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15年後、“悪役”二人の望まぬ再婚約  作者: 鈴木べにこ


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14−2.

 モモの部屋の前には心配そうなアナベルとネコがいた。



「エリック様!来て下さったのですね!よかった!モモ様どうやら塞ぎ込んでるようで元気がないんです!父親として励ましてください!」


「父ではない・・・ダメ元で話かけてみる。」



 エリックはモモの部屋にノックして入った。


 モモはソファに座って空を見ていた。



「何でアンタが来るんだよ。」


「頼まれた。」


「最悪だな。」


「・・・ネコが心配してたぞ。様子が変だと。」



 モモはエリックの方に身体を向き直した。



「アンタも人の事言えねーだろ、俺と同じであの女に困ってんだろ。」



 あの女ーーエミリア。


 エリックとモモの共通点だ。



「おっさん教えてくれよ。仮にアンタが父親だとして、何で俺はスラムで育たないといけなかったんだ。」



 モモは真剣だった。


 自分の父がエリックだと言う前提で話をしていた。


 モモは純粋に知りたかったのだ、自分の生い立ちが不幸な事を。


 エリックは下を向いた。


 そしてしばらくして顔を上げた。



「俺がミリアを・・・お前達を迎えに行かなかったからだ。」



 沈黙。


 モモはエリックを静かに見ている。



「戻って来たら迎える気ではいた。でも、しなかった。ただ待っていた。それでももし・・・。」



 エリックの唇が微かに震える。



「ミリアに子どもがいると知っていたら探しに行ったと思う・・・。」


「・・・・・嘘つけ。」


「・・・そうかもな、その時にならないと実際は分からない。」


「クソ親父。」



 モモは小さく笑った。



「ミリアと何があった。」



 モモは顔を途端に歪め唇を噛み締めた。



「親父、アンタ王太子なんだろ!あの女を追い出してくれよ!」


「待て、何があったんだ!」



 モモは言いたくなさそうに拳を握った。



「アイツは・・・アイツは・・・!」



 噛み締めたモモの唇から血が滲んだ。



「アイツは俺に客を取らせたんだ!!」


「っ!!!」


 

 エリックは目を見開く。



「女の服を着させて、無理矢理客を取らされた!俺は抵抗した!でも相手は大人で・・・。」



 モモの目から一筋の涙が溢れる。


 エリックはモモを抱きしめた。



「すまなかった。知らなかったとしてもミリアを探しに行けば、お前にそんな事はさせなかったのに。」


「離せよ!くせーよ!離せよ!今更なんだよっ!バカ!アホ!死ね!くそ!くそっ!」



 悪態をつきながらも、モモの目から次へと次へと涙が流れる。



「なんで俺があんな目にあわなきゃいけないんだよ!なんでだよ!なんで!クソ親父のせいだバカ野郎!」


「そうだ全て俺のせいだ。」


「バカ野郎!バカ野郎!クソ親父!」


「すまなかった。」


「バカ!死ね!バカ!親父のせいだ!」


「すまなかった。すまなかった。」



 その後、しばらくエリックはモモの悪態を受け止め続けた。


 しばらくするとモモは泣き疲れて寝てしまった。


 モモをベッドへ寝かす。


 エリックのその表情は無表情に怒っていた。


 モモの部屋をでるとアナベルとネコが心配そう顔で伺ってきた。



「モモ様の様子はどうですか?」


「色々あってな泣き疲れて寝ている。」


「では起きるまでそっとしておきましょうか。ネコ様わたくしの部屋でお菓子でも食べましょう。」


「・・・うん。」



 アナベルとネコを見送ったあと、エリックは廊下をすすむ。


 着いた場所は修練場だ。



「エリック殿何用で?」



 わらわらと騎士達がエリックの周りに集まる。



「王太子命令だ。」



 騎士達の動きがピシリと止まる。



「今、この城にいるミリアという女を追い出せ。命令だ。」



 フレディはニヤリと笑った。



「かしこまりました。王太子殿下。」



 その場にいた20人もの騎士が、エリックの命令で動き出した。


 そして玉座の間にいたミリアを捕まえる。



「王太子殿下の命令で貴女を城から追い出します。」


「はぁ!?王様助けて!」


「ほぉ、エリックの奴権力を使うようになったかいい兆候じゃな。」


「聞けよ!助けろよ!離せ!!」



 王様に無視されるミリア。


 ミリアはそのまま引きずられるように城の廊下を歩かされる。


 そして門の前にくると思い切りつき飛ばれて、石畳みの上に倒れた。



「もう貴女は城に入れませんから。これも王太子殿下の命令です。ばいばーい。」



 フレディが煽る様に手を振って踵を返す。


 ミリアは怒りで震えた。



「エリック!これで終わったと思うなよ!お前の幸せなんてぶち壊してやるんだから!クソォ!!!」

 


 ミリアはしばらくの間、門の前で罵倒していたそうな。

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