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21本の聖剣の物語  作者: ジャスティン
第2期
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隠された闇の真実1-2

絶体絶命の光景が、荒野に刻まれていました。「死ね……! 闇!!!」「……光!!!」両者が放つ極大のエレメントが正面から激突します。しかし、ライヤは真っ向から押し返すのではなく、自らの光をまるで「泡(バブル)」のように分散させ、暗影の猛攻をすり抜けて本体へと肉薄させました。ドォォォン!!!漆黒の光線がライヤを直撃し、彼女はその場に膝をつき、鮮血を吐き出します。しかし、傷だらけになっても、その瞳だけは真っ直ぐにアンガンの体を見つめていました。「……アンガンさん……起きて……! 早く、目を覚まして!!」「ハハハッ! 無駄だと言っただろう。こいつが目覚めるはずが——」暗影がトドメの一撃を放とうとしたその時、アンガンの右手が、自らの意志に反してその動きを制止しました。「なっ……!? なぜ右手が動かん!? 貴様、まだ意識が残っているのか!?」そこへ、アーガンが叫びながら駆け寄ります。「兄さん!!!」「チッ、目障りなガキだ。消えろ、土のエレメントめ! 邪魔する奴は、誰であろうと殺してやる!!」暗影はアーガンを影の手で叩き伏せ、その命を刈り取ろうと歩み寄ります。アーガンは目の前に迫る「兄」の姿に、絶望と悲しみの入り混じった表情で呟きました。「兄さん……」暗影が腕を振り上げたその瞬間、アンガンの肉体が激しく拒絶反応を起こしました。「死ね……! ……なっ、何だ!? やめろ!!」「……俺の体から、出ていけぇぇぇ!!!」アンガンの真の意識が、ついに暗影の支配を打ち破り、内側から肉体の制御を取り戻そうとしています。「くっ……おのれ、制御が効かん……動けない……!」「ライヤ……今だ! 僕ごと撃て!!!」アンガンの必死の眼差しが、ライヤへと向けられました。「……分かったわ。アンガンさん、信じてる!」ライヤは残された全ての源力を拳に集め、眩いばかりの光を蓄え始めます。「待て……! 貴様、正気か!? 二人とも死ぬぞ!!」「……構わない、やれぇぇぇ!!!」暗影の叫びと、アンガンの咆哮が交互に入れ替わります。ライヤは涙を堪え、限界まで高めた光を解き放とうと叫びました。「いくわよ……これが、私たちの希望の輝き!! 光——————ッ!!!」眩い閃光が収まると、アンガンの体からどす黒い霧が吐き出されるように噴き出し、暗影がその実体を剥ぎ取られました。「……くっ、おのれ。次は、貴様らを完膚なきまでに絶望させてやるからな……!」暗影は不気味な捨て台詞を残し、形を保てなくなった影のように闇の奥へと消えていきました。それと同時に、アンガンの体は糸が切れた人形のようにその場に倒れ込みます。「アンガンさん!!」ライヤがボロボロの体で駆け寄り、彼を抱き起こしました。アンガンは力なく目を開け、眩しそうに天を仰ぎます。「……ああ、ライヤか。……無事、だったんだな」「よかった、本当に……正気に戻ってくれたのね」「……ああ。体がひどく重いが、気分は悪くない。……光を見るのは、随分と久しぶりな気がするよ」アンガンは自嘲気味に微笑みました。十数年もの間、自分の肉体を奪われ、暗闇の中で眠り続けていた彼にとって、今この光景は奇跡に近いものでした。ライヤはそっと彼の肩を支えながら、少し離れた場所で立ち尽くしているアーガンの方へと視線を送りました。「……でも。私より先に、話をしなければいけない相手がいるんじゃないですか?」その言葉に、アンガンはハッとしたように顔を上げました。そこには、涙を溜めた瞳で自分を見つめる弟の姿がありました。「……そうだな。……ライヤ、恩に切るよ」「……ええ。お二人でゆっくり話してください。私は少し離れていますから、終わったら声をかけてね」ライヤは優しく微笑むと、再会した兄弟の邪魔をしないよう、静かにその場を離れました。沈黙が流れる中、アンガンは重い口を開きました。「……アーガン」「ごめんなさい、兄さん……僕が兄さんを誤解していたんだ」「いや、違うんだ。聞いてくれ……」アンガンは、遠い日の記憶を辿るように静かに語り始めました。「お前にエレメントの力が目覚めた時、僕は本当に嬉しかった。でも、自分に力が無かったことが少しだけ悔しくてね。毎晩、みんなが寝静まった後に一人で剣術の稽古をしていたんだ。そんな時、天が味方したのか、僕に力を授けてくれる師に出会った。……初代・闇のエレメント」アーガンは驚きに目を見開きました。「彼はエレメントだけでなく忍術も教えてくれた。そして、自分の力を僕に引き継いだ後、姿を消したんだ。彼は言っていたよ……『焦るな、偶然の機会が無限の可能性を呼び覚ます』とね。僕はただ、お前を守りたかった。家族を守りたかったんだ」アンガンの声が震えます。「あの襲撃の日……村を襲った連中の正体はどうでもいい。だが、彼らのリーダーにはエレメントの寄生体が憑いていた。子供だったお前が敵う相手じゃなかった。……倒れたお前の姿を見た瞬間、僕の中で闇のエレメントが爆発したんだ」「僕はリーダーを倒した。だが、それが間違いだった……。体から追い出された暗影は、そのまま僕の体へと入り込んできたんだ。……その後のことは、お前も知っている通りだ。奴は僕の体を操って村を焼き、両親を……。あえてお前だけを生かしたのは、僕を一生憎ませるためだったんだよ」アーガンは驚きを隠せませんでした。「……待って、兄さん。どうしてそこまで詳しく(暗影の企みを)知っているんだ?」アンガンは遠くを見つめるような目で答えました。「奴は僕の心を牢獄に閉じ込めていたんだ。僕の精神世界で、奴が何を考え、何を企んでいるのか……すべて筒抜けだった。でも、僕には抗う力がなかった。あまりに長い間、真っ暗闇の中にいたからね。……でも、さっきライヤが放った強い光が、その闇を焼き払ってくれたんだ。それでようやく、反撃する力を取り戻せたのさ」アンガンは弟の顔を真正面から見据えました。「お前に許してもらえるとは思っていない。でも、僕がエレメントを学び、忍術を身につけたのは……すべてお前を守るためだったんだ」「……どうして、そこまでして僕を守ろうとするの?」アーガンが震える声で問いかけると、アンガンは当然のことのように微笑みました。「決まっているだろう。お前は僕の、世界で一番大切な弟だからだ」「……ふん、急にそんなこと言われても」アーガンは照れ隠しに顔を背けます。アンガンは少し懐かしそうに続けました。「そういえば、覚えているかい? 昔、たまに神垣市へ行った時に、お前がいつも食べていたあのご馳走を」「……ケーキのこと?」「そう、それだ! いつかまた、一緒に食べに行こう」「……もう食べたよ」アーガンは冷たく突き放すように答えました。アンガンの顔に、あからさまな失望の色が浮かびます。「そ、そうか……。もう食べたんだな……」しかし、アーガンは少し間を置いて、小さく付け加えました。「……でも、二回目を食べてもいいよ」「……! ああ、約束だぞ!」兄の不器用な優しさに触れたその瞬間、アーガンの脳裏で、核雷によって改竄(かいざん)されていた記憶の欠片が一つに繋がりました。書き換えられた偽りの憎しみが消え去り、真実の兄弟の絆が、アーガンの心に完全に蘇ったのです。

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