1.王家を滅ぼす魔女と呼ばれ
〈アナベルside〉
『そこにいるアナベル・カスティールと、私エリック・ライヒの婚約を破棄する事を宣言し!代わりにこのミリヤと新たに婚約するとここに宣言する!』
15年経っても忘れぬ事のできない記憶。
『何故私が廃嫡にならないといけないのだ!私はただ真実の愛に目覚めただけなのにっ!お前のせいだ!お前のせいだッ!』
忌々しくわたくしを睨みつける自業自得の元婚約者の目。
元婚約者はその場で廃嫡となり、新たに第二王子が次の王太子となった。
『兄上の婚約者だからと諦めていましたがずっと好きでした。僕の婚約者になってください。そしてゆくゆくは僕と結婚して王太子妃となってください。』
そしてわたくしは婚約破棄をされたばかりでしたが、王太子になった直接の第二王子のレーゲン様にプロポーズされてわたくしは王太子妃となりました。
わたくしは彼に相応しくなるように努めて彼を支えた。
全てを捧げて彼を支えた。
『ははは…………嫌われ役は疲れるよ。』
と、思っていた。
『なんで僕が王太子なんだ。』
だけど彼の様子は徐々におかしくなっていった。
『僕は君の操り人形じゃないッ!……いや、ごめんよ……どうやら疲れているみたいだ。ははは…兄上は凄かったんだな。わがままで傲慢で嫌われたとしても周囲の人間を命令して動かしてたんだ、僕にはとても、とても………。』
優秀だった彼は王太子という人の上に立つ地位に向いていなかった。
『ごめんなさい、ごめんなさいレーゲン様!またしても赤ちゃんが!ごめんねさい!』
『アナベルは悪くないよ、焦らないで、僕達は僕達のペースでやっていこうよ。』
『はい、ありがとうございます………。』
3回目の流産で悲しむ私を彼は優しく慰めてくれた。
だけどーー
『レーゲン様!!』
彼はクローゼットルームでメイドと浮気をしていた。
『レーゲン様から離れなさいっ!』
『キャア!?』
『彼女に触るなッ!!』
レーゲンはわたくしを突き飛ばして浮気相手のメイドを抱き寄せる。
『なんで?なんでなのですかレーゲン様!!』
浮気を問い詰めても彼は謝るどころかわたくしを鼻で笑なら言い放つ。
『もうどうでもいいや。王太子なんて僕には無理だったんだよ。君が代わりになればいい。結局僕を操って動かしていたのは君なんだ。僕よりも君の方が向いているよ。結局、なんだかんだ兄上の方が王太子として向いてたんだ…………うんざりだ。王太子の地位も、王宮も、君も、全部。』
こうして彼は浮気相手のメイドと共に姿を消した。
本当の妻のわたくしを残して………。
そのメイドのお腹には彼の子がいるらしい。
お腹の中の子をわたくしに奪われたくないと思った彼は、多額のお金で人を雇い誰の目にも触れる事無く姿を消した。
わたくしを捨てたとしても彼はまだ王太子。
彼の意思だけで王太子の地位を捨てる事など許されず、王命で彼の行方を全力で探していた時にある真実が解ってしまった。




