13-2.
モモが王に対する怒りを募らせながら部屋に戻ると。
「何してんの?」
アナベルが笑顔でネコの髪をとかしていた。
「ネコ様がお部屋にいないので、こちらに来たら、いらっしゃっいましたので髪をとかしたいなぁーと思いまして。」
「何で?」
「ダメでしたか?」
「ネコがいいなら別にいいけど・・・。」
「ならよかった!ネコ様!こちらのリボンをつけてみましょっ!」
「う、うん・・・。」
アナベルは楽しそうに色んなリボンをネコに合わせたり、アクセサリーを合わせたりしている。
ネコは恥ずかしそうだが嬉しそうにアナベルにされるがままになっていた。
「アンタいい人だよな。」
モモの言葉に一瞬アナベルの手がピタリと止まった。
「・・・ふふ、ありがとうございます。」
アナベルはネコの後ろ髪にリボンをつける。
「アンタ俺のこと邪魔じゃないの?よくわかんないけど跡継ぎ問題とか。」
アナベルはネコの頭を撫でながら口を開く。
「赤ちゃん・・・出来なかったの。多分この先も出来ないと思いますわ。」
アナベルはなんだか泣きたくなった。
そんなアナベルを鏡越しでネコが心配そうにみつめる。
「だから・・・その分、貴方達2人を子供みたいに可愛がりたいなぁーっと思いまして・・・迷惑でしたか?」
「別に・・・ネコが嫌がらなければいい。俺は嫌だけど。ていうか、アンタ俺のこと苦手だろ。」
「バレてましたか。モモ様のお母様とは色々あったのでそれで・・・。」
「あっそ。まぁ俺はネコがいいならどっちでもいいけど。」
「お2人に聞きたかったことがあるんだけどいいですか?」
「なんだ?」
「お2人は恋人同士だったりするのですか?」
「ぶっ!はぁ!?なななななに言ってんだ!」
モモは吹き出して顔を真っ赤にして慌てる。
「モモ・・・と、ネコは・・・家族、だよ?」
対照的にネコは落ち着いていた。
この2人の様子にアナベルはピンッときた。
「(ネコ様は親愛だけど、モモ様はネコ様に片想いって感じなのね。)」
アナベルはニヤニヤとする。
「な、ななななんだよその顔は!」
「別になんでもありませんわ。考えていたのですけど、わたくしはネコ様の保護者に。モモ様の保護者はエリック様に。それぞれ分かれて保護者になろうと思います。」
「なんであの筋肉親父が出てくるんだよ!保護者なんていらねーよ!」
「いります!貴方達はまだ子ども、王族や貴族社会のことはよくわかないでしょ!それに危険なことだってあるかもしれないですし・・・。」
「アンタがネコの保護者になりたいだけじゃねーの?」
「・・・・・それもあります。」
モモはため息をついた。
「まぁいいや・・・アンタがネコの保護者なら、ネコの部屋につけたメイドをどうにかしてくれよ。」
「何か失礼な事が!?」
「そうだよ。アイツ等ネコをバカにしてた。そんで水風呂に入れた。許せねぇ!」
アナベルの顔が一瞬歪む。
「・・・・申し訳ありませんでした。ネコ様、モモ様。」
アナベルほ深々と頭を下げる。
「何でアンタが謝るの?」
「わたくしの采配ミスと教育不足です。」
「・・・そうかよ。でもアンタ皆んなに舐められてんじゃん。どうにかできんのかよ?」
アナベルは少し困ったような、そして悲しいような顔をした。
「確かにわたくしは皆んなに軽んじられています。ですが、王太子妃の権力は伊達じゃありません。そのメイド達をクビにするなんて簡単にできすわ。」
「ふーん。じゃあアンタを信用してもいいんだな。」
「はい!わたくしはネコ様の保護者ですから!」
「あっそ。」
そっけない返事だが、アナベルはネコを大切にしてくれる存在だと、信用してもいいかもとモモは思っていた。
アナベルのおかげで王様への怒りが少し収まった・・・ただし許していないが。
「そう言えばネコ様のお名前の由来はなんでしょうか?猫が好きだからとかですか?」
アナベルは優しくネコに聞く。
「私・・・捨てらて・・・猫に・・・育てられた。」
「え?」
「だから、みんなから・・・ネコ、呼ばれてる。」
「猫に育てられた?」
アナベルの目が点になって固まった。
予想外の話に脳がついていけなかった。
「深く考えるな。」
モモのその言葉にアナベルは意識を戻した。
「(どういう事がわからないけどネコ様はネコ様!わたくしはネコ様の保護者!しっかりしないと!)ネコ様!もう二度とネコ様に嫌な思いはさせませんからね!」
「う、ん?」
アナベルが新たな決意を抱いてる時。
新たな脅威が城に向かっていた。
「ふんふふーん!やっと運が巡ってきたわ!わたしこそが王太子妃よ!」
馬車の中からピンクの髪に水色の瞳の妖艶な美女が遠くに見える王都を見て妖しく笑った。




