まぁ、いいでしょう。今は1人でも働き手は欲しいです。貴女を採用致します。」


「(セーフ!良かったァ!)」


 

 事なきことを得たカリナであった。


 現在城はレイラストの政府の者達が働く場となっている。


 カリナはそこで補佐や給仕をしている。


 そして今に至る。

 

 アナベルからの手紙を、食堂の椅子に座りながらゆっくりと読む。


 アナベルは現在ロゼリアに住んでいる事、エリックと結婚した事、子供ができた事などが書かれ、カリナと騎士達の安否をとても気にしてした。


 手紙の日付けは2年前になっていた。



「(子供がいるんですね!よかった!本当に良かったぁ!)・・・ひっぐ!」



 アナベルが子供を欲していたことを知っているカリナは食堂でボロボロと涙を溢した。



「ほぉ・・・お手紙ですか。」


「な、何勝手に読んでるんですか!」



 政府の男である眼鏡の男性に手紙を覗き込まれていた。



「いいです。いいです。アナベル王太子妃殿下とのやり取りをしてください。」


「なななな、何言ってるんですか、アナベル王太子妃殿下は死んでますし!この方は名前が同じなだけです!」


「けっこう、けっこう、そのままお願いしますよ。」


「は、はい?」



 数年後、この政府の男がエリックの前に現れる事となる。


 


 エリックが住んでいた町では。


 焼かれる事はなかったが略奪が横行していたので、家の中はどの家もめちゃくちゃにされた。


 貴重品や家財なども奪われ、町の人々の生活が立て直すのにかなり時間がかかった。


 ララやお上さんもその一人。


 郵便物も戦争の影響で届くのに時間がかかった。

 


「お母さん!手紙!エリックから手紙届いた!」



 戦争前、エリックから逃げた方がいいという手紙をもらった。  


 町の人々に伝えても信じてくれなかったので、エリックの手紙を信じてララとお上さんは二人で山の奥へ奥へと逃げた。


 山の奥まで略奪の悲鳴が風に流れて聞こえてきた。


 悲鳴が聞こえなくなり山から下りてくると、町はめちゃくちゃになっていた。


 死人はいなかったが、怪我人はたくさん出た。


 そこから町の人々は生活を立て直さないといけなかった。


 ララとお上さんは大きなため息をついた。



「生きているならどうにかなるわよね。」


「生きていただけでも良かったと思わないとね。」



 そうして、町の人々と助け合いながら今に至る。



「あああああ!エリック取られたー!悔しい!」



 手紙を読んだララは泣き出し、悔しそうにテーブルをドンドン叩いた。


 お上さんはララから手紙を受け取り読む。



「あらあら、エリックが結婚しちゃったよ!あの王太子妃殿下と結婚して!」


「悔しいよぉーーー!!!」


「いっぱい泣きな。長年の初恋が敗れたんだ。」

 

「うわぁあああああん!!!」



 こうしてララの初恋は終わりを迎えた。




 別の場所では。


 再び城。


 騎士の修練場では、騎士が一ヶ所に集まっていた。


 ケイと髭をもじゃもじゃに生やしたトーマスと他の騎士達は一人の人物を冷めた目で見ていた。


 フレディは少し気まずそうに笑う。



「久しぶり皆んな!お菓子いっぱいもってきたんだけど、食べない?」



 戦争前。


 王様が突如としてモモに変わり、城の空気は一変した。


 混乱だった。

 

 それは国のトップである上層部の意見を無視した、王様が馴染みのない少年を王に任命するという前代未聞の話だった。


 上層部はモモの王様就任をどうにか撤回できないものかと、頭を抱えていた時。


 モモが戦争を宣言した。


 王の命令は絶対。


 これは崩す事はできない決まりだ。


 騎士達はアナベルからの手紙でエリックの勘により逃げた方がいいあったが、騎士の誇りを守る為、国や王様を守る為、逃げる事なく城に残った・・・フレディ以外。


 フレディは手紙の内容を信じ、騎士の誇りなど関係無くさっささと逃げた。


 そして戦争がはじまり、騎士達も戦地に送られた。


 騎士の半分が怪我で剣を持てない身体になった。


 モモ国王逃亡により、ガンベール軍全軍投降。


 捕まった騎士達は一人一人身柄を調べられた。


 しばらくすると、レイラストの物になった元ガンベールの城を守る騎士が欲しいとレイラストの政府の男から話があった。


 守る王族もいない城を守って何になると、その話を断る騎士もいた。


 レイラストの物になった城に戻る騎士もいた・・・理由は、なんとなくそうしたいからだ。


 ケイと顔の傷を隠す為に髭を生やしたトーマスもその騎士の一人だ。


 そして今に至る。

 

 何の葛藤もなく、戦争前に運良く逃げたフレディをその場にいる騎士達は冷めた目で見る。



「自分も今日から騎士に復帰します!」



 シーン。



「アナベル様からの手紙見る?」


「「見る。」」




 時間はかかったが大切な人達へ全ての手紙が届いた。


 返信は直ぐだろう。


 そしてその返信された手紙をエリックとアナベルは安心と喜びで満ちた目で見るのだった。




E N D

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ