11.息子!?この子誰の子?
「アナベル様、あの2人いつまでああやって睨み合ってるんですかね?」
「もう2時間は経つわ。お互い色々と思うことがあるのでしょう。」
「顔は似てませんがこうやって睨み合っている2人を見てますと。」
「「雰囲気がそっくり。」」
アナベルとカリナが口を揃えて言う。
王宮の応接室にて髭もじゃ男と美少年がかれこれ2時間睨み合っていた。
何があったかというと。
2時間前ーー。
あの王太子お披露目パーティーから1ヶ月が経ち、王様とエリックの養子をとる取らないの喧嘩や「俺は王太子じゃない!」「撤回しろ!」というエリックの訴えなどが、毎日のようにあるので騎士やメイド達からはすっかり飽きられていた。
そしていつものように今日こそはと目をギラギラさせて気合いが入ったエリックは玉座の間へとやってきた。
玉座の間の扉を開けると王様の隣に、身なりはボロボロで汚れていたが、遠くからでも分かるピンクの髪と水色の瞳の容姿がとても整っていた少年がいた。
「ミリア。」
その少年を見てポツリとつぶやくエリック。
「どうだエリック驚いたろう!」
唖然とするエリックに得意気な王様。
「お前の息子だ!」
エリックの時が止まった。
「は?」
信じられないかのようにエリックは眉間に皺を寄せた。
「積もる話もあるだろう!まずは親子2人で話すがいい!」
「はいお祖父様!」
「孫が出来てお祖父様と呼ばれるのはこんなに嬉しいものだったなんてなぁ!」
ピンク髪の美少年にデレデレする王様。
美少年は応接室に移動中、その美貌で笑顔を振り撒き廊下にいる従者達の目をハートにさせていた。
そして美少年は応接室に着いた途端。
「チッ!」
デカイ舌打ちをして不機嫌に顔を歪ませた。
「で?アンタみたいな臭そうな筋肉男が親父?いい加減にしてよね。ホント最悪。」
「こっちの台詞だ!お前みたいなガキなんぞ知らん!」
「気が合うじゃーんオッサン!この話はこれで終わり。とっとと消えてよ。」
「言われなくても消える!なんてガキだ!」
天使から口の悪い悪魔へと変貌した美少年。
エリックがドアを開けて出て行こうとした時。
「エリック様お待ちください。」
アナベルが書類を持って立っていた。
後ろにはカリナもいる。
アナベルとカリナはササっと応接室に入ってきた。
「エリック様にはこの方の実の父であると認めていただかないといけないのです。」
「何故そんな必要がある!見覚えはないぞ!」
アナベルはふっーと息を吹く。
「本当ですか?全く?」
エリックは固まると視線を下に向けて気まずそうに答えた。
「一度だけだ。」
カリナが冷めた目でエリックを見る。
「一度だけでも出来る時にはできます。」
アナベルの声には呆れが含まれていた。
「確かにミリアとはあの小屋で一度関係を持ったが、同時期にミリアはあの町で身体を売り始めたんだ。だから俺の子供だとは限らない。」
カリナは冷めた目から蔑む目になってた。
「まるで責任を取りたくない男の必死の抵抗みたいですね。最低。」
「う、うるさい!」
「カリナ、本当のことを言ったら駄目よ。」
「すみませんでした。エリック《《王太子殿下》》。」
「・・・・・・。」
カリナにとことん嫌われているエリック。




