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15年後、“悪役”二人の望まぬ再婚約  作者: 鈴木べにこ


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16.悪役の最後

 玉座の間。

 


「王妃、最近のエリックをどう思う?」


「口では否定してますが、王太子としての貫禄が出てきたと思いますわ。」


「折角の側妃は追い出されたが、側妃候補などいくらでもいる。それに可愛い可愛い孫もいる。」



 王様はニヤリと笑った。



「要らないのは・・・あの女だな。」


「ええ、そうね。アナタ。」



 王妃は微笑む。


 王様が手を数回叩くと男性の従者が1人現れた。



「命令だ。アナベルを--」



 アナベルが執務室で1人仕事をしている時、たくさんもの騎士が部屋に入ってきた。



「こんなにたくさん何のご用意でしょうか。」



 アナベルは冷静に対処する。



「過去に王太子2人を王族の籍から消したことに関与した罪により、国家転覆罪として逮捕させていただきます。尚、その罪は重罪として明日の朝、処刑させていただきます。」



 長年仕えている騎士が苦しそうに伝えた。


 アナベルは覚悟してたかのように目を伏せ、優雅にお辞儀をした。



「かしこまりました。」



 騎士の2人がアナベルのサイドに立つと両腕を後ろ手に縛った。


 そしてアナベルと両サイドの騎士を先頭に、部屋を出て歩き出す。


 向かうは、処刑まで過ごす地下牢だ。



「アナベル様?どうしたんですか?」



 たくさんの騎士を、不穏な雰囲気で連れているアナベルにカリナは目を丸くする。


 アナベル普段を装って笑う。



「何でもないのよ。まだやり残した仕事があるの、悪いけど続きをやってくれないかしら?」


「わ、わかりました・・・。」



 たくさんの騎士達とすれ違いながら、どうしても違和感を拭えないカリナ。


 その瞬間、1人の騎士からさり気なくメモを渡された。


 そのメモを見てカリナは叫びそうになったが、口を手で塞ぎ、騎士達が通り過ぎると走って行った。


 カリナが向かった先は、エリックの部屋だ。



「何!?明日の朝王太子妃殿下を処刑するだと!!?」


「エリックさん声が大きいです!」


「何故処刑する必要がある!?仕事を見事にこなしていたじゃないか!」


「親父と俺がいるからだろ。」



 モモがソファに座りながら言った。


 エリックの部屋にはモモとネコがいる。


 どうやらモモはエリックに少しは心を開いたようだった。



「アナ、ベル様・・・いい、人なのに、可哀想・・・。」



 ネコは悲しい顔をする。


 そんなネコにモモは優しく頭を撫でる。



「アナベルさんは親父と俺が来るまでの繋ぎみたいなもんだろ?だから俺達のせいでアナベルさんは死ぬんだ・・・最悪だな。」



 モモは苦い顔をした。


 エリックは怒りで拳が震える。



「あの頑固な父上に言っても無駄な事は俺が1番よくわかっている。でもどうすれば。」


「親父って噂通りに、若い時のバカ王子のままなんだな。」


「いきなりなんだ!」



 モモは呆れた様な口調で言った。



「その馬鹿みたいについた筋肉は何の為なんだよ?飾りか?」



 モモの言葉にエリックは数秒黙った後、笑った。



「強行突破か!脳筋の俺にピッタリだな!」



 そしてエリックは真っ直ぐとモモをみた。



「俺はここを出て行く、お前達は?」



 モモは生意気そうに笑った。



「ここにいる。やる事があるんだ。」



 エリックは、これがモモと会える最後になるかもしれないと思うと寂しく感じた。



「父親になれなくてごめん。」


「別に最初から望んでねーよ・・・アナベルさんを助けてやれよ。親父。」


「ああ。必ず助ける。」



 そしてエリックはカリナにアナベルの荷物をまとめるように頼むと、部屋を飛び出して行った。

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