1/46
プロローグ
山奥の森深く、小川のほとりにある小屋の前で1人の男が薪を割っていた。
男はブロンドの髭をもじゃもじゃに伸ばし全体的に薄汚れていはる為、本来は30代前半なのだが実年齢より上の40代にみる。
鍛え抜かれた肉体でもくもくと薪を割っていく男。
ふと馬車と馬の蹄の音と数人の足音が聞こえ、男は薪を割る手を止め顔を上げた。
高級な馬車と鎧を着た数人の騎士達は男の前で足を止めた。
その馬車から美しく着飾った1人の銀の髪の美しい女性が優雅に降りて来て男と目を合わせた。
そして銀の髪の女性は頭を下げて言葉をゆっくり発した。
「お迎えに上がりました。エリック王太子殿下。」
男は目を見開くと次第に眉間に皺を寄せていった。
「は?」
男の不機嫌そうな低い声が静かな森にやけに響いた。




