表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15年後、“悪役”二人の望まぬ再婚約  作者: 鈴木べにこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/46

5-2.

 アナベルは呆れと悲しみが入り混じった表情をして鼻で笑った。



「なんて贅沢な考えなのかしら?罪悪感から逃れる為ならわたくしに殺されてもいいなんて。悲劇のヒーローのつもりかしら?」


「そんなつもりは・・・。 」


「それとも加害者から被害者?もちろん悪役はわたくしよね、国中がそう思っているもの!」


「俺が全て悪い。だから少し落ち着こう。」


「だってわたくしは王子2人を王宮から追い出した悪女ですもの!全部全部わたくしが悪いのよ!貴方が婚約破棄を宣言して廃嫡されてっ!レーゲン様がわたくしとの子どもを望まず不倫相手と子どもを作って王宮から、わたくしの前からいなくなったのも、全部全部わたくしなんかが存在したかよ!貴方に婚約破棄された時にわたくしが死ねばよかったんだわ!」


「落ち着け!!君は何も悪くない!悪いのは全て俺と弟だ!少なくとも俺と君の後ろにいる騎士2人は君が悪いなんてこれっぽっちも思っていないっ!!」



 悲痛な胸の内を感情のままに暴露したアナベルはピタリと動きを止めてゆっくりと後ろを振り返る。

 そこには2人の騎士が心配そうにアナベルを見ていた。



「あぁ、もう終わりよ!貴方だけならまだしも年下の騎士にこんな無様な姿を見せてしまうだなんてっ!こんな事言うつもりなんてなかったのに!もう消えてなくなりたい!死んでしまいたい!ああああああーー」



 アナベルは顔を青くさせたり赤くさせたり羞恥心から手で顔を覆うと声を出して泣き出すので、エリックと若い騎士2人は困惑するしかなかった。


 ちなみに若い騎士の2人の名前は、サーベルを落とした方がケイ・ガイル(23)ともう1人はトーマス・ラシルド(24)。

 2人は王太子妃の護衛を信頼して任せられる程に腕の立つ人材で、王太子妃のアナベルに尊敬と敬意をはらえる良い騎士だ。

 そんな騎士2人に対してアナベルは今年で31歳になった事もあり、年下の若者に恥ずかしい姿を見せてしまったと羞恥心から泣いている。


 この小屋に来てエリックと再会してからのアナベルの情緒は不安定だ。


 アナベルの人生をハードモードにした原因の男が更生して真面目に生きてて尚且つ自分より幸せそうだった事がアナベルが長年蓋をしていた感情を爆発させたみたいだった。



「あああーーなんでわたくしはこうなのかしら?何故全てが上手くいかないの?わたくがわたくしだから?ああああーー。」



 目の前で泣いているアナベルになんて言葉をかけていいか悩んでいるエリックにトーマスは近付き耳元でエリックに話しかけた。



「エリック殿下、こういう時は抱きしめるんですよ。」


「はぁ?何を言ってる?それと殿下と呼ぶな。お前達2人のどちらかがした方がいいだろ。」


「年下の我々がした所で子どもの慰めにしかなりませんよ。」


「そうですよエリック殿!ここは王太子妃様と同い年の大人のエリック殿が抱きしめて慰めるべきです!」



 トーマスの意見に賛同するケイの言葉に困った顔で眉間に深い皺を刻むエリック。


 エリックはため息を吐きパイプ煙草をテーブルの端に置くと、後ろからアナベルをあやす様に優しく抱きしめた。



「その、なんだ、泣き止んでくれ。」



 だが現実はロマンス小説のように上手くいかない。



「なにするのよッ!」



 アナベルはエリックの顔に張り手をしたのだった。


 若い騎士2人は何も見なかったと言わんばかりに視線を逸らした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ