番外編3.その時。
終戦から15年後。
「またアンタか。」
政府の男がエリックの家に何度目か訪れた。
政府の男が言った通り、ロゼリアからのたくさんの人々により自分達の正体が隠せない所まで来ていた。
常に噂され、噂は本当なのかと職場まで人が訪れた。
幸せに暮らしてしていたのに、今では子供達への被害も心配する日々だ。
「ね?言った通りになったでしょ?」
「・・・・・・。」
「時代や人々は待ってくれません。終戦から15年経ちました。レイラストの養子として、ガンベールの王族の復活として、子息を是非我々に預けてくれないでしょうか。」
「・・・・・アナベルと話してみる。」
「はい!良いお返事をお待ちしています!」
その夜、子供達が寝てからエリックはアナベルと話をした。
「この街にいるのも限界だって分かっていたわ。私が処刑されたアナベルだってバレているもの。」
「引越しでもするか?」
「逃亡生活みたいになるのはごめんよ。」
「俺は君と家族がいればそれでいい。どんな立場になっても・・・・。」
「私もよ。私は貴方の考える事に賛成するわ。どんな意見でも。」
「アルフレッドに決めてもらおう。養子にご所望なのはアルフレッドだからな。」
次の日。
エリックとアナベルとテーブルを挟んで座っているアルフレッド。
アルフレッドは視線を下げて口を開く。
「たまに知らない人に言わるんだ。ガンベールの王太子妃殿下にそっくりだって。他人の空似だと思ってたんだけど、最近やたら言われるんだ。そして父親は誰なんだって・・・父さんの名前を出すと、その人はすごく喜んだ。僕って本当に王族なの?」
「・・・そうだ。王族だ。」
「そっか・・・王族なんだぁ・・・。」
アルフレッドは王族である事実に何とも言えない感覚を味わっていた。
「それでレイラストの王族に養子に入らないかと言われている。お前だけな。」
「え!!僕だけ!!?何で?」
「王様に育てたいらしい。」
「でも、王族ってあの戦争を起こしたモモ国王と同じ王族なのに何で僕を!?」
「モモは王族ではないとされている。だから王族の復活を望んでいる者が多いらしい。正統な王族の血が大切なんだと。だからアルフレッドに決めてもらうことにする・・・ここにいる事を選んだら、もう既に普通の平民の暮らが出来ていない事は分かるな。」
もしこの場にいる事を望んだら、噂に塗れた王族が人々の目に晒されながら生きる事になる。
「うん・・・。」
「でも、ここにいる事を選んでも俺達はそれでもいいと思ってる。時間はかかるが否定し続ければその内、元の生活に戻るだろう。」
「そうかな・・・。」
「噂なんてそんな物だ。」
「貴方の正しいと思う様に考えなさい。」
アルフレッドは真っ直ぐに父と母を見た。
「ねえ、何で父さんと母さんがここにいるのか教えてよ。それから考える。」
エリックは静かに口を開く。
「話は長くなるが聞いて欲しい。俺とアナベルはーー」
それから一年後。
レイラストの王族にガンベールの王族の血を引く美しい男の子が養子として新しい王子として迎えられ、レイラストの物となった城は再びガンベールの王族が所有する城となった。
養子となった王子の両親は、死んだとされたエリックとアナベルの子として、正統なガンベールの王族として発表された。
エリックはレイラストの大公の地位を授かり、元ガンベールの地でアナベルと2人の子供と共に静かに暮らしている。
アルフレッドは聡明で才能に溢れた人物で、またしても戦争を仕掛けたれたレイラストをその頭脳を使って守ったという。
アルフレッドは歴史に名を残す王となり人々に愛されているのだった。
END




